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◆7

 水曜日、朝起きるとゆいからラインが来ていた。


『今週末暇です』

『なにしたい?』

『牡蠣食べたい』

『広島行こう。1泊でいいかな、あんまり時間ないかもだけど』

『え、すごい!行きたい!こんな急で行けるかな?』

『大丈夫。金曜日の夜荷物持ってうち来れる?土曜日朝に出発しよう』

『了解しました!』

 俺は広島の宿を予約して、会社に向かった。


「昼飯くおうぜ」

「あんかけチャーハン」


 旅行が楽しみすぎるという気持ちが出てしまっていたのか、お店についてすぐしんから言われた。


「なんかいいことでもあった?」

「今週末ゆいちゃんと広島旅行行くことになってさ」

「いいじゃん。写真待ってる」

 俺はウキウキ気分を隠せないまま、金曜日までの仕事を終えた。



 金曜日の夜、仕事からの帰り道でスーパーに寄って材料を買って家に帰った。今日は俺が料理をして家でゆいと食べる約束をしていた。ネットでクラフトビールを買っていたから、今日のテーマはビールに合う料理。とは言えそんなに料理が得意なわけでもないので、ゴーヤチャンプルーとポテトサラダとなめろうを作った。ちょうど作り終わった19時半頃、チャイムが鳴った。


「おかえり」

「ただいま!久しぶり!」


 ゆいはそう言って入ってくるなり抱きついてきた。久しぶりって、最後に日曜日に会っているから5日ぶりくらいなんだけど。寂しがりなのかな。俺も頻繁に会えたほうが嬉しいし、今後は仕事終わりに会えるときには会おうと思う。


「えー、すごい!料理できるんだね!美味しそう!早く食べたーい!」

 ゆいはテーブルを見るなり喜んでくれて、席に座った。俺もビールを用意して席についた。


「お仕事お疲れ様でした~!」

「おつかれさまでした~!」


 俺たちは乾杯してビールを飲み、料理を食べた。ゆいは美味しいと言って幸せそうに食べてくれた。結構な量用意したつもりだったが、1時間もしたら全て食べ終わってしまった。次の日も早いので、食べ終わってお風呂を済ませてすぐに寝た。


 朝起きると、ゆいは俺に抱きついて寝ていた。社会人生活になれすぎて、休みの日も朝にスッキリ起きてしまう。普段の休みではそれが億劫だったが、朝早い日は役に立つ。ゆいを起こそうかと思ってゆいの頭をなでたら、ゆいはすぐにおきた。


「ゆうくんおはよ」

「おはよ」

「ゆうくん、おはよ」

「ゆいちゃんおはよ」

「ん。」


 ゆいは満足そうに目を閉じた。可愛すぎて抱きしめた。幸せが膨らみすぎていつか爆発するんじゃないか、そんな風に思ってしまうくらいには幸せだった。抱きしめられたゆいはいつも猫みたいな顔をする。その後、色っぽい顔をする。


 お互いに1時間ほどで準備を済ませて、出発した。広島駅まで新幹線で4時間。移動中も話題が尽きることはなかった。


「ゆいちゃん今日は髪の毛巻いてるんだ」

「かわいい?」

「うん、かわいい」

「巻いてないほうが好き?」

「ううん、どっちもかわいいけど巻いてる方が好き。あと後ろで括ってるのも好き。」

「そっかぁ、ロリコンだもんね」

「そんな事ないけど!」


 確かに童顔が好きだけど、ロリコンなんて言った覚えはないし、どこでそんな印象付いたんだ。ちょっとショックを受けた。動揺している俺を見てゆいはにこにこしていた。



 広島について、事前に調べて予約していた生牡蠣を食べられるお店に入った。生ビールと生牡蠣、その他おつまみを頼んだ。


「昼からビールなんて最高だね。」

「隣に美少女がいてくれるから更に最高」

「私、少女っていうような歳じゃないんですけど。ロリコン。」

「若く見えるってことです、すみません」


 失言してしまったが、ちょうどビールと生牡蠣が来た。


「この大きな牡蠣に免じて許してあげよう!はやく、かんぱい!」

「はい、かんぱい」


 クリーミーでプリプリした生牡蠣を食べて、ビールを飲んだ。広島に牡蠣を食べに来たいとは前から思っていたが、実は来るのは初めてだったから俺も存分に満喫できた。生牡蠣、焼き牡蠣とビールを食べ飲み続け、満腹になった俺たちはそのまま広島観光をした。原爆ドームに俺は高校の頃の修学旅行で来たことがあったけど、ゆいは来たことがなくて、興味もあるとのことだったから原爆ドームを見に来た。


「私たちは今の時代に生きられて幸せだね。」


 そういったゆいの目は潤んでいて、本当に素敵な子だと思った。


 その夜は予約していたお好み焼き屋に行って、広島のお好み焼きを満喫して、旅館に向かった。なんとなく布団で寝たい気分だったから、和室で温泉付きの旅館を取った。


「ゆいちゃん温泉どれくらいの時間入る?」

「え~、わかんないかも。なんで?」

「部屋の鍵どっちが持つのがいいかなあって思って。俺結構長く入りそうだからゆいちゃん持っててもらっていい?」

「ん、わかった。ゆうくんどれくらい入るの?」

「温泉も満喫したいしサウナも入ると思うから、1時間以上かも。もっと長いかもしれないし、ゆいちゃんもゆっくり入っていいからね。満足したら部屋戻ってて」

「ん、分かった。ありがとう。」


 お互いに旅館にあった浴衣を来て、温泉に向かった。俺は温泉は好きだがのぼせやすく、1時間もしないうちに満足して宿を出た。部屋に戻ってみたが、まだゆいは戻っていないみたいだったから、旅館内を散歩した。15分ほど散歩をして部屋に戻ると、鍵が空いていて中にゆいがいた。


「みて!日本酒!売ってた!」

 旅館に地酒が売っていたらしく、ゆいが買って帰ってきていた。

「いいね、飲もっか。夜ご飯の時ほとんど飲まなかったもんね」

 俺たちはかなり酔っ払うまで日本酒を飲んで、そのまま沈むように寝た。



 朝、ゆいのほうが早く起きたみたいで、正面から頭を抱きしめていた。

「まだ寝てて。」

 目を開けるとゆいにそう言われて、目を閉じた。ゆいはそのまま俺の頭をなでた。そういえば風邪引いたときもこんな風に寝かしつけられた気がする。そう思いながらまた眠りについた。



「ゆいちゃんおはよ」

「ゆうくん、おはよ」

「いまなんじ?」

「8時過ぎだよ」


 起きると、ゆいは座って俺の頭をなでてくれていた。気持ちいいけどそろそろちゃんと起きなきゃ。ちゃんと目が覚めるのを待って、言った。


「準備して朝ごはんいこっか」

「ん。ビュッフェだっけ?私何%準備して行ったらいいかなあ」


何%?ってなんだ?ああ、化粧とか髪の毛とかどれくらいするかってことか。


「待ってて。」


 俺はそう言ってゆいのブラシとヘアゴムを取り、ゆいの髪を梳かして後ろで括った。可愛くポニーテールが出来た。


「これで行けば大丈夫だよ。」

「え~、お化粧いらない?」

「そのままで可愛いから大丈夫」


 ゆいは嬉しそうに小さく、フンと言って立ち上がった。2人で朝ごはんのビュッフェに向かった。意外だが、ゆいは小さくて痩せてるのによく食べる。太らない体質なのか、影で努力してるのかどっちだろう。多分後者だろうな。


 二日目のお昼は相談した結果、また牡蠣を食べたいということになって牡蠣を食べて、家に帰った。俺の家に帰ってから、名残惜しそうなゆいを家まで送っていった。そういえばゆいの家に行くのは初めてだった。家の中にも入れてもらったが、ゆいの家っぽいというか、基本的にはシンプルにまとめられているものの、ところどころに可愛い小物とかキャラクターものがあったりした。やっぱり可愛いなあと思いながら、名残惜しい気持ちを抑えてゆいの頭をなでて、家に帰った。来週も頑張ろう。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

基本的には毎日連載していく予定です。

感想など頂けますと嬉しいです。

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