89.クロノ城表彰式
レッドドラゴンのサリオスは、話の後一旦自分の国へ帰って行った。
俺達の為に乗り物を用意して後ほど迎えに来てくれるそうだ。
また、今回俺達が協力する見返りとして魔人族との戦いの際には協力を惜しまないと約束してくれた。
そして、残った俺達は何をするかと言うと…。
「さあ!早速レベル上げにでも行きますか!」
「待て、シュン。表彰式が途中であっただろう。国事をあまり蔑ろにせんでくれ」
「あ…」
「早く強くなりたいところだけど…仕方ないわね。一旦戻りましょう」
「しょうがないなー。紋次郎さんに通信入れるから待ってて」
俺は紋次郎さんにひとまず危機は去った事を報告する。
「突然失礼します。シュンです」
「おうっ!?なんじゃ!?シュンだと?」
「驚かせてしまってすみません。緊急だったので俺の通信魔法で直接話させてもらっています」
「おぉ、凄いのう。いや!それより今はドラゴンじゃ!物見の報告では巨大なレッドドラゴンが街に入る寸前で消えたと申しておったが、どうなった?」
「はい、無事に危機は去りました。ただ、やつらの国へ行き根本をなんとかしないと新たな危機が全人類に及ぶ事が判明しました」
「なんじゃと…」
「俺達ガイアはこれからドラゴンの国へ向かいます。魔物の前にドラゴン…、竜人族をなんとかして来ようと思っています」
「竜人族…。いくらシュンやユーバーがいたとしても大丈夫なのか?」
「はい。無事に帰るためにも俺達はこれからレベル上げに入ります」
「今からか?そんなに時間は無いのだろう?」
「大丈夫です。ガイアには秘策があります。陛下は朗報を待っていてください」
「う、うむ。分かった」
「で、表彰式の続きなのですが…。今からそちらへ戻っても構いませんか?」
「おぉ、お前たちが時間に余裕があるのなら、こちらは構わんぞ。ただ、街中はドラゴンの襲来でパニックになっておるがな…。至急ドラゴン討伐の報を入れるが城に来るのに苦労するかもしれん」
「陛下、実はその事なのですが少しご相談が…」
「む?なんじゃ?」
「今後はこうして通信を入れた後、瞬間移動で玉座の間の前あたりに移動させて欲しいのですが…」
「…瞬間移動…じゃと?」
「ええ、やっぱり難しいですかね…?」
「普通に考えれば身元確認が済まないと入城はできんが…」
「そうですか…」
城門前あたりで我慢するか…。
「しかし、瞬間移動なぞできる者はシュン以外にはおらん。良かろう。緊急時に限り通信で儂に許可を取った後でなら玉座の間前への移動を認めよう!」
「あ、ありがとうございます。では早速よろしいですか?」
「おお、そうかそうか、今も使いたいのであったな。良いぞ、いつでも来るが良い」
「ありがとうございます」
こうして紋次郎に許可を貰い、さっそく四人で玉座の間の前まで瞬間移動しようとするが…。
「シュンさん。私は今クロノへ行くのはまずいような気がします」
シュトロームは決勝で覚醒し、観客を危険に晒した、言わば悪者だ。いずれガイアの一員である事は分かるかもしれないが、今、国王に会いに行くべきではないだろう。
「ああ、確かに。それじゃ申し訳ないけど、表彰が終わったら迎えに来るから少し待ってて」
「分かりました」
そして俺はローザとユーバーと三人でクロノ城玉座の間前まで瞬間移動する。
「お、お待ちしておりました。どうぞ中へ」
そこには驚いた表情のナカダ大臣が待っており、すぐに中へ案内してくれた。
「ありがとうございます」
玉座の間にはもう貴族たちはおらず、紋次郎とユーバーの分身アモンド将軍が待つ部屋の奥まで進む。
「おぉ、来たか。本当に一瞬じゃのう。なんとも便利なスキルじゃな」
「無理をお聞きいただき申し訳ありません」
「いや、何、お前たちとて無暗に瞬間移動でここに来るわけでもあるまい。緊急時だけなら構わん。ただし、あまり急がない時は通常通り身分を確認してから入城するのだぞ」
「承知致しました」
「で、お主の横におるのが人類最強の男ユーバーか…?」
「あ、はい」
そうか、紋次郎はユーバーとして会うのは初めてなのか。
「お初にお目にかかります。ユーバーと申します。その節は連絡のみで大変失礼致しました」
「おお、ガルヴァリに危機が迫りし時にシュンを頼るよう申してくれた事か。お主の言う通りシュンに動いてもらって人類は救われたわい。礼を言うぞ」
「はっ!ありがたき幸せ」
「それはそうと…」
「?」
「アモンド将軍に似ているな…」
!やっぱりそうなるよね!なんか不都合とかあるのかな?
「…単なる偶然でしょう。国一の将軍と似ているとは光栄です」
「私の方こそ人類最強と名高い冒険者ユーバー殿と似ているとは、嬉しい偶然です。今後とも宜しくお願い致します」
「ふむ。まあ良いか」
同一人物同士が話してるのって見ていて凄く不思議だな。
「ゴホン。ではナカダ」
「はっ!」
名前を呼ばれたナカダ大臣はドラゴン騒動で中断される前に持っていたお盆を持ち、再び俺の前に立つ。
「では改めて…、シュン殿、此度のクロノ大闘技大会での見事な戦い。そして巨大な魔物から民を守った事に感謝の意を示し、その功績を讃え、ここに表彰する」
やっぱりシュトロームには待っていてもらって正解だったな。巨大な魔物扱いだ。
「優勝報酬として3億ゼニル。クロノを守った報酬として冒険者ランクの4段階昇格を認める」
3億…。もうずっと遊んで暮らせる金額だな。何に使えば良いんだ…。
そして冒険者ランクか…。そう言えばFのままだった…。
「謹んでお受けいたします」
日本の国技のおかげで、こういった場面での正しい返答が出来たのではないかと思う。
「ガルヴァリのユディエルからもシュンの冒険者ランク昇格の話は来ておる。本来ならS級でもおかしくない活躍ぶりじゃ。胸を張って受け取ってくれ」
「はっ。ありがとうございます」
冒険者ランクのギルドへの連絡と登録はナカダ大臣がやっておいてくれるそうだ。試験も何もなしで昇格できるのはありがたい。
続いてついさっきのレッドドラゴン討伐の報酬の話になったが、そもそも討伐はしていないし、具体的な報酬もこれから決めるとのことで、早くレベル上げをしに行きたかった俺達は、ドラゴンの国で起きている事を簡潔に話し、下手をすると人類も魔物もドラゴンの餌になってしまうことを知っておいて貰った。
「なんと言う事じゃ…、申し訳ないが既に儂らにできる範疇を超えていそうじゃ…。すまないが人類の為、お前達に頼むしかなさそうじゃ…」
「お任せください」
「ローザよ、お前も、やはり行くのかの?」
「おじいちゃん…」
紋次郎にしてみれば息子のモンジさんを失い、残された孫娘のローザは相当大切な存在なのだろう。
「大丈夫よ。だってわたしには人類最強の男と救世主がついているんですもの!」
「そうか…。くれぐれも無理はせんでくれよ。シュン、ユーバー、孫を、…ローザをよろしく頼む」
「命に変えてもお守りいたします」
こうして俺達は表彰式を終え、シュトロームと再度合流した後、黄金魚を狩りに山小屋近くの川へと瞬間移動したのであった。
名前:シュン
種族:人間
職業:無し
冒険者ランク:B
称号:救世主
LV:73
HP:9999/9999
MP:999/999
力:255
素早さ:255
耐久力:255
知能:255
精神力:255
スキル
アクティブ:衝波斬 鑑定Ⅱ 観察眼Ⅱ 獄炎玉 剛雷撃
パッシブ:感知Ⅱ 毒耐性向上 麻痺耐性向上 精神攻撃耐性向上 自己再生 MP自然回復 鋼の心 剣技マスタリー 金剛 経験値乗算
特殊:浄化 魔笛Ⅱ 属性付与 瞬間移動Ⅱ ゼログラビティⅢ 次元の扉 覇王の証 治療Ⅱ
魔法:キュアー ヒール
フレイム ウォータ ライトニング アイス
ソウルイーター シールド 通信Ⅱ エデン
フレイムサークル ウォータスプラッシュ ライトニングバースト アイスウォール
召喚魔法:槍千本 怒りの鉄槌
天啓:オールスキル オールマジック エターナルフォース




