表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四刀流の最強配信者 ~やり込んだVRゲームの設定が現実世界に反映されたので、廃止予定だった戦闘職で無双します~  作者: 木塚 麻弥
第3章 最強配信者、学園で無双する

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/140

第095話 強くてニューゲーム

 

「それで、今日俺らを呼んだのは玲奈さんを自慢するのが目的?」


 俺をいじり飽きた直人が聞いてきた。


「んー。自慢も一部ある」

「マジかよ」

「颯君、そうだったんだ」


 君らが俺の前でどれだけイチャついてきたのか、自覚したほうが良いよ。


「俺にも可愛い彼女ができたよーって報告と──」


「聞いた? 可愛い彼女だって」


「は、はい」


「公衆の面前でさらっと言えちゃうなんて、イケメンだね」


 たったふたりを相手に何をいまさら。


 俺が玲奈に好きって言った場面は数億人に見られてるんですよ。強制配信のアーカイブは消すことできないから今も多くの人に見られている。


 ちなみに玲奈はちょっと嬉しそうにしてた。


「彼女ができたって報告と、玲奈も一緒に新しくできるダンジョン攻略者育成の学園に行くことになったから、それを伝えるために集まってもらった」


「へー。そういうこと」


「玲奈ちゃんも私たちと一緒に通えるんだ!」


「はい。できればおふたりとも同じクラスになって、みんなで一緒に学園生活を送りたいなって思ってます」


「あれ、でも待って。玲奈ちゃんは私たちよりひとつ下の学年だよね?」


 さきのんは玲奈の年齢を知っていた。

 やはり彼女の誕生日は広く知られてるんだ。


「学年差はなんとかなるらしい」


「私、優秀なので」


「飛び級も可能だと。東雲財閥のご令嬢は流石だ」


 冗談っぽく言い切った玲奈に直人がのっかる。


「私は嬉しい! 一緒のクラスになれるといいね」


「その件なんですが、新しくできる学園はダンジョン踏破能力でクラス分けがされるみたいです」


 情報源は教えてくれなかったけど、そのような仕組みになることが決定しているらしい。東雲財閥の情報網、恐るべし。


「ダンジョン踏破能力って言うと」


「はい。ハヤテは確実に最上位のクラスに入れられます」


「玲奈さんもほぼ同じレベルでしょ」


「てことは私たちがみんなで同じクラスになるには、颯君や玲奈ちゃんみたいなことができなきゃダメなんだ」


「やべ。途端に難易度が急上昇した気がする」


「運動神経だけじゃなくて、ダンジョンに関する知識も求められるかもね」

 

 直人はいつも俺の配信を見てくれていた。FWOを一緒にプレイすることはなかったけど、高校でアイテムや装備に関する会話をすることもあったんだ。知識面では問題ないと思う。あとスポーツなら何でもこなせるし。


 さきのんは体操部に所属していて、1年生で全国大会に出場するレベルの実力者。


 このふたりなら大丈夫だろうって思ってる。


 加えて俺は、東雲財閥やアマテラス様の力を借りる気でいる。


 クラス編成をいじることはきっと難しいことじゃない。これまで見てきた玲奈のお嬢様パワーでなんとかしてくれると確信していた。


 ただ戦う力がない状態で俺たちと一緒に高難易度ダンジョンに挑むのはリスクが大きい。ある程度強いモンスターとソロでも戦える戦闘力を身につけてほしいな。


 偽ハヤテを単独撃破できれば安心。

 その程度にはなっていただきましょう。



「直人とさきのんが俺たちと同じクラスになれるよう、ダンジョン踏破訓練を実施したいと思います」


「修行ってことですね、颯先生」


「一緒にダンジョンへ入ったりする感じかな? 確か颯君たちはハヤテ式四刀流推進室ってブースで配信してるよね。そこに私たちも参加するってことで良い? 強制配信されちゃうだろうし」


「そのつもりなんだけど、まずはチュートリアルエリアで訓練をします。ふたりが運動神経良いのはわかってる。でもいきなりダンジョンに挑戦するのは危ないかも」


 直人たちの身体が心配って理由だけじゃない。


 俺や玲奈は今、世界中から注目されるようになってしまった。ダンジョンに入れば 毎回数億人が強制配信を見に来る。プロの格闘家や、ガチでダンジョン攻略をしようとしている国、企業から俺たちの仲間になりたいという連絡が絶えないんだ。


 そんな俺たちのパーティーに、身体はある程度動かせてもモンスターと戦うのは不慣れなふたりが参加したら非難の的になってしまうかもしれない。俺や玲奈はそんなこと気にしないと断言できるが、直人とさきのんが誹謗中傷を受けて精神的ダメージを追わないかが心配だった。



「チュートリアルエリアって言っても、できることはたくさんある。上位等級のダンジョンを踏破してる人がパーティーにいれば色んな強さのモンスターを呼び出して戦闘訓練が可能なんだ」


 先月、戦えるモンスターの候補に偽ハヤテが追加されていた。


 アレを倒せたら訓練修了にする。


 闘気開放も実装されたし、1か月あれば直人たちは偽ハヤテを倒せるようになる。そうなるように俺がふたりを鍛える。


「そういうこと。颯君、りょーかいです!」


「最強の攻略者が俺らを鍛えてくれるから、“強くてニューゲーム”みたいだな」


 ゲームをクリアした時の装備とかステータスを持った最強状態でゲームを最初から再スタートするアレか。


 ちょっと違う気もするけど、俺と玲奈の指導を受けて最強クラスの実力を得て、俺たちが準備する最強装備を身に着けてダンジョン攻略を始めれば、強くてニューゲームって感じもあると思う。正直それは楽しそう。


 彼らに文句を言う輩もいなくなるはず。


「それ良いじゃん。採用」


 直人とさきのんが無双を楽しめて、パーティーを組む障害がなくなる。素晴らしい計画だ。実は当初かなりふわっとした計画だったが、今はいける気がしてた。



「それでは、強くてニューゲーム作戦を開始します!」


「「「おぉぉー!!」」」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

i889366
マガポケにて連載中!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ