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四刀流の最強配信者 ~やり込んだVRゲームの設定が現実世界に反映されたので、廃止予定だった戦闘職で無双します~  作者: 木塚 麻弥
第2章 世界を翔る最強配信者

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第041話 〈配信コメント欄〉


 この世界に出現しているダンジョンは内部に出現したモンスターを誰かが倒すと、少し時間が経過してモンスターがリスポーンするまで後続の攻略者は戦闘せずダンジョンを進むことが出来る。


 しかしタイには元々FWOのプレイヤーが少なく、その設定が現実世界に同期した現在、泉のダンジョン4層以上まで行ける攻略者がいなかった。つまり颯たちはモンスターの数が全く減っていないダンジョンを攻略していかなくてはならない。


 そもそもFWOでは入場可能な最高等級のダンジョンに挑む場合や、ひとつ下の等級のダンジョンボス討伐を目指す時、8~16人という大人数でパーティーを組んで挑戦することが推奨されている。入手できる装備の質やステータス上限が調整されているため、よほどプレイヤースキルが高くなければ少人数での攻略は厳しいものとなっていた。


 それは現実に同期したダンジョンでも同じ仕様になっているのだが──


「玲奈、奥の2体任せていい?」

「りょーかい! こっちに近づいてくるのは全部お願いね」

「うん。俺が対処する」


 颯と玲奈はふたりでモンスターの大群を殲滅していった。

 その様子を見ている視聴者たちが書き込むコメント欄は大いに盛り上がっている。


〈やっぱスゲーな、ハヤテの動き〉

〈エレーナに全くモンスターを近づけない〉

〈完璧な守護者やってらっしゃる〉

〈エレーナだって凄いぞ。狙い(エイム)がマジで正確〉

〈ハヤテと相性が悪い敵を優先して倒してる〉

〈武器の持ち換えで属性がコロコロ変わるハヤテに合わせてな〉

〈そんで近くに来た敵は完全に無視してんの〉

〈ハヤテが守ってくれるって信じてんだよ〉

〈え、でも、エレーナ〉

〈あっ、ちょっ! ヤバくね!?〉


 玲奈のすぐ近くにいる魚人が銛を突き刺そうとしていた。

 それでも彼女は遠くの敵から目を逸らさない。


 視聴者たちが〈危ない!〉と書き込もうとした時、玲奈を狙っていた魚人が細切れになった。


「今のは危なかった。ごめん」

「大丈夫。私はハヤテを信じてるから」


 それだけの会話をして、ふたりは周囲のモンスター討伐を再開した。


〈おいおいおい、ちょっと待て!〉

〈今ハヤテ、瞬間移動した?〉

〈あの距離はぜってー間に合わんだろ〉

〈な、なんなんだ、マジで〉


 ありえない移動をして見せた颯に、コメント欄がざわつく。


〈さっきの動き、スロー解析が出てたぞ〉

〈ついにハヤテ人外説が立証か!?〉

〈いや、それが…。不可能じゃないっぽい〉

〈は?〉

〈どう考えても無理だろ〉

〈アレは流石にあり得ねーって!〉

〈なんか、敵の攻撃にわざと当たって急加速したみたい〉

〈四刀全部で攻撃受けて、その反動で飛んだって〉


 颯にはまだ余裕があった。


 修行により得た忍者の身体能力を解放せず、マニピュレータの性能を100%引き出すことだけで玲奈を守ってみせたのだ。


 彼としては人間が出来る能力の範囲内でやっているつもりなのだが……。


〈んな馬鹿な。ゲームじゃねーんだぞ〉

〈それが出来る時点で人間じゃないよ〉

〈もはやハヤテ人外説が立証されとるww〉

〈生身で10メートル飛ぶのは人間じゃない〉

〈ハヤテはハヤテって種族だからな〉

〈少なくともホモサピエンスじゃあない〉

〈そっか、じゃあ仕方ないか〉


 どうしてもハヤテ人外説は覆せそうになかった。


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i889366
マガポケにて連載中!

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