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Eternal Life それぞれの命  作者: タクト
一章
9/44

中央大図書院を目指せ!

 エルフとグレンは適性魔法が被ってはいたが、前衛後衛とバランスが取れた上、炎系で対処に問題ない魔物だったので、結果、楽に魔物を殲滅し、他のグループより先に中央大図書院入口前に着いてしまった。


 辿り着くと同時に、中で何かが割れる音と悲鳴がした。

 図書院は全ての窓にカーテンが掛けられていて中の様子が分からない。


 「中にも魔物がいるのか」

 「分からない、慎重に行いきますよ」

 

 グレンが図書院の扉に手を掛け、中に入ろうとする。

 エルフは後ろに魔物が潜んでないかと、振り返ると、突如、大岩が飛んで来た。

 こちらに向かってくる……グレンは気付いてない!


 「バーニア」

 

 エルフは、グレンの体を強引に掴み入口から跳んだ。

 一拍遅れて大岩が入口の、丁度グレンが立っていた位置に落ち、轟音を響かせ、扉を壊した。

 エルフが気付かなければ今頃二人は下敷きになっていただろう。


 「ありがとう……助かったけど、手をどけてくれませんか?」

 

 エルフが安堵の息を吐き、辺りを見回していると、グレンが赤くなった顔をそっぽに向けながら呟いた。

 咄嗟に伸ばした手は、グレンの腰、ショートパンツをガッチリ掴み、そのまま下へ引き下ろさんとしている。

 

 「…………すまない」


 キッカリ五秒程状況を吟味してからエルフは手を離した。

 グレンは気まずそうに顔を逸らしながら素早く居住まいを直した。

 

 大岩が飛んで来たであろう方角をみると、図書院に続く、中央通りの方で大きな水色のゲル状の魔物がこちらに向かってくる。


 「え、モッチョに水を掛けたの」


 グレンがメガネのブリッジを持ち上げながら言った。

 モッチョはスライム状の魔物で、体内にある子どもの拳程の大きさの核を壊せば簡単に死ぬ低レベルの魔物だ。

 高熱でゲル状の水分が蒸発するので、炎系魔道師の二人は全く相手にならなかった。

 しかし、水分を吸収すると膨張し、途端に危険度が増す。


 「コホン…これからどうします?

 一.二人でどちらかへ向かう。

 二.手分けしてそれぞれに対処する」


 軽く咳払いしてからグレンは今の状況を説明した。

 モッチョは、火炎で粘液を蒸発させれば簡単に無力化出来る魔物だ。

 二人の内どちらかが向かい、他のウケビトと連携すれば楽に撃破出来るだろう。

 

 一方図書院内は中の状況が全く読めないので、危険度は行ってみないと分からない。


 グレン個人的には外の魔物を殲滅してから全員で中に入る方が安全だと思うと言った上で、判断をエルフに委ねた。

 エルフの結論は直ぐに出た。

 

 「二手に分かれよう、俺が中に入る」

 「さっきも言ったけど危険、ただの空騒ぎなら良いけど、中の状況が分からない以上、何が起きるか分からない」

 「もしかしたら、中に知り合いがいるかも知れない。

 心配なんだ」

 

 ズルズルと引き摺る様な音がして、モッチョがさらに近くにくる。

 巨体故に離れていても目に付くだけのようだが、ここに辿り着くのも時間の問題だ。

 

 「……分かった、外を片付けたら直ぐに行きます。

 無理はしないでね」

 

 これ以上話し合う時間は無いと判断し、グレンはモッチョの方へ向かった。


 エルフは大岩で壊れた出入口を探り、隙間から中に入り込んだ。

 

*(๑^. .^๑)۶ 〜


 モッチョが暴れる場所は混戦状態になっていた。

 他の通路に分かれたウケビトも全員こちらに集まった様だ。

 モッチョを中心に、ウルグや目撃情報に無かったプールヘッドと呼ばれる半魚人型の獣と戦っている。

 

 グレンは、その場で一番手練れの男、メイズに呼び寄せられた。


 「おう、グレンか、手を貸してくれ。こいつら厄介だ。

 あの野郎、プールヘッドの水頭を破って無理矢理水を吸いやがった」


 プールヘッドは肺を持たず、後頭部に酸素濃度を高めた水を貯める水頭と呼ばれる器官を持ち、陸上での活動を可能にしている。

 当然水頭を破られると、呼吸できずに死ぬ。


 「本当ですか、モッチョはエネルギー効率が悪いから自分から水場へ寄らないはずですよ」

 「それがプールヘッドの奴、ずっとどこかに隠れてて、自分から頭破られに行ってる」

 「ヤバい、また出たぞ!」


 民家の屋根から四体のプールヘッドが飛び降り、真っ直ぐにモッチョの方へ走り出す。

 モッチョは触手を伸ばし、プールヘッドの水頭を狙う。


 他のウケビト達は、ウルグや他のプールヘッドに足を止められ動けない。

 メイズも間に合わないのか「くそっ」と悪態を吐き、プールヘッドを睨んでいる。


 「ファイアボム」


 グレンはモッチョの触手の根本を狙い、四つの“ファイアボム”を飛ばした。

 “エアーボム”同様、着弾と同時にエネルギーを爆発させる魔法は狙い違わず命中し、モッチョの触手を落とす事に成功した。


 「モッチョは私が何とかします。しかし高火力は出せないので時間がかかります。皆さんで他の魔物を殲滅、あるいは足止めをお願いします」


 グレンは杖を握りしめ、モッチョの方へ駆け出した。


 「ヤロウ供!モッチョとグレンにアリ一匹近付けるなぁ、全部倒すぞ!」

 「「「おぉおう!」」」


 十一名のウケビトは怒号を上げ、魔物の群れに突撃した。




 ここに来てようやくラッキースケベ?

 しかしグレンは100%エルフにそっちの気を起こす事はありません。

 エルフもそんな気になる事は100%ありません。

 ネタバレ?

 グレンはずっと前から氷の(以下略)

 エルフも(以下物語の核心)

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