表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/17

09 罪


 ミスキさんが、ハンジさんの手を握りしめて、泣いています。


 レマリィさんも、号泣。


 ルーリシェラさんは、ちょっと渋い顔。


 ハンジさんは、困惑顔。


 僕は、ホッとしております。



 ミスキさんの"読心"によると、


 ハンジさんに、罪は、無し。



 ミスキさんによって語られたハンジさんの"記憶"は、あまりにも哀しいものでした。


 無理やりこの世界に召喚された普通の男の子が、


 悪党どもにいいように操られて、


 悪事の片棒を担がざるを得なくなっていく経緯。



 アイツらは"悪事に手を染める楽しさ"を自分達だけで楽しんで、


 ハンジさんにはほんのちょっとのお裾分けもありませんでした。



 つまりは、全くの、無罪。



 驚くほどお人好しで、


 びっくりするほど気が弱い男の子が、


 ひたすら酷い目に遭い続ける哀しい物語りを、


 ミスキさんは嗚咽を堪えながら、最後まで語ってくれました。



 本当にごめんなさい、ミスキさん。



 ---



 ハンジさん、晴れて無罪確定。


 厳密には、何らかの罪に問われるのでしょうけど、


 それよりもはるかに、この世界がハンジさんにお詫びしなければならないことが多すぎるのです。



「エルサニアとキルヴァニア、両国からの正式な謝罪と賠償が決定するまで、ハンジさんの身柄は巡回司法省で保護すべきだと思う」


 どうでしょう、ルーリシェラさん。


 僕は、ハンジさんの希望を聞くべきかなって。




「……僕は……静かな場所に行きたいです」

「今は誰にも……煩わされたくないです……」



「……ひとりになれる場所、ありますよ」



 ミスキさんがハンジさんの手を優しく握りしめております。


 なるほど、あそこですか。


 確かにひとりで暮らせる場所なのですが、


 ひとり静かに過ごせるとは限らないんじゃ無いかな……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ