05 会敵
現在、接敵中。
場所は、我が家とアウド村との、ちょうど中間地点付近。
巡回中に発見、いや、見つかっちゃいました。
弓の間合いのはるか遠くに、火を使わず野営している人影を発見。
今はこの件で森への立ち入りは制限されているはずなので、
嫌な予感はしたのです。
だからこそ絶対に確認が必要であろうと、
狩人として最大限の隠密モードで接近したのですが……
まだ弓の間合いのはるか外、
相手はひとりと確認できた時、
木に寄りかかるようにして休んでいたヤツと目線が合ったのです。
その瞬間、辺りの空気が明らかに変わりました。
ヤバいな、範囲型のスキル持ちかよ。
探索系ならまだしも、
攻撃系や状態異常系の範囲型だと、
厄介どころじゃないのです。
対抗手段が『ヘルダイバーC2』の防御力頼りだった僕なんかでは、
なすすべもなく手玉に取られるかも。
可能な限り迂回しながら近寄ろうとしているのですが、
ずっと正確な位置を把握されてますね。
視線、ビンビンに感じます。
通信、できません。
あの時気配が変わってから『Gふなずし』が沈黙しています。
魔導具作動阻害結界ってことかな。
いや、魔法やスキルの方も影響を受けているのかも。
どっちにしろ僕はそんなの使えませんから、確認のしようが無いのですが。
いずれにしても、『アリスト』や『ヘルダイバーC2』は当てにできそうにありません。
もちろん『プログレス』の『転送』での脱出も不可。
幸いにして、身体には変調をきたしていませんので、
僕自身の能力のみで対処しなさいってことですね。
うん、望むところのところてん、かな。




