1話 捨て子と食事
ある日、とある場所にヴァンパイアが暮らしていました。その時はまだ平穏な日々でしたが、悪い旅人もが城を訪れては、ヴァンパイアの母がその旅人を食い殺していました、そして年月が経ち、勇者に母親は倒され、子供はそのままほったらかしでした。そしてその子供はなぜ殺さなかったのか、疑問で城にくる悪い盗賊を食っていきました。物心がつく前に母親を殺され、記憶はあまり思い出せな……
子供「妙に生々しいな~」
疑わしい声で子供が言ってきた。
語り部「そうか……生々しいね……面白い表現するじゃんか……」
子供「これ現実にあったんでしょー?」
語り部「そうだね……最近の学び舎はそこまでおしえてるのね……」
最近の学び舎はすごいことを教えてるのね……さすが……あの子
その子供は、あまり記憶を思い出せなくなり、無差別に人を喰い殺すヴァンパイアになってしまいましたとさ……その子はローズ・マリー、ある日の雨が降りしきる昼、久しぶりに日光が遮断されていて、歩き回ろうと思っていたけど、城の横に何かの泣き声が聞こえてきたのです…………
マリー「……子供」
そこには子供がいた。
マリー「……ご飯……頂きま……」
私の手を子供が掴んだ。
マリー「無駄だよ、どうせ、人間に捨てられたんだから、助けは来ないよ」
そう言って、私は子供に手をかけようとした、その時。
子供「ぐふ」
マリー「……」
子供が指を掴んできた。何だろう、こんな……この子を殺せない……どうしてなんだろう。
マリー「……あれ」
そこには何もなかった、それにしても、背中になぜか重みを感じた……
子供「ぐふ」
背中に乗っていた、素早い奴だ。
マリー「降りて……」
その子を抱っこした、その子は……私の母上を殺した勇者の面影があった。
マリー「……なんで……あいつの」
そう思っていたら、晴れてきた、このままだったら焼けて死んでしまう。
マリー「……私には養えないんだ」
私はおいて帰ろうとしたが、足を掴んできた。
子供「ぐふ」
マリー「……どうしてそこまで生にしがみつくんだよ」
それに、この子……双子なのか……?
マリー「召使呼んでこないとな」
私は何でこの決断をしたのかわからないけど、召使を呼んだ。
召使「どうしましたでしょうか、お嬢様」
どうしたかを聞いてきた、背中を見ればわかるくせに。
マリー「……この子たちを、とにかく空き部屋に、いい?グリーン?」
グリーン「はい、了解しました」
こいつは巷で有名な機械人形だ、勇者が魔王を討伐した後、人間どもが電気という変なものを生み出した。それを活用したのがこの機械人形だ、普通なら電力というものがなければ動かないが、魔族だけが使える魔重石というものを使うと、電気の力に頼らなくても動くようだ。
マリー「……もう……お出かけできなかった……」
……吸血鬼だから、太陽が苦手だ。
マリー「……なんだろう、この気持ち」
この感じ……複雑。
マリー「ねー?ワシントン?」
ワトソン「ワトソンですよ、何度間違えるんですか?」
こいつはワトソン、同じく機械人形だ。ただ思考がすこしピング寄りだ。
マリー「からかってるだけなんだけどね……ご飯の準備は?」
ワトソン「準備はできています、気を失っているだけです」
マリー「じゃ……行こうかしら、おんぶして、歩きたくない」
ワトソン「仕方ないですね」
そう思って、嬉しいんでしょう……
ワトソン「そういえば、あの赤子、どうするんですか?非常食ですか?」
マリー「一応ね……でも、なにかが気がかり……」
ワトソン「そうですか……どうします?赤子のご飯は」
マリー「……どうしようかしら」
金は無いし……この周辺の動物はハンターに殺されているだろうし……かと言って人間に血を飲ませるのはよくない……どうしようか。
ワトソン「体を売るのはどうでしょうか」
意味わからないことを言いだしてきた。
マリー「それだけはやめなさいよ」
ワトソン「ヴァンパイアの体は気持ちいいって……」
マリー「聞いてたわよね?」
そしてご飯の場所に到着した。
ワトソン「着きましたよ、さて、ご飯の時間です」
私のご飯は血液だ、人によって味は違うけど、甘いものを食ってる人は血液が甘い味、苦いものを食っていたら苦い味……十人十色だ。
マリー「じゃ……いただきまーす♡」
そしてそいつの血液を吸い始めた、少し淡白な味だ、庶民だからこんなものだろう。
マリー「……ご馳走様」
それで私は食事を終え、おんぶされながら、こんなこと話した。
マリー「……どうしようかな」
ワトソン「だから体で……」
マリー「そのカードを除外、もっとましなものは?」
ワトソン「それは……」
グリーン「また困らせてるんですか?」
横からグリーンが割り込んできた。
ワトソン「困らせては……」
グリーン「これだから、製造から経ってる老人は……」
マリー「こらこら、そこまで、どうするの?お金稼ぎ」
グリーン「……夜の……」
こいつまでも同じことを言いだした。
マリー「却下」
グリーン「ちょっとぉ……最後まで聞いてくださぁい」
マリー「じゃぁ、どういうジャンル?」
グリーン「ハンター」
マリー「それって、えっちなほうじゃなく?」
グリーン「そうです、魔王様が殺され、統率が取れなくなった魔物が狂暴化してて、人間たちを襲っているらしいです」
マリー「……その仕事……いいわね」
ハンターか……戦闘したことのない私ができるのかわからないけど、一度やってみる価値はあるね。
そういうわけでハンターを始めるローズ・マリーでした……
子供「やけにバイオレンスだなてめー」
語り部「やんのか小僧~」
子供「おりゃー」
語り部「頭を押さえれば、当たらないもんねー」
話すのは明日にしようかな……その前に夜にある仕事を終えないとね……
感想・レビュー・誤字報告あればできる限りよろしくお願いします!