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四刀流の最強配信者 ~やり込んだVRゲームの設定が現実世界に反映されたので、廃止予定だった戦闘職で無双します~  作者: 木塚 麻弥
第3章 最強配信者、学園で無双する

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第112話

 

「東雲 玲奈、大弓使いです。私もハヤテと同じ攻略進度なので、特に自己紹介は必要なさそうですね。よろしくお願いします」


 玲奈のプロフィールも俺の並みにしっかり書き込まれていた。戦績以外にもAIが分析した強みとかが記載されてるんだけど、それに関しては俺のプロフィール以上に熱意が伝わる書き方をされていた。


 自己紹介したらそれをAIが記入していってくれるって話しだったが、コレはもうAIが俺たちのこと調べて勝手に書いてるレベル。


 しかもそのAIってたぶん、愛奈さん。


 てことは俺たちの戦闘スキルを分析してくれたのも彼女なんだろう。愛奈さんが俺たちの学生生活をサポートしてくれるって思うと心強い。



「次は芽依さんね」


「はい。咲野 芽依です。魔法使いで、下級魔法を全属性解放しています。直人と同じでダンジョン攻略はまだ始めていないので中級以上の魔法は使えません。でも合成魔法の魔法陣と詠唱は全部覚えてます」


 おぉ! ──と、教室内が沸いた。


 基本全ての職業にプレイヤースキルが求められるのがFWOというゲーム。


 ターゲットを定め、魔法名を発生するだけで魔法を放つことは出来る。しかし高威力の魔法を出すには『魔法陣』と『詠唱』が必要だった。


 魔法陣を描かなければ威力が20%低下し、詠唱破棄すればさらに30%威力が低下する。つまり魔法名だけで発動させると本来の威力の半分になってしまう。


 逆に魔法の威力を上げるには効果を高め合う魔法同士を合成させる魔法陣と詠唱をすればよいのだが、基本魔法と違って合成魔法には魔法陣生成時にガイドラインが表示されない。暗記が必要なんだ。


 下級魔法でも最適な組み合わせであれば第4等級ダンジョンのボスくらいまでは倒せてしまう。もちろん複数属性の合成魔法になればそれだけ魔法陣も詠唱も複雑になるが、さきのんはそれらを完璧に暗記していた。


「装備が同じレベルなら、このクラスの中で最も高威力の技を出せるのは芽依さんです。今後どうしても勝てない敵が出てきた時は全員で彼女を守って、強力な一撃に賭ける戦略をとることも出てくるでしょう。頼りにしてますよ」


「えぇ。頑張ります!」


「あとおふたりですね。涼香さんいきましょうか」


「はーい。羽鳥(はとり) 涼香(すずか)です。私も戦闘職は魔法使いですが、回復と補助タイプです。私だけだと戦う力はないですけど、ここにいる葉月とふたりで組んでFWOのランカーでした。涼月(すずつき)ってパーティーです」


 あ、知ってる人たちだ!


 たったふたりで最難関ダンジョンを踏破してたガチ勢じゃん。可愛い女獣人のアバター使ってたけど、ほんとに女性だったんだ。


「流れで私も自己紹介しまーす。武宮(たけみや) 葉月(はづき)、拳闘士です」


 涼香さんが葉月さんにバフと回復をかけて攻略していくスタイルらしい。人数は少ないけど、一馬さんが所属してた聖教騎士団ってパーティーより堅実な気がするな。


 まぁ、回復職8人は流石に奇人すぎるか。


「涼月のおふたりって、猫耳メイドの姿で攻略してましたよね? あの、アレって現実(リアル)でも装備したりします?」


 俺もちょっと期待してたことを一ノ瀬さんが聞いてくれた。


 回復役の涼香さんが白猫。攻撃役の葉月さんが黒猫獣人のアバターだった。可愛くて強いもんだから、匿名掲示板には彼女たちの専用スレが立てられ、ライブ配信時には同接が数万人になることもあった。


 FWOのアイドル的存在がクラスメイトとか、マジで熱い展開ですね。


 現実でも猫耳装備などは実装されているが、強制配信されているってこともあってコスプレ姿でダンジョンに挑んでいる人は多くない。


 流石に無理だろうって思っていると──


「えー。どうしよっかなぁ」


「私はハヤテ君がどうしても着てほしいっていうなら、猫耳つけてダンジョン攻略してあげても良いよ」


「あっ、葉月だけズルい! 私も颯君のお願いなら聞いてあげる」


 お、俺の希望でやってくれるんですか!?


 FWOのアイドルがリアルでも猫耳姿になってくれると言うんだから、そんなの断る理由が見つからなかった。

 

「ぜひ、おねが──っ!?」


 背後から冷たい殺気を感じた。

 忍者の俺が命の危機を感じるレベル。

 

 後ろを振り向くと、瞳に強い怒りの炎を宿した玲奈がこちらを睨んでいた。


 これはヤバい。年上の綺麗なお姉さんの誘惑に引っかかってしまった。


「よ、よし。自己紹介も終わったし、コレで朝のHRは終わり! 1限目は訓練場での授業だから、遅れないように来てね」


 そう言ってスミス先生が教室から逃げるように出ていった。


「わ、私たちもいこっか」

「うん。行く」

「俺も先に行くぞ」

「竜之介君、待って。俺も」

「あ、俺らも行きます」


 みんな出て行ってしまった。


 教室に残されたのは俺と、怒りオーラを抑えられない玲奈のみ。



「…………」

「…………」


 無言の空間が辛い。


 たぶんだけど、対応を誤れば詰む。


 これって俺、女神が乗っ取ったウンディーネが即死級の大技を連発してきた時以上にピンチなんじゃね?

 

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i889366
マガポケにて連載中!
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