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異世界造形師  作者: アシッド・レイン(酸性雨)
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プロローグ

お気に入りの曲が頭の上で流れる。

スマホのアラームだ。

時間は、午前八時。

それが一日のスタート時間である。

眠い目を擦りつつ布団から抜け出すとカーテンを開ける。

ふむ。なかなかいい天気のようだ。

コキコキと身体の関節を動かしつつ洗面台に向かう。

顔を洗ってシャキッとする為だ。

で、キッチンに向かうとタイマーセットしていたご飯が炊きあがった事を炊飯器が教えてくれる。

しゃもじでご飯を混ぜ、一旦ふたを閉める。

そして、冷蔵庫から材料を取り出した。

目玉焼きに使う卵に、ベーコン、それに付け合わせに使う前日の夜に切って準備しておいたレタスにきゅうり。

ふむ。今日は何の具にするかな。

そんな事を思いつつ冷蔵庫の中身を確認。

厚揚げがあるな。あと、わかめでいいか。

勿論、みそ汁の具だ。

用意をすますとさっさとベーコンエッグとみそ汁を作る。

うちのみそ汁は、具が多めなのが伝統なので、それに沿ったものを作る。

なお、みそ汁は、二人分作っておく。

もう一人分は、彼女の分……という訳ではなく、冷蔵庫に入れて保管。

夕飯の時の汁物として活用するためである。

ちゃちゃっと準備が終わると、目の前には、ご飯、半熟の目玉焼きとベーコン、サラダ、具だくさんの味噌汁と漬物が並ぶ。

うちの定番の朝ごはんだ。

まぁ、漬物の代わりに納豆とか、海苔が出る事もあるが、今日の気分は漬物だった。

高菜の漬物の油炒めである。

これに醤油をちょっとさしてゴマを振りかけ、ご飯と一緒に食べるとうまいのよねぇ。

おっと、時間が押してる。さっさと食べるか。

食べ終わったら食器を片付けて、歯磨きして服を着替える。

現在、時間は九時。

そして、三階の店舗に行く前に、二階の作業場に行く。

昨日の夜に準備していたのが固まっているか確認するためだ。

ふむ。なかなかいい感じだ。

レジンはしっかり固まっているっぽいけど、念のためもう少し様子を見るか。

そうだな。昼は簡単に食べれる麺類にして、ガワは昼飯食べて外すか。

そんな事を思いつつ、準備していた依頼の品を再度確認をした後、それを待って店舗の方に行く。

そして、レジの横のガラスケースに依頼品をいれると店内の掃除を始めた。

それと同時に展示品の確認をする。

商品自身は、レジの所にある為、店内のショーケースに並んでいるのは完成見本のみで、それぞれ番号と値段、後は解説が書かれたカードが一緒に展示してある。

どれも動物や鳥、魚などばかりで、今流行のキャラクターものは一切ない。

まぁ、自分自身、そういうのが苦手だし、動物造形師を目指してやってきたから悔いはない。

それに今、うまくやってるし……。

そんな事を思いつつ、時計を見る。

気が付くと、もう九時四十五分を回っていた。

いかん、いかん。慌てて残った掃除と確認を済ませると時間は五十五分となっていた。

準備良し!

パンと軽く自分の両頬を気合を入れる為に叩く。

そして、僕は三階の店舗の入り口となるテラスのドアの鍵を開けるとドアの上についているフックに鐘を取り付けた。

カランっ。奇麗な音が鳴る。

鐘が少し光ったような感じになる。

さぁ、造形専門店『三島工房』の一日の始まりだ。

こうして、僕の造形師の一日が始まるのである。

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