16 その後
あれから、ハンジさんも、だいぶ落ち着いたようです。
ヒューネちゃんやマリモちゃんと静かな時間を過ごせるのは、
心のリハビリには一番の特効薬のようですね。
男衆も、静かにサポートしております。
特にサイリさんとは、
同じ召喚者としてアレコレ通じ合うところがあるようで、
今ではすっかり打ち解けて、よもやま話しに華を咲かせております。
カミスさんという召喚者としての先輩からのアドバイスも、とても参考になっているようです。
もちろん、ロイさんやシナギさんという頼りになることこの上無いオトナな方たちとも、緩やかに交流中。
えーと、アランさんですが……
ご本人はまあともかく、
お供のメイドさんのおふたりは、どうも苦手なようで。
ちょっとキツめなゼシカさんと、かなりユルめなフルリさん、
素敵なメイドさんたちの強力タッグは、
まだまだハンジさんには刺激が強すぎるようですね。
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エルサニア王国とキルヴァニア王国、
両国の手厚い支援で、
ハンジさんの穏やかな生活は保障されております。
これからどうするかはハンジさん次第なのですが、
みんなで静かに見守りたいと思います。
例の強盗団は、完全に壊滅。
以前、巡回司法省キルヴァニア王都支部で悪さをしていた、
なんちゃらとかいう元副支部長絡みの残党だったそうですが、
今回の件で根こそぎキレイに掃除されたとか。
そういう内部腐敗なども払拭するため、
今のキルヴァニア国内は悪党さんたちにかなり容赦無い状況だそうで、
ハンジさんがあの時逃げ切れたのはある意味僥倖だったのかも。
なにせ相手が、"悪即斬"で有名な自由騎士団でしたので。
ヴォルドルフさんが直接謝罪に訪れた時は、
ハンジさんも思うところがあったようですが、
カミスさんの取り成しもあって穏やかに和解できたようです。
ルーリシェラさんも、お忙しいなか、
ハンジさんを気にかけてくれているご様子。
かなり恐い、じゃなくて、
精悍な印象の方なのですが、
ヒューネちゃんが懐いてくれていることからも分かるように、
本質的には優しいお姉さんなのです。
えーと、僕はまだちょっと恐いのですが。




