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四刀流の最強配信者 ~やり込んだVRゲームの設定が現実世界に反映されたので、廃止予定だった戦闘職で無双します~  作者: 木塚 麻弥
第2章 世界を翔る最強配信者

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第052話 〈配信コメント欄〉

 

 日本時間の6時頃。


〈なんでこんな早朝から攻略すんだよ…〉

〈マジでそれな〉

〈でもお前ら見に来てるじゃん〉

〈そりゃ来るだろ〉

〈ハヤテの! ダンジョン攻略のお時間です!!〉


 配信アプリには特定の配信者が配信を始めたことを知らせてくれる機能がある。ファンや彼の動向をチェックしているダンジョン攻略者の多くはその機能を使い、颯がダンジョン攻略を始めた時にすぐ見に来られるようにしていた。


〈えと、確か今はアメリカにいるんだっけ〉

〈ならあっちは今、夕方か〉

〈海外で配信されると時差がなぁ〉

〈でもついにハヤテがメアリ様を助けに行くぞ!〉


 タイからアメリカに向かうということを颯が宣言したので、彼らが現在渡米していること、そして米国大統領の娘であるメアリ・タイラーの救出が渡米の目的であることを視聴者たちは把握していた。


 メアリは日本で人気なハリウッド女優でもあるため、その救出に向かった颯を応援する人々もかなり多くなっている。


〈これ成功させたら流石に認められるだろ〉

〈エレーナに相応しい男になるってアレ?〉

〈もう十分だと思うけどな〉

〈まちがいねぇwwww〉

〈そーいやエレーナは?〉

〈たしかに、いないね〉


 颯は単独でダンジョン攻略を始めていた。

 違和感はほかにもある。


〈ハヤテ、なんで無言なの?〉

〈いつもみたいに解説しながら無双してほしい〉

〈寡黙なハヤテ君も素敵だけどね〉

〈でも、コイツはやっぱり実況あってこそだろ〉


 ゲームの時とは違い、現実世界で身体を激しく動かして戦えば当然のように息があがる。命がけで戦いながらモンスターの弱点を解説したり、戦闘の様子を実況しながらダンジョン内を進んでいける攻略者は非常に少ない。


 そんな中、視聴者たちが安心してみていられる配信者が颯だった。


 彼はどんな時でも余裕を見せていた。


 例外は玲奈が攻撃されそうな時に、ほんの一瞬真剣な表情をする程度。ちなみにその一瞬映る彼のガチ表情は女性ファンに配信動画を切り抜かれてSNSなどで拡散され、いつもトレンド欄を賑やかせている。


〈大統領の娘さん救出ってことで、今回は本気ガチなんじゃね?〉

〈エレーナ救出の時もそんな感じだったな〉

〈あの時は鬼気迫るというか〉

〈早く救出に行かなきゃエレーナの人格が書き換えられる可能性あったから〉

〈そのあと日紗斗を回収しに行った時とのギャップも良かった〉

〈日紗斗を受け止めなかったのマジで草なんだがwwww〉

〈人格書き換えられるって設定なくなったのもあって、のほほん配信だった〉


 過去の配信の話でコメント欄が盛り上がっている中でも、颯は無言でダンジョンを突き進んでいく。


 そんな颯の様子に視聴者たちは違和感を抱いた。


〈なんか真剣っていうより…〉

〈無心? 感情がない感じ〉

〈ハヤテ君、なんか目が虚ろだよ〉

〈まるでロボットみたい〉


 普段から颯の表情に一喜一憂している女性ファンの中には、彼の異変に気付く人がいた。一方でダンジョン攻略に興味がある男性視聴者たちは別のことが気になっている。


〈ほんと必要最低限しか戦わねーな〉

〈レア泥してんのに拾わねーし〉

〈てか、そこショートカットできんの!?〉

〈ん? 壁に剣を刺して何する気?〉


 颯はマニピュレータに装備した剣をダンジョンの壁に突き刺し、本来なら戦わなければならないはずのモンスターの大半を無視して《《壁を駆けていく》》。


〈壁を、走ってやがるwww〉

〈いやいやいや、それは強引すぎでしょ!〉

〈もうハヤテが何やっても驚かねーと思ってたけど〉

〈これはもうチートだろ!〉

〈流石にアウトォォォォ!!〉


 やろうと思えば、玲奈を救出に行く時でも壁を走ってショートカットすることはできた。しかしこれは忍としての力を少し利用している。しかも当時は現在使用しているマニピュレータより性能の劣るモノを装着していて、今より忍の力に頼る必要があった。そのためズル(チート)過ぎるという思いから、以前はやらなかった攻略方法だ。


 颯は四刀流でかっこよく戦えるということを世に広めたいと思っていたので、モンスターと戦わずにダンジョンを攻略することは極力しないようにしていた。


 しかしある男が颯に、こう命令した。



 『最速で泉のダンジョンを攻略しろ』──と。



 その命令に従い、最強の配信者は最短ルートでダンジョンを突き進む。


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マガポケにて連載中!
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