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◆5

 朝起きて、背中に違和感を感じた。ひっくり返ると、俺に抱きついてゆいが寝ていた。そうか、昨日ボーっとしたまま告白してしまったのか。そのままどうやって寝たのかとか、ゆいがなんでいるのかとか、あまり覚えていない。熱は下がっている気がする。俺の寝返りでゆいのことも起こしてしまった。


「おはよ」

「おはよ」


 おはよと言って微笑んだゆいは、すっぴんだった。化粧をしているよりも幼くなっている。あまりの愛おしさに、思い切り抱きしめた。痛いんじゃないかってくらい、抱きしめた。ゆいは驚いて「んんん」って言いながら手を背中に回してくれた。数十秒くらいそうして、満足した俺は抱きしめるのをやめて、洗顔に行こうとベッドから出ようとした。


「おわり?」


 ゆいからそう言われて、ベッドに戻った。



「いやー、ゆうくん元気になったねえ」


 含みのある感じでゆいに言われた。恥ずかしいからそれは無視した。


「ビーフシチュー食べに行こっか。ていうか俺ゆいちゃんのこと全然知らないや。今日でたくさん知りたい。ビーフシチューが美味しいカフェあるから、そこでゆっくりたくさんお話しよ。」

「いいね、すっごく楽しそう」


 本当はそのカフェで沢山ゆいのことを知って、それから計画を立てて3回目か4回目のデートでスマートに告白するはずだった。いつまでも頭の中で引きずりながら準備をして、カフェに向かった。カフェではずっとお互いのことを話した。家族構成とか趣味、特技、これまでの部活動とか。お互いに知りたいことを聞き合うというのを延々とやったが、全く飽きなかった。


「ゆいって名前すごく好き。漢字でどう書くの?」

「当ててみて?私、自分以外にゆいって名前でこの漢字の人見たことない。それにゆいって読みづらくて、別の名前で間違えて読まれちゃうことよくあるんだ。でも私はこの名前好きなの。」


 俺はそう聞いて、いくつかゆいの漢字候補を出したが、当てることは出来なかった。


「残念でした~。正解はね、こうだよ」


 ゆいはそういって俺の手のひらに漢字で名前を書いた。その漢字を見て俺はテンションがすごく上がってしまって、俺の家族の自慢話をしてしまった。ゆいはその話をニコニコと聞いてくれたあと、ゆいの親が付けた漢字の理由を説明してくれて、俺は感動した。


 その後も質問大会は続いて、謎だったゆいちゃんの歳は24歳ってことで、3つ下だと分かった。歳当てゲームをやらされて、22って言って間違えたけど「若く見えるならよい」とか言って満足そうだった。俺の27歳は一発で当てられた。オーラで分かるそうだ。13時くらいにカフェに入ったが、気づけば18時になっていた。


「明日は予定あるの?」

「ううん、明日も暇だよ」

「うち泊まる?」

「泊まる。」

「着替えとか荷物取りに一回帰る?」

「ううん、一応念のため今日の分も昨日持ってきたから。」

「ふうん?」

「なによ」

「なにもー?」


 ゆいが少し不服そうな顔をした。そんな顔も可愛いからついからかいたくなる。


「うち日本酒あるから、日本酒に合うもの買って帰ってうちで飲もう。夜とか明日とか映画見てもいいかも」

「わあ、いいね楽しそう。私おつまみ作ってもいい?材料買って帰って。」

「作ってくれるの?俺も手伝うから二人で作って食べよう」


 俺たちはスーパーによって材料を買って、一緒におつまみを食べてたくさん話した。昼から合わせて10時間くらい話した。今日だけでゆいのことをたくさん知れた。食べ終わって、お風呂に入ってから映画を見た。伏線回収とかどんでん返しのある映画が好きだと言っていたから、ユージュアル・サスペクツを見た。ゆいは面白かったって言ってくれた。まだまだ見せたい映画はたくさんあるから、これから見せていきたいと思う。映画が終わって一緒に寝て、次の日は一日家でダラダラした。真実の行方という映画を見た。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

基本的には毎日連載していく予定です。

感想など頂けますと嬉しいです。

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