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帰る頃にはゆうくんに惚れていた。もしかしたら一目惚れだったかも。かっこよくて、面白くて、優しいんだもん。初対面で人を好きになるなんて初めてだった。ていうか、告白とかされる前に人を好きになったのが初めて。今までは好きって言ってもらって、それから意識をして好きになってたから。片思いってこんな感じなんだ。しんちゃんのナイス提案でゆうくんは駅まで送ってくれた。ゆうくんは私のことどう思ってるのかな。ゆうくんとは楽しく話せたけど、気に入ってもらえたかわかんない。話せば話すほど私は好きになっていったけど、ゆうくんはどうだったんだろう。そんなことを考えながら、駅まであんまりゆうくんに話しかけられなかったし、顔を見れなかった。どうしよう、もう駅についちゃう。これで今日終わって、もうゆうくんと会えないのかな。ううん、初めての片思いなんだもん。昨日しんちゃんとはライン交換してもらえたし、またセッティングしてもらって絶対好きになってもらうんだから。
「ゆいさん、連絡先交換できないかな?」
「やった!聞いてもらえるの待ってました。はい!」
聞かれてすぐにラインのコード出しちゃった。やばい、がっつきすぎたかも。ゆうくんが聞いてくるタイミングがずるい。ここまで焦らしてさ。これ狙ってやってるのか天然でやってるのかどっちなの。もうばか。
『仕事お疲れ様!また会いたいな』
ちょうど仕事が終わってすぐ、ゆうくんからラインが来た。仕事の嫌な気持ちが全部吹き飛んだ。嬉しすぎて、すぐ返事しちゃった。今週末に会えることになった。ゆうくんの好きなビーフシチューのお店に連れて行ってくれるらしい。たのしみ。連絡先聞いてくれたり、次の予定誘ってもらえたり、ゆうくんに気に入ってもらえたのかな。片思いってこんなにドキドキするんだ。ゆうくんも同じように私のことばっかり考えてくれてたらいいのに。
それから、ゆうくんとラインはしなかった。毎朝ラインきてないかなってチェックしちゃったけど、来てなかったし、私からも送らなかった。連絡を取らないほうが、好きって気持ちは大きくなっていく気がした。そんな金曜日、ゆうくんが風邪引いたことをしんちゃんから聞いて、看病に行くことにした。まだ1回しか会ったことないのに、いきなり家に行って看病なんてしていいのかな。迷惑にならないかな。でも行きたい。スーパーで雑炊の材料を買って、ゆうくんの家に向かった。
風邪を引いて弱っているゆうくんは素直でわがままで可愛かった。こないだあったときはかっこよかったから、ギャップがやばい。どんどん好きになっちゃう。風邪引いてるのに私と明日デートしたいんだって。私のこと、好きっぽくない?ゆうくんは雑炊を食べ始めた。
「すきだ」
え?すき?私を?急すぎて心臓飛び出るかと思った。びっくりの気持ちでいっぱいになったあと、すぐに嬉しい気持ちに満たされた。
「わたしも」
ゆうくんをちらっと見ると、びっくりした顔をしてる。可愛い。なんで俺こんな事いきなり言っちゃったんだろう、って顔してる。
「わたしも、すき」
ゆうくんの顔がどんどん赤くなっている。人の顔が急にこんなに赤くなるのはじめてみた。ほんとに可愛い。
私たちは、付き合うことになった。
私は職場でいじめられていた。きっかけはおばさんに嫌われたこと。はじめはみんなから無視されて、だんだん嫌がらせされるようになった。その話はあやちゃんにも出来ていなかった。自分の弱いところを見せるのが苦手で、こういう時に人を頼れない。逃げたって思われたくないから、辞めることも出来ない。そうやって追い詰められて、ゆうくんにラインを送ってしまった。
ゆうくんはやっぱり優しかった。私は転職することにした。仕事をやめて、転職活動中はゆうくんの家に住ませてもらった。お昼は面接とか頑張って、夜はゆうくんにご飯を作る。ゆうくんはいっつも美味しそうにご飯を食べてくれる。それでいつも嬉しそうにしんちゃんのことを話す。その後、たまにお風呂に一緒に入った。ゆうくんは私の髪の毛を洗いたがるから、洗わせてあげるんだけど下手くそ。でも今まで他の人にはしたことないのかなって嬉しくなった。逆に私がゆうくんにシャンプーしてあげると、ゆうくんは気持ちよさそうにする。わんちゃんみたい。その後お互いに髪の毛を乾かした。ゆうくんが私の髪の毛を先に乾かしてくれて、その後私が乾かしてあげる。ゆうくんにドライヤーしてもらうと自分でやるより倍くらい時間がかかる。でもその時間も幸せだった。不器用だけど大事そうに私の髪の毛を乾かしてくれるゆうくんを、薄目で鏡越しに見るこの時間が好きだった。
そうして幸せな日常を2週間くらいすごして、私の新しい仕事が始まることになった。職場には私の家からのほうが近いし、いつまでもゆうくんの家にいて邪魔だと思われるのもやだから、家に帰って家から仕事に通うことにした。これからはまた仕事終わりとか、週末とかたくさん遊べるんだろうな。
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