90.ガイアの夜明け
黒い魚影が群れる川辺に、俺達ガイアの4人は立っていた。
「シュンさん、この魔物は…?」
「そうかシュトロームも黄金魚を見るのは初めてか」
「黄金魚?見た目は真っ黒ですが…」
「水から上がると黄金に見えるのさ」
「はあ…。そうなんですか」
シュトロームは初見なせいか、あまりこの魔物のありがたさが分かっていないようだ。
「ちょっとシュトローム!この魚は経験値がとんでもなく良いのよ!普通の冒険者がこの光景を見たら狂喜乱舞するわよ!」
「はあ…」
「ただし、どんな攻撃もダメージが1しか通らないし、千回攻撃しないとだから普通には倒しにくいんだけどね。まぁ実際一匹倒してみようか」
「そうね。ふふ、ビックリするわよー」
「そういや、シュトロームが覚醒している時に俺のスキルで強さを見させて貰ったけど、魔人族はレベルの概念がないの?」
「なっ、他人の強さを見るスキルがあるんですか!?」
「あ、うん。実はそうなんだ。観察眼って言うんだけど…、勝手に見ちゃってゴメン」
「いや、良いのですが…。確かにレベルの概念は無いですね。その代わり熟練度と言うものがあります」
やはりそうか。
「因みに、今もシュトロームは見れないんだ。魔人族って皆普段は他人に素性を見られない何かがあるのかな?」
「いや、うーん、分かりませんね…。なんせ観察眼というスキル自体を聞いた事がありませんので…」
「そうか」
「もしかすると魔人族の特性で耐性があるのかもしれません」
「うーん。これから先竜人族や魔人族と戦うにあたって役立つと思ってたのになぁ…」
「竜人族には効くかもね。サリオスさんに試してみなかったの?」
「あ、うっかりしてた…」
「やれやれ…」
ローザとユーバーが呆れた顔をこちらに向ける。
仕方ないじゃないか!それにユーバーに至っては自分の奥さんをこっそり見られても良いのだろうか?
「まぁまぁ、今はとにかくその黄金魚とやらを倒してみましょうよ。竜人族を見るのは後でも良いですし」
シュトロームは仲間に対しては優しいのか、意外と気遣いができる。ありがとう、シュトローム。
「ま、それもそうね」
俺は改めて川に向き直り水の中を流れに逆らって泳ぐ黄金魚を見つめる。
「えーっと、今までエターナルフォースで経験値100倍の状態で1匹倒すと2は上がってたよな」
「シュンよ、一つ忠告しておくがレベル80からは必要経験値が今までより多くなる。90以降になると上がりにくさは更に増すぞ」
「えっ、そうなんだ…。まぁとりあえず2回は槍千本でやってみよう。皆も経験値貰えるように一回は攻撃参加してね」
「うん」
「了解です」
「私もインビジブルの経験値10倍ボーナスが付くように一応叩いておくからな」
そうして俺は今まで同様、衝波斬を使い一匹だけをおびき寄せた。
ローザとシュトローム、ユーバーにも一発叩いてもらい、召喚魔法槍千本を使う。
空に現れた次元の亀裂から巨人が現れ光の槍を勢いよく放り出す。
キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン!
スガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!
光の槍が滝となり、黄金魚に降り注ぐ。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ…!
「やっぱり叩いて倒すより相当楽だなぁ」
「それはそうよね」
レベルが上がった!
スキル:観察眼Ⅱのレベルが上がった!
観察眼Ⅱは神眼になった!
レベルが上がった!
レベルが上がった!
パッシブスキル:竜人耐性向上を覚えた!
レベルが上がった!
レベルが上がった!
パッシブスキル:魔人耐性向上を覚えた!
レベルが上がった!
…確かにレベルが80で止まった。
「シュン、観察眼でちょっと見てみてよ!」
ローザがワクワクした様子で俺に言う。
「その観察眼なんだけど…、レベルが上がって神眼ってのになった」
「えっ、なんだか今までより更に凄そうね!」
スキル:神眼
・効果:全てを見通す神の目
「なんか全てを見れるらしい…」
「すっ、全て!?」
ローザは慌てて両手で胸のあたりを隠す。
「あ、いや、スキル説明がそうだっただけで、透視するとかそういった能力はないと思うよ」
「そ、そう…。でもでも、念の為一度誰かで試してみてよ」
「ちょっとシュトロームに使ってみる…。神眼になって魔人族でも見られるようになってると良いんだけど…。シュトローム、良い?」
「ええ、構いませんよ。私も自分の熟練度がどうなったか知りたいです」
「じゃぁ…、神眼!」
名前:シュトローム
種族:魔人/人間
称号:ダーティー
Lv:-
熟練度:800
魔術
・炎術 ・風術 ・精神操作術
特殊
・飛行 ・覚醒 ・次元移動 ・従者の証
残念ながら?服が透けて見える…。なんてことはなかった。
「見れたよ!熟練度800だって!おめでとう!」
「おお、私は何もしていないのに…。ありがたい」
「あと、なんか従者の証ってのを覚えてる…」
「従者…。シュンさんの従者という事なのでしょうか…?」
「何もしてないけど熟練度を上げてもらったからかもしれないね…」
「そうですか…」
「一応使ってみて効果を確認した方が良いかも」
「そうですね。分かりました」
「シュン。それよりどうだったの?その、外見というか見た目というか…」
「ああ、大丈夫。見た目は普通だったよ」
「そう…。本当でしょうね…?」
「ほ、本当だよ」
ローザさん。夜はあんなにオープンなのにやたら気にするな…。
「そ!じゃぁじゃぁ、わたしのことも見てちょうだい!」
「ああ、それじゃ…神眼!」
名前:ローザ・キクイチ
種族:人間
職業:ミンストレル
冒険者ランク:A
通り名:エルミナ
LV:80
スキル
アクティブスキル
・ミンストレルオーラ
効果:一定時間武器がオーラを纏い射程が伸びる
オーラは敵対する者しか斬らない
・ミンストレルエクステンド
効果:一定時間武器が伸縮する
・エール
効果:パーティメンバーのステータスを上昇させる
・癒しの舞
効果:見る者の魔力と体力を徐々に回復させる
パッシブスキル
・カタール技術向上
効果:カタール使用時武器の能力を最大限発揮できる
・踊りの極意
効果:踊りの効果を最大限発揮できる
踊り使用時疲労しない
「おぉ、レベル80になってる!」
「やった!…そういえば、リストレインワームの時もわたしも経験値貰えてたのよね?」
「いや、あの時は俺が一人で踏み潰しただけで、ローザは戦いに参加していないから、経験値は俺にだけ入っていたと思う」
「あっ、そっかー。残念」
「リストレインワーム?」
闇の眷属と繋がりがあったシュトロームでもその辺は分からないらしい。
「闇の眷属が裏切りを防止するために作り出した人工の魔物だよ。体内に住み着いて、宿主が裏切ろうとすると魔物に変身させられるんだ。一匹潰しただけでとんでもなくレベルが上がる虫さ」
「そうでしたか」
「シュン、ローザ、レベル80は一つの到達点だ。そこまで到達できた人はまず間違いなく最上級職へ転職できる。ステータスアップの為にもなっておいた方が良いだろう」
「おお、そうなんだ。って俺未だに職業ってものが無いんだけど…。転職も教会でやるの?」
「そうだ。シュンも何か職に就くと良いだろう。続きをやる前に教会に行くか?」
「…ワンダラー…。わたしが…ワンダラーに…なれるの…?」
「おそらくな」
「シュン!行こう!今すぐ瞬間移動で教会に行こう!」
「あ、ああ。分かったよ」
ローザのこの様子からすると、改めて最上級職になるのって凄いんだな…。
名前:シュン
種族:人間
職業:無し
冒険者ランク:B
称号:救世主
LV:80
HP:9999/9999
MP:999/999
力:255
素早さ:255
耐久力:255
知能:255
精神力:255
スキル
アクティブ:衝波斬 鑑定Ⅱ 神眼 獄炎玉 剛雷撃
パッシブ:感知Ⅱ 毒耐性向上 麻痺耐性向上 精神攻撃耐性向上 竜人耐性向上 魔人耐性向上 自己再生 MP自然回復 鋼の心 剣技マスタリー 金剛 経験値乗算
特殊:浄化 魔笛Ⅱ 属性付与 瞬間移動Ⅱ ゼログラビティⅢ 次元の扉 覇王の証 治療Ⅱ
魔法:キュアー ヒール
フレイム ウォータ ライトニング アイス
ソウルイーター シールド 通信Ⅱ エデン
フレイムサークル ウォータスプラッシュ ライトニングバースト アイスウォール
召喚魔法:槍千本 怒りの鉄槌
天啓:オールスキル オールマジック エターナルフォース
パッシブスキル
・竜人耐性向上
効果:竜人族から受けるダメージを軽減する
・魔人耐性向上
効果:魔人族から受けるダメージを軽減する




