13. 12月の「13日の金曜日」 ・
13日の金曜日。 今年は2回。 9月と12月。
2024年二回目の12月の「13日の金曜日」です。
今回は、色々なバージョンで展開してみたいと思います。
上手くいったり、それで終わったり、色々なお話にしてみます。
段々エロくなってきた「新連載 イン魔女」シリーズです。
「18禁」に近いというか、ほぼ、「18禁」の内容になってきています。
今回もクドく説明しますが、元々、魔女の話は「夢の話」であって、当然フィクションです。
そのフィクションの中の「もしかしたら、こんな事もあるのではないのかな?」的なお話の続きです。
今回も、話に出演?している魔女や魔法使いのお姉さん達は、連載中の登場人物と同じ名前だったり、姿形も一緒ですが、一応「別人」です。
12月の「13日の金曜日」 ・
今日は「13日の金曜日」。
金曜日は、いつもは会社でナナミが退社するギリギリまで、ナナミのアソコにジョージのアレを突っ込んでしまう日なのですが、今日は朝から現場に出掛けたのです。
現場なので、いつもの様に会社の車でお出掛けです。
ナナミは昨日の夜に、夫にタップリ愛してもらって、大満足で寝たお陰で、睡眠十分。
今日は現場に行くので、夫とおとうさんの分のお弁当だけを用意した。
夫は早朝にジムに通っているので、出掛けるのが早い。
ナナミも、ジョージのお願いで、毎日早朝出勤なので、夫と一緒に出掛けている。
夫がバーベルで頑張っている時に、妻が他の男と頑張っているとは、妻を信じている夫は知る由もないのである。
夫は”真面目”、妻のナナミは”不真面目”の極致、不倫、不貞である。
会社に着くと、ナナミはトイレに寄って、下着を交換する。
交換するのは、下着と言っても、ほぼ”ヒモ”だけの”趣味の品物”である。
殆ど二人同時に部署の部屋の前に到着し、部下のナナミが部屋のカギを開ける。
二人して専務室に入って、マホシートを必要個所にスプレーする。
そして、いつもの様に、早朝出勤で二人とも、朝っぱらの2時間、ナナミとジョージはヤリ合うのである。
都合4回、ジョージの噴出物がナナミの中に注がれて、早朝の部は終了。
マホシートを使っているので、お片づけは簡単である。
夫は運動が終わって、プロテインドリンクを飲む。
ホエイの吸収が早いヤツである。
その頃妻は、上司のジョージのアレをシャブって綺麗にして、ジョージのアレに残った”粘液”を飲み込んであげている。
一応、”蛋白質”なのでプロテインとも言える。
「ゴックン」と音を立てて飲んであげる。
夫とイタシた時はティッシュで拭くだけなので、大サービスである。
部署の朝会の後、部長や課長と朝の打ち合わせを終えると、二人は現場に向けて出掛けて行った。
勿論、いつもの通り現場に行く途中に”ラブホ”に寄るのである。
そして、いつも通りに、バスルームで”立ち○○”。
続いて、同じくバスルームで”立ちフロント”。
引き続いて、ナナミのアソコにジョージのアレを入れたまま、それでナナミを持ち上げる。
「あ~ん! ジョージ、素敵よ!」
ジョージが歩く度に、ナナミのアソコに突き刺さったジョージのアレが大きく深く”出し入れ”するので、ナナミは思わず歓喜の声をあげてしまう。
そして、二人でベッドに倒れ込む。
そして、そして、ベッドの上で、”組んず解れつ”。
早朝に2時間、”30分おとこ”のジョージなので、4回放出した。
行きのラブホでは余裕をもって、3回で終了させ、のんびりシャワーを浴びる。
余裕があるので、シャワールームでイチャイチャして、”もう1回”と言うパターンも多い。
大満足の二人は、サッパリした顔で現場に到着。
仕事の状況を確認し、的確な指示を現場の部下に与えて、ジョージの奢りで、現場の担当者達と楽しい昼食。
ナナミがシッカリ領収証を貰っているらしい ・・・ ?
現場担当者に手を振って、営業活動に出発。
勿論、営業活動は建前。
来る時に寄った”ラブホ”に直行。
普段は週に2回の現場調査なのだが、今週は金曜日にも現場に行く事になった。
二人とも、ウキウキでの仕事である。
事務所の中で同じ様な仕事をするのでなく、開放的に仕事が出来るからである。
勿論、行きと帰りに”ラブホ”に寄って、思いっ切りヤリ合えるのが、一番の喜びなのである。
今日の残りの予定は、ラブホで思いっきりヤリ合って、会社に戻って、もう1回、出来ればもう2回ヤリ合おうという目論見である。
来る時と同じく、バスルームで”立ち○○”。
続いて、同じくバスルームで”立ちフロント”。
引き続いて、ナナミのアソコにジョージのアレを入れたまま、それでナナミを持ち上げて、ベッドに二人で倒れ込む。
バスルームからベッドまで、わざと遠回りをして、ジョージはナナミのアソコに突っこんだアレを、歩きながら何度も腰を動かすのである。
ジョージの体力、”化け物”である。
そして、ベッドの上で、”組んず解れつ”。
殆ど腰を密着させて、ジョージのアレを深くナナミのアソコに突っ込んだまま、ジョージがグイグイと腰を擦り合わせる。
近頃は、このスタイルが二人の”お好み”である。
「ナナミ! 行くよ!」
20分を過ぎたあたりで、ジョージがそう言うと、二人で腰を激しく動かして、その10分後にナナミのアソコの中に、タ~ップリとジョージが注ぎ込んだ。
いつもは、二人が抱き合ったままで、口づけを繰り返したりするのだが、いきなりジョージが立ち上がった。
ジョージのアレからも、ナナミのアソコからも、ネバネバの液体が溢れ出し、両方が糸で繋がっている様である。
後ろから、”声”が聞こえた。
ジョージだけに聞こえたのか、イッテてしまったナナミには聞こえなかったのかは分からない。
「もう、終わった?」
おばさんの声である。
慌てたジョージは尻もちをついたが、濡れて光っているアレはそびえ立ったままて、まだまだ”ヨダレ”を垂らしていた。
ジョージが離れたナナミは、足をM字開脚したままである。
その足の根元のアソコからは、ジョージがタップリ注ぎ込んだ白濁したドロドロの液体が溢れ出ていた。
連続の3回目なので、タップリ注がれたナナミは大満足なのである。
おばさんが言った。
「どうする? 旦那さん!」
旦那さんと言われた男が答えた。
「そこにいる女は、もう”知らない女”です。 そちらの”好き”にしてください。」
「じゃあ、私は”後処理”をしてから帰ります。 旦那さん、、お一人で帰れますか?」
「は、はい ・・・ 」
そう言いながら、旦那さんと言われた男は、フラフラと扉の方に向かって歩き出した。
男は掛かっていた錠をあけて扉を開けたが、扉のドアノブで身体を支えなければ、立っていられない状態だった。
快楽の中で満足していたナナミは、男の声を聴いて上体を起こした。
物凄く、良く知っている声だった。
ナナミのアソコから、ゴボッと音がしてたくさんの白濁の粘液が溢れた。
お腹に力が掛かったので、足のつけ根のアソコからたくさんジョージの出した液体がドっと溢れ出たのである。
おばさんが言った。
「二人とも、”動けない!”」
おばさんは、ナナミとジョージに魔法を掛けたのである。
二人とも、五感はしっかりしているのだが、身体は微動だにしなかった。
ただ、ナナミのアソコからは、ドロドロっとジョージの放出した白濁の粘液が滴り出ているだけだった。
おばさんは、ドアノブにすがって、何とか立っている男のところに行った。
男は、ぼそっとこう言った。
「他の事は許せないけど我慢が出来るかもしれない。 でも、あの顔は許せない。 昨日、俺の腕の中で見せた”満足しきった”、あの顔だけは ・・・ 」
男は、ナナミのアソコから他の男の液体が溢れ出るのを許せなかったが、その時のナナミの満足した顔は、もっと許せなかったのである。
そう言い切った男に、おばさんは魔法を掛けた。
「1週間だけ、今見た事を忘れる魔法よ。 その後は”ヒミツ”。」
男は先ほどよりはフラフラしなくなったが。何とかラブホから出ると、一人で車に乗り込んで、そしていなくなった。
部屋に残ったおばさんは、こう言うと霧の様に消えていった。
「1週間だけ”猶予”を与えよう!」
ジョージが動ける様になると、部屋のカギはシッカリ掛かっていた。
ナナミを見ると、震えて青い顔をしていた。
ナナミが震える声で言った。
「魔女の警察に、私達の事がバレた ・・・ 」
無言のまま、二人はシャワーを浴びて、会社に帰っていった。
ジョージはどうしても気になったので、ナナミに聞いた。
「魔女の警察って?」
「正式名称は”魔女倫理委員会”って言うのよ。 普通は、魔女同士のもめ事が対象なんだけど ・・・ 。 どこかで私達を見ていた魔女がいたのね。」
「ぼ、僕が責任をとるよ。 みんな、僕の所為だから ・・・ 」
こんなところが、ジョージの良いところである。
まあ、ジョージが「俺は知らない」などと言ったら、ナナミに殺されていたかもしれないが ・・・
身内のお葬式の帰りの様な感じで、二人は会社の駐車場で車から降りた。
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さあ、ここからは、色々なバージョンに変わります。
”色々”と書いてしまいましたが、多分2バージョンになると思います。
次のバージョンでも、ここまでは同じ文面になると思います。
まあ、前回の確認などと言ったりしますが、実際は”手抜き”です。
とにかく、今回はその「バージョン1」です。
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バージョン1
部署に戻る前に、二人ともトイレの洗面所で顔を洗います。
二人が戻って来ると、部長がジョージに声を掛けます。
「お疲れ様です。 現場はどうでしたか?」
ジョージ、平然と ・・・
「ああ、良く出来ていたよ。 後で報告書を回すから。」
何食わぬ顔で、二人はそれぞれの席に戻ります。
ナナミは自分の席で、パソコンを開いて報告書を作成します。
報告書作成が終わったのか、ナナミがジョージの部屋。専務室に入っていきます。
みんなは、ナナミが報告書のチェックを確認する為に、専務室に入っていったと思っています。
ナナミは専務室に入ると、音もなく鍵を掛け、バリアーを張りました。
いつもナナミが専務室に入った時と同じです。
何と、ナナミとジョージは、服を脱ぎ始めます。
そして、ナナミはマホコンを、ジョージが既にベッドにセットしたソファーベッドとその周りにスプレーします。
「ナナミ、大丈夫なの?」
「平気よ。 ババアの老いぼれ魔女なんかは関係ないわ。」
ナナミは強気である。
そう言ってナナミは、ジョージの顔を両手で押さえてディープキスをした。
そして、二人はいつもの金曜日の様に、ベッドの上でヤリ始めた。
”いつもの金曜日” ・・・ 平日よりもヤル内容が濃密なのです。
土曜日、日曜日の二日間、二人はヤレない、いや、会えないからです。
二人とも、嫌な事を忘れたいのか、いつもより激しヤッテしまいました。
”ラブホ”で最後の方が、もう一歩だった事もあってか、それを取り返す勢いで二人とも腰を動かしたのです。
でもどんなに頑張っても、ジョージは”30分おとこ”になっているので、きっちり30分後にナナミのアソコの中にジョージのアレからタップリと注ぎ込まれました。
いつもの様に、そのままジョージのアレをナナミのアソコから抜かないまま、第2回戦が開始となった。
第1回戦は、いつもより激しかったが、今度は大きく動かないで、グイッグイッと力強くジョージのアレはナナミの中で暴れまくった。
ナナミからは”潤滑剤”が、ジョージからは”白濁した粘液”が、タップリと放出された。
嫌な事も一緒に放出したのか、二人はラブホでの出来事をすっかり忘れた。
二人とも、”良い性格”である。
いつもより激しかったので、ジョージ専用の冷蔵庫から”強壮剤”のドリンクを二人で飲んで、お部屋のお片づけを終了させた。
ナナミが自分の席に戻って報告書を関係者のパソコンに回覧すると、終業のチャイムが鳴った。
ナナミはジョージの部屋、専務室に顔を出すと、こう言って帰っていった。
「じゃあ、月曜日にね ・・・ 」
家に帰ったナナミは、帰り際にジョージとタップリヤリ合ったので、美味しくおかあさんの作った夕食をいただいた。
金曜日なので、下戸の夫以外はビールで乾杯。
夕食と言う”宴会”が長く続いたが、夫はいつも通りだった。
おばさん魔女の魔法がシッカリ効いている様だった。
ナナミは、ラブホで会った魔女が、夫に”忘却”の魔法を掛けたのを覚えていたのである。
だから、安心して夫と楽しくお話をしたのである。
ジョージはビビっていたのだが、ナナミが何とも思っていない態度だったので安心したのである。
そして、ナナミは平然と、夫とベッドで愛し合った。
ジョージとヤル時は”快楽”のみ、夫とヤル時は「快楽+愛の補充」なのである。
平日は、かなりの時間をジョージとの”快楽”の追及に費やしているので、少しだけジョージとヤル方が”好み”になってきているナナミであった。
翌日の土曜日は、夫とナナミは仲良くデパートに買い物に行った。
その次の日曜日もいつも通りで、近くの遊歩道を仲良くお散歩したのである。
勿論、ナナミは夜に夫にタップリ愛されて、夫の愛をタ~ップリと補充することが出来たのである。
ナナミはルールブックを呼んだことがあった。
魔女が”不倫”をした場合の処罰は「八つ裂き」となっていた。
しかし、この処刑が行われた記録はなかった。
いつも、ポジティブにしか考えていなかったナナミは、こう思った。
「書かれているだけで、実行される事はない」のだと。
しかし、ナナミは忘れていた。
ラブホで、”ババアの老いぼれ魔女”がジョージとナナミに掛けた魔法を自分が解けなかったのである。
「二人とも、”動けない!”」
こんな単純な魔法なのでナナミにとっては直ぐ解ける筈の魔法だったが、本当に動けなかったのである。
”ババアの老いぼれ魔女”であっても、魔女の倫理に関わる事であれば、どんな魔女の魔法よりも強力なのである。
それが、そのおばさま魔女に与えられた”力”なのである。
おばさまは、倫理のお仕事の時は、どの魔女よりも”最強”なのである。
そんな事は関係なく、月曜日も会社に早朝出勤である。
いつもの様に早朝出勤。
勿論、ジョージとヤル為である。
ナナミとジョージの二人は、仕事もキッチリするが、アッチの方もガッツリ、ヤルのである。
早朝、午前、午後、退社前。
出来る時があれば、ナナミもジョージもお互いを求めあってしまうのです。
半分以上、いや、殆ど”病気”です。
特に、あさイチにナナミのGスポットをジョージが器用に舌で押す事で、ナナミはその日一日”ジョージの女”になってしまうのです。
朝にジョージがジョージ・スイッチ(Gスポット)を押すと、後はジョージがナナミの乳首を弄ると、再度スイッチが入ってしまうのです。
そんな感じで、会社で仕事をしている時は、早朝、午前、午後、退社前に頑張ってヤッテしまう二人なのです。
どういう訳か、何度ヤッテも飽きない二人なのです。
”病気”なのです。
週に二回は現場の確認です。
いつもの様に、早朝に専務室でヤッテから出掛けます。
現場に行く前に”ラブホ”に直行します。
立ったままの”後ろ”、 ”前” 、そしてベッドの上で絡み合います。
帰りも同じパターンでヤリ合います、いや、ヤリまくります。
会社に帰ってからも、退社前にヤッテしまいます。
本当に”生”だと、いくらでも出来る二人なのです。
”生の病気”なのです。
そして、「13日の金曜日」から1週間が経ちました。
いつもの金曜日の様に、早朝、午前、午後、退社前にジョージとヤッテ、ナナミは会社から帰っていきました。
勿論、退社前にヤルのは強烈に濃密です。
ナナミのアソコが、土曜日・日曜日でジョージのアレを忘れない様に、ジョージが物凄く頑張ってしまうからです。
ナナミ、どうした訳か、会社から帰っただけで、おうちには帰れませんでした。
いつもの電車に乗っていたのです。
そして、いつもの様に座席に座っていたのです。
どういう訳か、眠ってしまいました。
目が覚めると、ベンチの上に座って寐ていた様です。
電車は街中しか通っていませんが、起きた場所は街中ではありません。
放ったらかしにされた”草原”の様な場所ですが、枯れた草しか生えていません。
まだ、夕日よりも空は明るいのですが、太陽は見えません。
ナナミは立ち上がろうとしましたが、身体が動きません。
いきなり後ろから猿轡をされ、黒い布の袋を被せられてしまいました。
手足も縛られ、ズルズルと地面を引き摺られていきますが、何が起きているのか分かりません。
気が付くと、どうも、地面に”大の字”に固定されている様です。
声が聞こえます。
聞き覚えのある声で、倫理委員会のおばさんの声と、聞いたことがある様なおばさん数人の声が聞こえます。
「どうしても、するのかい?」
「仕方がないわよ。 ルール通りなんだから。」
「そうね。 ちゃんと1週間の猶予を与えたけど、何も改善しなかったものね。」
「魔女が夫以外とヤルなんて、前代未聞だわ。」
「そうね。 そんな”出来損ない”の魔女、私も初めて聞いたわ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それからも、色んな会話が聞こえました。
そして、動物の声が聞こえます。
その声は近くに聞こえますが、複数の鳴き声です。
どうやら馬の様ですが、サラブレッドではなく、トルクのある農耕馬の様です。
蹄の音が重そうです。
そう思っている間に、手足に縄を掛けられました。
でも、ナナミは身体を動かせません。
縄で縛られても、簡単に魔法で外せる筈なのですが、魔力が何故か働きません。
身体は固定され、手足のそれぞれが引っ張られていきました。
どうやら、馬が四方に動き、ナナミの四肢を引っ張っていたのです。
「ち、千切れる!」
そう叫んだのですが、猿轡の所為で、うめき声しか出せません。
八つ裂きの刑が執行されていたのです。
被処刑者の四肢を牛や馬などの動力源に結びつけ、それらを異なる方向に前進させることで肉体を引き裂き、死に至らしめるのが「八つ裂きの刑」です。
最も重い死刑の形態で”酷刑”として知られ、「恐怖の馬走」とも言われて、たくさんの民衆の前で行われた処刑方法でもあります。
残酷な処刑方法なので、「抑止力」としての意味合いであったのだろうが、魔女のルールブックに残っているので、執行せざるを得なくなったのである。
生きながら、四肢が引き千切られるのである。
想像すら出来ない”痛み”なのである。
しかし、なかなか手足が千切れません。
勿論、ナナミが強烈な痛みで叫んでいるのですが、”魔法の猿轡”なのか小さいうめき声しか出せません。
「結構、手足って千切れないのね?」
一人のおばさん魔女が言いました。
「さっさと終わらせて飲みに行こうよ。」
数人のおばさん魔女が話しています。
ナナミは、馬に四肢を引っ張られたままで、激痛などと言う、生易しい痛みではありません。
気を失ってしまえば良いのですが、どういう訳か、意識はハッキリしているのです。
あるおばさん魔女が言いました。
「ナイフか斧か何かで切り込みを入れたら、良いんじゃない?」
「そうね、サッサと終らせましょうよ!」
その声がして、ナナミの腕のつけ根と足のつけ根に、引っ張られるのと違う”激痛”がはしりました。
その激痛は直ぐに終わりました。
もっと凄い痛みが襲ってきたのです。
人間は、真っ二つにされても、暫くは生きているらしいのです。
四肢が引き千切られても暫くは生きているのかもしれないのです。
ナナミの四肢がそれぞれの馬に引き千切られ、頭と胴体だけが残ったのです。
それでも、死にきれなかったのです。
「ウ、ググググ ・・・ 」
ナナミのうめき声だけが漏れています。
そのままでは、倫理委員会のおばさま達も寝覚めが悪いと思ったのです。
自分達の手で、不貞を働いたとはいえ、仲間だった魔女を直接殺せません。
おばさま達は協議のうえ、”業火”の魔法で、頭と胴体に千切れた四肢を集めて、焼き尽くす事にしました。
全員でやれば怖くないという理屈です。
物凄い強い炎で、あっという間にナナミは灰になりました。
骨も何も全て焼き尽くして、灰にしたのです。
おばさま魔女達は、みんな、口々に言いました。
「最初っから、こうすれば良かったわね。」
最後は、”火あぶりの刑”になってしまいまあした。
本当の火あぶりの刑は、ジワジワ焼いて、痛みを与える様にするのです。
でも、”八つ裂きの刑”もやってしまったので、おばさん魔女達は早く終わらせたかったのです。
おばさん魔女達が霧の様に消えると、灰になったナナミが残っているだけでした。
いきなり、強い風が吹くと、”ナナミの灰”は風に飛ばされ、見えなくなりました。
その灰は、風に飛ばされながらタワマンの最上階に飛んできました。
ジョージの部屋のリビングです。
ジョージ。
「仕事が忙しくて大変だよ。 エレーヌが僕の秘書もしてくれるといいな~。」
エレーヌ。
「もう少し勉強したら、ジョージのお手伝いをしてあげるね。」
幸せそうな二人である。
そう、処罰を受けたのは、ナナミだけなのです。
再び風に飛ばされて、今度はナナミの灰は夫と暮らした家のリビングに辿り着きました。
そこには、夫とおとうさんとおかあさん、そして妹分のハルミと美智子がいました。
食後のコーヒータイムの様です。
美智子が言いました。
「おにいちゃん! 結婚してないのは、おにいちゃんだけだよ。」
ハルミはいつもの喋り方です。
「そうだよ、兄貴! どこの女でもいいから、探してきて結婚しちゃいな!」
おとうさん。
「ゆたかは奥手だからなあ~。 あはははは ・・・ 」
おかあさん。
「面倒臭いから、ゆたかが自分で探してきなさいよ!」
ゆたか。
「分かってるよ! 30歳になるまでには結婚するからさ。 はい! コーヒーで乾杯!」
みんな。
「な~に、それ?」
みんな和やかである。
少し前までは、ナナミもここにいた筈であるが、誰もナナミを覚えていない様である。
いや、ナナミの存在自体が”抹消”されていたのである。
魔女の倫理委員会は手抜きがないのである。
ナナミにとっては、”八つ裂きの刑”よりも、自分の存在が”無いもの”とされた事の方が、辛かったかもしれません。
そして、またナナミの”灰”は風に吹かれて、どこかに飛ばされていったのです。
そんな感じで、「バージョン1」はお終いです。
このままでは、連載が終わってしまいますので、シブトク繋ぐ為に、「バージョン2」も書くことにしようと思っています。
あまり、刑罰のシーンははっきり書きませんでした。
現実に行われた処刑方法が、壮絶だからです。
参考にしたわけではありませんが、実際の”八つ裂きの刑”の手記が残っていました。
詳しくは「ウィキペディア」等に詳細が書かれており、”絵” もあったりします。
ここから先は、強烈なのでご注意ください。
「ロベール=フランソワ・ダミアン」という、ルイ15世の殺害を図って捕らえられ、八つ裂きの刑に処せられた記述です。
ロベール=フランソワ・ダミアンは、ルイ15世の殺害を図って捕らえられ、1757年3月27日に”八つ裂き刑”に処せられた。
この時の様子は、死刑執行人のシャルル=アンリ・サンソンが詳細な手記を残している為、詳しく分かっている。
どんな事でも、何かに残しておく人がいるのは洋の東西を問わない様である。
病気の父の代理として当時18歳だったシャルル=アンリ・サンソンが死刑執行人として臨んだ。
実際に処刑を取り仕切ったのは、叔父のニコラ=シャルル・ガブリエル・サンソンだったらしい。
パリで八つ裂きの刑が行われるのは147年ぶりということで、誰もその実際の手順がどうなのかが分からなかった。
だから、事細かい”手記”を残そうとしたのかもしれない。
そこで判決を聞いた2人のサンソンは必死で公文書や歴史資料を読みあさり、八つ裂きの刑の執行手順や必要な用具を調べ上げた。
八つ裂きの刑はあらゆる刑罰の中でも必要な用具と人員が最も多い刑罰な為、サンソンたちは準備に奔走した。
国王の弑逆未遂という大逆罪を犯した犯人の処刑であり、万一当日になっても用具が揃わず刑の執行が出来ない様な事になれば、執行人の責任が厳しく追及されかねない状況にあったらしい。
ダミアンはまず寺院の前に連行され、そこで罪を告白する公然告白が行われた。
この後グレーブ広場に連行され、処刑台の上に上げられると、まず国王を刺した右腕を罰するために右腕を焼いた。
次にペンチで体の肉を引きちぎり、傷口に沸騰した油や溶けた鉛を注ぎ込んだ。
次に、地面に固定されたX字型の木に磔にされ、両手両足に縄を結ぶと、それらのもう一方の先を4頭の馬に繋いだ。
これを号令とともに馬たちが一気に四方向に駆け出す事でダミアンの体から四肢を引き裂こうとしたのだが、そう簡単には行かなかった。
この手順を1時間に三度も繰り返したが、ダミアンの体はびくともしない。
そこでサンソンは判事の許可を得て、四肢の付け根に切り込みを入れた。
すると次の回ではまず最初に片脚がもぎ取られ、次にもう片方の脚ももぎ取られ、続いて右腕が引き裂かれた。
ダミアンはこの時点で絶命していた。
バラバラになったダミアンの遺体はその場で火葬に付された。
西欧では通常死者は土葬されるので、これも刑罰の一つなのかもしれない、
色々な処刑の方法が考案?されたようです。
洋の東西を問いません。
ジワジワと、いつまでも痛みを与えるのが多いようです。
”拷問”は、過去の処刑を参考にしているのでしょう。
逆に”ギロチン”の様に一撃で殺してしまうのは、人道的なのかもしれません。