ボーナストラック 設定資料集(※読破後の閲覧を推奨します)
皆様、初めましての方は初めまして。鍵宮ファングです。
まずは本作を最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
まさか5年前に始めた処女作より後に生まれた本作が、活動開始初の完結作になろうとは思いませんでした。作者もビックリです。
というか、コピー記も本当なら今頃終わっていたはずなんだ、はずだったんだよ……!
とまあ、そんな戯れ言は置いといて。折角完結したということで、記念に設定資料集を解禁しちゃおうかなという運びでございます。
とは言っても、キャラクターの名前の由来だとか、読むのがちょっと楽しくなる程度の情報しかないです。
やっぱり没になった設定とか、2章以降で考えていた展開とかは、他作品で使いたいし。
そういうワケで、まずは主人公陣営から!
・エリック・サーガイン
本作の主人公、エリックについて。といいますか、主人公陣営の名前について。
簡潔に言うと、彼らの名前は全員世界各国に存在する「秘薬・霊薬」の名前が由来となっています。
例えばエリックの場合、下の「サーガイン」と組み合わせることで「エリクサー」になります。
聞いたことあるでしょう? そう、「FFシリーズ」とかで全回復する激レアアイテムとして登場する、あのエリクサーです。
因みに私はE缶とかも最後まで取っておく派だったので、使ったことは片手で数えるくらいしかないです。
軽く解説をすると、錬金術で「飲めば不老不死になれる」と伝えられる霊薬・万能薬です。
また中国の道教で仙人になるための霊薬を作る術である「練丹術」が目指していた霊薬「仙丹」も同じらしい。
本作は「回復魔法」がカギになってくるため、RPGで最もメジャーなエリクサーから名前を取りました。
キャラクターの設定としましては、ちょっと冴えないオッサン的なイメージで作成しました。
その背景にも、かつて仲間を失ったトラウマから過剰に死を恐れたり。しかし一方で、自分の命はどうなってもいいと考えてしまい、自己犠牲に走ってしまう二面性があったり。
まあ、人間なんて矛盾してなんぼの生き物なので。エリックも自然とそうなりました。
……余談ですが、「サーガイン」にはコレと言った理由はありません。
サから始まる下の名前を考えた際、「忍風戦隊ハリケンジャー」に登場したキャラクターを思い出したので、ここから取りました。なので木曜日とは何の関係もありません。
・リタ・マムルタート/アムリタ
本作のヒロイン枠。
名前の由来も、偽名で使っていたアムリタから取っております。こちらも言わずもがな霊薬。漢字で書くと「甘露」。
インド神話に登場する神秘的な飲料(霊薬)の名前で、飲む者に不死を与えるのだとか。
また古代インドに存在する「ソーマ」と同一視されています。これも霊薬。
(ソーマなる植物の茎から採った液と牛乳、バター、麦粉を混ぜて造るのだとか)
キャラクターの設定としましては、多額の借金を背負った没落貴族の娘で、家族の借金を返済するために冒険する少女。
幼い頃から貧乏暮らしだったこともあり、美味しいものを食べるとあまりの美味さに感動しちゃいます。
また強気な性格は一様に「女だからとナメられたくない」という一心だけではなく、私個人が強気な女の子キャラが好きなので、こうなりました。ついでにドジっ子属性も。
クールながらも強気でグイグイ来るタイプのリタ、控えめながらも熱いエリックの凸凹コンビが非常に書いていて楽しかったです。
でも実はリタ達マムルタート一族には秘密が……。これは2章以降続けば、書きたかった。
・タオ・シルバディ
本作のヒロイン枠その2。
はい出ました、鍵宮作品名物「男の娘」。だって、可愛いから。
彼の名前の由来は、中国の練丹術から造られたとされる「仙丹」。そこから派生して中華キャラっぽい「タオ」と「シルバー」から取りました。
え? 霊薬要素どこだよって? まあ待ちたまえ。
と言うのも、秦の始皇帝が国を治めていた時代、始皇帝は不老不死であることを望み、不老不死の霊薬を造るよう部下に命じたそうな。
当時、外丹術を得意とする人達(現在で言うと薬師、とりあえず練丹術使いと同じ)は、不老不死の霊薬「丹薬」を造るために、「辰砂(シンシャ 別名:丹砂)」を基本材料として使用していました。
超絶分かりやすく言うと、これが水銀です。
始皇帝は不老不死になるため、水銀から造られた「丹薬」を飲みました。がしかし不老不死になることはなく、死にました。
それ以前にも、中国には秦以前から「不老不死」の思想があったそうで、皆こぞってこの「仙丹」「丹薬」を欲し、不老不死になるため服用して死んでしまったそうな。
とどのつまり、不老不死の薬こそが水銀なのです。多分違うけど、そう捉えてくれて問題はない。
そんなワケで、銀から連想して「シルバディ」、中国の逸話から中華キャラっぽい「タオ」が採用されました。決してポ○モンは関係ない。
キャラクターの設定としましては、のほほんとしていて一見可愛らしい見た目ながらも、怪盗団として陰に生きる二面性を持っているキャラクター性でした。
こちらは第1章のゲストキャラ的な立ち位置で、後述するモリアーティ教授に拾われた恩もあり、彼のために悪事を働いていたタオが、エリックとリタの助けを借りて成長する物語を描く上でこのようになりました。
またコロコロと姿を変えられる「怪盗団」らしい設定は、水銀が様々な用途で扱われ、練丹術の逸話でも「霊薬」として慕われていた所から来ております。
後はまあ、男の娘を可愛く描きたかったので、自然と可愛い系に……。
因みに余談ですが、タオにはもう一つ「黒猫」モチーフが含まれています。
こちらは怪盗と言えば「キャッツ・アイ」、「泥棒猫」とか物盗りの代名詞として扱われる他、作者個人の思想として「男の娘=オス猫」というイメージから来ております。
だって、あんな可愛らしい姿をしているのにオスって言われたら、驚かない?
あ、驚かない。そっか……(シュン)
続きまして、敵キャラクターについて。
・ラトヌス一味
エリックが元々所属していたパーティの長ですね。
こちらはモチーフとか特になく、とにかく嫌な奴を造ろうという構想から誕生しました。
ただ嫌な奴を書くだけだと面白くないので、どうせなら名前で遊んでやろうという魂胆から、皆変な名前にされました。
ラトヌス・サンシッタの場合は、ドラクエとかでよく用いられる? 名前の一つ「とんぬら」と「三下」から。三下らしく、すぐに人をナメた態度を取ります。
シリカ・R・メギネッツは「尻軽の女狐」から。ラトヌス以外にも、別の男がゴロゴロいるみたいです。
イヲカル・トラタルディは「虎の威を借る狐」と「取らぬ狸の皮算用」から。彼もラトヌスの威を借りて威張り散らかし、まだ獲得もしていない報酬金でアレコレ考える残念な脳筋おじさんだとか。
そんなこんなで生まれた3人でした。
……そういえば、私の別作品にも同じ名前の奴がいるって?
それはおそらく同一人物だと思いますね。
・ゲッコウ・A・モリアーティ
第1章の章ボスにして、本作のラスボス。リタが一推ししている冒険者塾の教授です。
名前やキャラクターのモチーフとしては、完全に「シャーロック・ホームズ」のラスボス的存在のキャラクター「モリアーティ教授」から取りました。
(きっとホームズシリーズに精通していた人は、この時点で気付いていたかもしれない)
「犯罪界のナポレオン」とも呼ばれた彼のように、本作でも「冒険者の父」と慕われる裏で、国家転覆を企む極悪人でした。
また「ゲッコウ」という名前は、怪盗団を指揮する元締めとして登場するため、怪盗の代名詞である「月」から連想して採用。
ただそれだと、どこかの某海賊漫画に登場する七武海の島らっきょと被ってしまうため、急遽「A」のミドルネームを追加しました。
ガチガチに余談ですが、ワ○ピースで私が好きなキャラクターは、ゲッコー・モリアです。上記の被ってしまうキャラとは、何も関係はないです! 断じてッ!
それでは最後に、ちょい役として出演しておりましたキャラクター達を軽くご紹介。
・ジョバンニ一行
彼らはの名前やキャラクターの設定は、完全にドラゴンクエスト8を参考に作りました。
ジョバンニは8主人公。主人公らしく、エリックを優しく受け入れてくれました。
ジェリカとダンガスは、完全にお色気担当の魔法娘と、元盗賊のオッサンです。
ククールは、キャラクター性全く違うけどエリックってことで。
こちらも余談になりますが、私が1番好きなドラクエのナンバリングは「8」です。
・チラミールさん
もう忘れ去られたかもしれないけど、博物館編に一瞬だけ登場した成金おじさん。
彼は「チラっと見る」という語源から名前を採用しました。
ということで、以上設定資料集でした。
もし良かったら、私の他作品も是非とも見て行ってくださいな。
それでは、次の作品でお会いしましょう。ほなまた。




