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26. ちょっとお休み-2



ちょっとお休み-2




昨夜タップリ飲んだので、ナナミは気分良く起床します。


でも、何か気に掛かります。


皆さん、気付いたでしょうか?

そうです。

魔女の危機管理システムが働かなかったのです。


いつもなら、知らない男が不埒ふらちな事をしようと近付いただけで弾き飛ばしてしまうからです。


寝起きのボケた頭で考えても、何も浮かびません。


チェーサー用に買っておいた炭酸水を飲んで、温泉に向かいます。

飲酒をしてからの入浴は、危険だからです ・・・ ?


昨夜はシコタマ飲んでからお風呂に行きましたが、「昨夜の事」は「昨夜の事」で終わりです。

毎度の事ですが、ナナミは自分に都合の良い様に解釈して終わりです。



今朝も、温泉、素敵です。


白濁温泉に浸かりながら考えます。

何か、いつもと違った事をしたのかな ・・・ ?


我慢が出来る限り、温泉に浸かりながら考えます。

いつもと違っている事 ・・・ 車の運転中に「もらい物の粒ガム」を嚙んだこと以外ありませんでした。

その粒ガムは、「殺菌効果がある」ので、歯みがきを忘れても大丈夫という「優れもの」のガムなのです。

でも、貰ったのが「あの先生」からだったのです。


想い出してみると、先生が何か言っていました。

「ルームフレグランス」と同じ効果があるとか ・・・


見てみないと分かりませんが、「Witch Mark」の文字とホウキに乗った魔女の絵がプリントされていた様な記憶があります。


朝から長湯をしてしまい、立つとふらつきます。

脱衣場にある冷水器のお水を飲んで、復活しました。


浴衣を着てお部屋に戻ります。

裸のままと言う訳にはいきません。

裸のままだとオジサン達には喜ばれますが、おばさん達には顰蹙ひんしゅくを買ってしまいます。


廊下で、例のオジサンに会いました。


朝っぱらから、酔っぱらっている感じです。

いや、飲んでいなくても ”酔っぱらった感じ” なのかもしれません。


「おねえちゃん。 あさから、どう?」

卑猥な手の形で誘われました。


「どうしようかな~ ・・・ 」

と言いながら、何となく、オジサンに付いて行ってしまいました。


オジサンのお部屋に着きました。

景色の良いスイートルームです。

夜でも、朝でも、素敵なお部屋です。


ナナミが景色を見ていると、オジサンがナナミの浴衣の帯を解こうとしました。


その時です。

オジサン、物凄い勢いですっ飛ばされたのです。

幸い、ベッドの上に落ちたので、一命は取り留めました。

当たり所が悪ければ、あの世行きです。


あまりの勢いに、オジサンは気を失ってしまったので、何事も無くナナミは自分のお部屋に帰ってきたのです。



時間になったので、夕食と同じレストランで朝食です。

朝食はバイキング形式です。

でも、卵料理などはシェフが目の前で調理してくれます。

「オムレツにしてね。」

ナナミがそう言うと、手際よくフライパンでオムレツが完成です。


座る場所は昨日と同じで、確保されていて焦る必要はありません。

一通りお皿に載せて、パンとスープを取りに行ってお食事開始です。


ナナミが一人前を平らげた頃、酔っ払いオジサンが現れました。


先ほど取れなかった料理と、食べて美味しかった料理を再度お皿に取りに行きました。

最初は「洋食」だったので、今度は和食です。


魔女はカロリー消費量が多いので、たくさん食べたり飲んだりしても太りません。


トレーにたくさん乗せて、自分の席に戻ります。


オジサンに挨拶すると、ボーっとしていて他人行儀です。

勢いよくすっ飛ばされたので、記憶が飛んでしまった様です。


そんな事は気にせずに、”二人前” も平らげて、コーヒーを紙コップに入れたのを持って、お部屋に戻りました。



コーヒーを飲みながら朝のテレビを見て、もう一度温泉に入ろうと、浴場に向かいます。


途中の廊下で酔っ払いオジサンと会いましたが、本当に酔っぱらっている様に足元が覚束おぼつかない感じです。

ナナミが軽く会釈をしましたが、反応がありません。


「まあ、いいや」という感じで、女湯に到着して白濁温泉に浸かります。


十分満足して、お部屋に帰って歯磨きをして、荷物を片付けてチェックアウトしました。




車に乗って、粒ガムの入れ物を見ました。

「Witch Mark」の文字とホウキに乗った魔女の絵がプリントされていて、注意書きも書いてあります。


まあ、「後で読めばいいや」という感じで、スタートします。


次の目的地は「万座温泉」です。


国道292を快適に走ります。

白根山の近くで県道466へ左折して、ワインディングを楽しみます。


楽しんだところで、万座温泉に到着です。


日帰り温泉へ向かいます。

草津よりも硫黄分が多いのか、ナナミのお好みです。


そこで軽食をいただいてから、万座ハイウェイを軽井沢方面へ向かいます。


鬼押し出しを抜けて、国道146を走ります。


中軽井沢から国道18で軽井沢の駅方面に向かいます。


軽井沢駅手前のアンダーパスを抜けて、アウトレットの駐車場に車を止めます。


アウトレットで、自分のものだけではなく夫のものもたくさん買いました。

ついでに、カフェで厚切りフレンチトーストのアイスクリームと果物を載せたものと、コーヒーを飲んで休憩しました。


沢山買って、食べて、満足してホテルに向かいます。


ホテルは、中軽井沢にある会員制のホテルです。

ナナミの勤めている会社も会員になっているのです。

一種の福利厚生です。



ここでも、「お一人様用」のお部屋は無い様で、「ツイン」のお部屋です。


荷物を置いて、早速、温泉に向かいます。


白濁ではなく単純泉の様で、無色透明です。

でも、手足を伸ばせるのが嬉しいのです。

車の運転の疲れなど、吹き飛んでしまいました。



お部屋に戻って、鞄を開けました。

一番上に、例の粒ガムが入っています。


魔女専用の注意書きがQRコードになっています。

指を鳴らすと、鳴らした右手にスマホが現れました。

必要な時だけに現れる「魔法のスマホ」なのです。


魔法のスマホでないと、読めない様になっている様です。

QRコードを読み込むと、色々書いてありました。

まあ、普通の粒ガムのボトルに書いてある内容と、ほとんど変わりません。


違いは、この一文です。

「殺菌力が強く、噛んでおけば当社の ”ルームフレグランス” と同じ効果があります。」

要は、魔女の危機管理システムをキャンセル出来る様です。

オマケに、こう書いてありました。

「効果は、嚙み始めてから ”半日間” です。」


だから、朝っぱらに酔っ払いオジサンが、危機管理システムで弾き飛ばされたのです。


「な~んだ、そうだったんだ ・・・ 」

と、一件落着です。



お部屋でスマホを弄りながらテレビを見ていたら、夕食の時間になりました。


フレンチなので、少し気取った格好でレストランに向かいます。



ここでも草津のホテルと同じで、「お一人様」はナナミだけの様です。


やっぱり、夫と来たかったと思って、小さく声が出ました。

「チ! 悔しいから飲んでやる!」


まず、シャンパンから始めます。


「グラスで宜しいですか?」

ソムリエが聞いてきました。


「ボトルで ・・・ 」


「は、はい ・・・ 」

お店としては、売り上げが上がるので良いのですが、ソムリエとしては驚きです。


ソムリエがシャンパングラスに注いでくれます。

前菜に合わせた、中ぐらいの辛口です。


グイっと飲んで、グラスはアッという間に空になりました。


ソムリエが次を注ごうとしますが、ナナミが断ります。

「手酌で ・・・ 」


そんな感じで、前菜が食べ終わる頃には、シャンパンのボトルは空になりました。



次はお魚料理です。

お肉の料理よりも、お魚の料理の方が、凝ったソースが使われています。


ナナミがソムリエを呼びます。

「白ワインをお願いね。」


「グラスで宜しいですか?」

ソムリエが聞いてきました。


「ボトルで ・・・ 」


「はい ・・・ 」

二度目なので、ソムリエはあまり驚きません。


ソムリエがワイングラスに注いでくれます。

魚料理に合わせた、辛口です。


当然の様にグイっと飲んで、グラスはアッという間に空になりました。


「手酌でやるから ・・・ 」

ソムリエが動く前に、ナナミが言いました。


折角なので、ワイングラスに並々と注いで、口からお迎えに行きました。


「うん。 ソースに合っていて、美味しいわ。」


今回も、魚料理が食べ終わる頃には、白ワインのボトルは空になりました。



続いて、お肉料理です。


チェックインの時にお肉料理が選択出来る事を言われたので、牛のステーキではなく、「鴨の胸肉のオレンジと赤ワインソース」に決めました。


ナナミがソムリエを呼びます。

「赤ワインをお願いね。」


「はい ・・・ 」

流石に三度目なので、ソムリエは赤ワインのボトルを持ってきました。

「鴨肉に合うワインです。」


ソムリエがワイングラスに注いでくれます。

鴨料理に合わせた、フルボディです。


ソムリエは、注ぎ終わったらいなくなりました。


鴨肉を味わいながら、赤ワインを浴びる様に飲み干しました。



最後にデザートとコーヒーです。

優雅に足を組んで、デミタスコーヒーを味わいます。


ソムリエが、何かを持って現れました。

飲んだものの「確認サイン」をしろという事です。

金額は書いてありませんが、ホテルの宿泊代よりも高額な請求だと思われます。




千鳥足ではなく、シッカリと歩きます。

ワインのボトル3本くらいでは、酔わないナナミです。


「ラウンジはこっち!」と言う表示を見て、迷わず足はそちらに向かいました。


「よいしょ!」と思わず言って、カウンターの前の椅子に座ります。


発した言葉と違って、椅子に座った後ろ姿は素敵です。


レストランで、チラチラとナナミを見ていたオジサン二人が近付いてきました。

「一緒に飲みませんか?」


「奢っていただけるの? 嬉しいわ ・・・ 」


オジサン達二人は、ナナミがシコタマ飲んだことを知っています。

シャンパン、白ワイン、赤ワイン ・・・ それぞれ全てボトルです。


因みにワインのアルコール度数は、15度くらいあり、ビールとは比べ物になりません。


「好きなものを飲んでいいですよ。」

片方のオジサンが言いました。


「じゃあ、ウイスキー ・・・ あそこにあるヤツ!」

ナナミがリクエストしたのは、勿論、国産の最高級ウイスキーです。


バーテンダーが聞きました。

「どの様な飲み方が宜しいですか?」


「ストレートで!」

ナナミ、いつも通りです。


バーテンダーは、ショットグラスを冷凍庫から出しました。


すかさずナナミが言いました。

「そっちのハイボール用のグラスにしてね。」


「は、はい ・・・ 」

お客様の要望ですから、ハイボール用のグラスを磨いてから用意します。


開けたてのボトルから、ウイスキーが注がれます。

7分目あたりで、バーテンダーがナナミを確認します。


ナナミがちょっと顎を上げて「もう少し」と合図しました。


グラスの8分目より少し多く注がれました。


「じゃあ、いただくわ。」

そう言って、ナナミがグイっとグラスのウイスキーを飲み干しました。

どう見ても、ビールという感じです。


「プハ~! 美味しい! もう一杯。」


2杯目のグラスも飲み干してしまいました。


大きいグラスなので、あっと言う間に1本目のボトルが空になりました。


オジサン達、驚きながらもバーテンダーに2本目を開けさせます。

酔い潰して、オイシイ事をしようとする魂胆です。


2本目がナナミのグラスに注がれました。


「皆さんも飲んだら?」

ナナミがそう言って、一人目のオジサンに同じ様な量のウイスキーを勧めます。


人間とは不思議なもので、他人が簡単に出来る事は自分も出来ると思ってしまうのです。


一人目のオジサン、グイっとグラスを飲み干してしまいました。

でも、オジサンの目が見開いてしまいました。

「ドカーン!」という感じが、飲み終わってから来たのです。

オジサン、動けません。


「ほら、あなたも飲まなきゃ!」


美人でスタイルの良い女性に勧められたのです。

それに、仲間のオジサンは、格好良くグラスを「一気飲み」で空にしたのです。


「よ、よし!」

そういって、二人目のオジサンもグイっとグラスを飲み干してしまいました。


でも、二人目のオジサンの目も見開いてしまいました。

「ドカーン!」という感じが、飲み終わってから来たのです。

二人目のオジサンも動けません。


「凄く美味しいわ。」

そう言って、ナナミが2本目を空にしてしまいました。


「もう1本、開けてもいい?」


ナナミが聞いても、オジサン達から返事がありません。

よく見ると、二人とも座ったままで気を失っていたのです。


「しょうがないわね~。 じゃあ、ご馳走様~ ・・・ 」

そう言って、ナナミはお部屋の帰って行ったのです。






今年最後の「ナナミのお話」なので、何かあると思ったでしょうが、お酒をシコタマ飲んで、終わりになりました。


来年の次回は、シッカリ、ヤリまくる予定です。




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