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30.戦いの後で


レベルが上がった!

魔法:シールドを覚えた!


レベルが上がった!

スキル:鑑定のレベルが上がった!

鑑定は鑑定Ⅱになった!


レベルが上がった!

スキル:観察眼のレベルが上がった!

観察眼は観察眼Ⅱになった!


レベルが上がった!

アクティブスキル:炎玉(えんぎょく)を覚えた!


レベルが上がった!

アクティブスキル:雷撃(らいげき)を覚えた!


レベルが上がった!

スキル:炎玉のレベルが上がった!

炎玉は猛炎玉になった!


レベルが上がった!

スキル:雷撃のレベルが上がった!

雷撃は猛雷撃になった!


レベルが上がった!

スキル:猛炎玉のレベルが上がった!

猛炎玉は獄炎玉になった!


レベルが上がった!

スキル:猛雷撃のレベルが上がった!

猛雷撃は剛雷撃になった!


...


だいぶ上がったな...。


シールドは防御魔法だろう。

戦闘中ローニンを気にしていたので誰かを守る魔法を深層心理で欲していたのかもしれない。


あとは、鑑定と観察眼のレベルが上がったが、これはウェインのスキルが上がったのを知っていたからか。


残る二つは、スキルらしいが...


獄炎玉と剛雷撃とはどんなスキルだ?



アクティブスキル:獄炎玉

炎玉の最上級スキル

効果:球状の一定の範囲内に地獄の火炎が吹き荒れ、全てを燃やし尽くす。



アクティブスキル:剛雷撃

雷撃の最上級スキル

効果:一定の範囲内に雷の雨が降り注ぎ、全てを無に帰す。



...なるほどなー。せっかくソウルイーターがあるので、MP消費無制限で強い魔法を、と願ったはずだが、まあ、消費無しで使えるスキルなら、それはそれでも良いか。

説明からして、威力も相当な物と予想出来るしな。


しかしなぜ火と雷だけなのだろう?ゴブリン共を倒している時に、弱点であるフレイムとライトニングが特に効いていたからだろうか?

スキルの仕組みで、同じスキルは連続して使用出来ないことを考えると、種類を多く覚えたい所だった。

まあ、これ以上を望むのは流石に贅沢すぎるだろう。


念の為...。


シールドはどんな効果か知りたい。

心の中で念じる。



魔法:シールド

消費MP:効果範囲による

持続時間:解除するまで

効果:任意の場所に攻撃を防ぐバリアを張る

バリアを大きくすればする程消費MPは増える

強度は範囲に関わらず一定

一度に出せるシールドの数は1つのみ



こちらは予想通りだが、一度に1枚か。...それもそうか。何枚も出せたら防御面でも無敵だ。




「シュン!無事か⁉︎」


基地まで退避していたローニンが駆け寄って来た。


「ああ、問題ない。そっちも大丈夫か?」


「ああ、と言うか俺は何もしていない。にしても一体なんだあの戦いは⁉︎あっという間にゴブリンが全滅したぞ...」


「言っただろ?俺は少し異常だってな」


「いや、少しどころじゃない。かなり異常だ。あんな風に光り輝くスキル見たこともないし、攻撃系スキルを使っているのに魔法も使えて、しかも4属性...。もう滅茶苦茶すぎて訳が分からん。何よりゴブリンを呼び寄せて一人でこの数を全滅させるなんて...」


ローニンは信じられないような顔で一面山となったゴブリン達の亡骸を見渡す。


「シュン。君は一体何者なんだ?」


「俺は俺だ。それ以外の何者でもないさ。さあ、それよりゴブリン共は全滅した。基地の皆に安全になったと報告しよう」


「いや、シュン。恐らくだが、それはまだ早い。多分一週間は大丈夫だろうが、その後は今回以上の大群が来る可能性がある。どうやら敵の全体像はもう少し大きいようなんだ」


確かに。

ゴワゴワがこのまま帰ったら殺されると言っていた。まだ背後に強大なボスがいると言うことか。


「分かった。国の方でも冒険者を集めているし、軍も動かす予定のようだ。俺は一度戻って現状を報告する」


「軍も出してくれるのか!助かる!だがしかし待ってくれ。エリバン基地の通信魔法の使い手がやられてしまって、ギルドと直接連絡が取れん。見た所馬がいないようだが、途中で魔物にやられたか?申し訳ないが基地の馬もみんなダメだぞ」


「ああ、大丈夫だ。走って帰れる」


「走ってだと⁉︎馬を飛ばしても片道三日はかかるぞ⁉︎しかも軍が出るならこの狭い道だ、こちらに来るまで何日かかるか分からん!」


「そうか。俺は最初から走って来た。多分2.3時間で着いたぞ。道も戻りながら広げよう」


「...普通なら出来る訳が無いが...。さっきの戦いぶり。君に賭けてみるしかないようだな」


「ああ、そうしてくれ。ただし今日中に俺がガルヴァリに戻っても冒険者も軍の体制もおそらく準備できていない。となると、この基地を諦めて生き残り全員でガルヴァリまで避難した方が良いんじゃないか?」


「なるほど。いや、だが、やはりダメだ。それだとガルヴァリに着く前に食糧が尽きてしまう。それに基地にいるのは隊員だけじゃない、その家族もいるし、隊員にも怪我をしている者が多い。道中の護衛も難しいぞ...」


「ふむ。ならまず怪我人を全員1カ所に集めてくれ。治療する。治療した後移動の準備を済ませよう。移動中の食糧は俺が魔物を狩りまくるからそれを食べよう。解体と調理は任せるぞ」


「治療だって?治療道具も回復アイテムも無いようだが...。まさか治癒系の魔法も使えるのか?」


「ああ、まあ、色々出来るんだ。MPが持てばだけどな」


「いちいち信じられんヤツだな...。しかし、他に道は無いようだ。少し待っててくれ。皆に状況を説明する。まずは怪我人を頼む。放って置くと危険な怪我の者もいる。そいつらを先に頼む」


そうして俺達は基地に戻った。ローニンに説明を受けた者達が手分けをして基地全体に状況を説明し、ついでに怪我人を一カ所に集めてくれた。


全員で100人程か。年配者は少ないが、女や子供も何人かいる。怪我人はざっと30人はいそうだ。家族を殺された者もいるのだろう。皆一様に悲痛な表情をしている。日本にいる時にテレビで見た紛争地域の映像を思い出す。


全員集まった所でローニンが皆の前に立ち、大声で話しを始めた。


「皆!安心してくれ。彼は冒険者のシュン。信じられないかもしれないが、周辺に隠れていたゴブリン達は彼が全て倒した。今後の俺達の動きは皆聞いたと思う。基地を諦めるのは悔しいが、何よりも命が一番だ。大切な人を失った者もいるだろう。生きる希望を持てない者もいるかも知れない...。


だが、状況は一変した!このシュンが救世主だ!その絶大な力で俺達皆を助けてくれる!今行動を起こさなければもう俺達が助かるチャンスは無い!全員で生きて!ガルヴァリまで辿り着こう!」


...


集まった人達は、俺の事が信じられないのか、大切な人を失ったショックか、訝しげな顔でこちらを見ている。ローニンの演説も効果は薄いようだ。


「シュン。頼む」


「分かった。それじゃまずは怪我の程度が酷い者から治療を始める。1人ずつ回るから皆はその場で待機していてくれ」


そうして俺は1人ずつヒールをかけていく。赤黒い血の跡が着いた包帯が痛々しいが、ヒールをかけると怪我人達の苦悶の表情が和らいで行く。


「浄化!」


サービスで浄化もかけておく。

こういった場では衛生面も健康において重要だ。


「次は...あなただ」


次に怪我の酷そうな兵士の前に行く。目に包帯が巻かれ、涙の様にそこから血が流れていた。


小学生くらいの少年が兵士を支え、5歳くらいの小さな女の子が少年の後ろに隠れながら不安そうな瞳でこちらを見ている。


「大丈夫だよ。お父さん。すぐに良くなるからね」


女の子に微笑み、兵士にヒールをかける。


「うっ、痛みが...。サーシャ、目の包帯を取ってくれ」


「うん」


サーシャと呼ばれた女の子に包帯を外してもらった兵士はゆっくりと目を開ける。


「おお、おお!見える...。サーシャ!エリック!お前達の可愛い顔もはっきりと見えるぞ!」


「お父さん!本当に⁉︎もう見えないって救護班の人が言ってたのに!」


少年が驚きながら尋ねる。


「ああ!信じられない...。これが回復魔法か!シュン君と言ったね。本当にありがとう!目をやられちゃ兵士としてやっていく事など不可能だ。これからどうやって二人を養っていけば良いのか途方に暮れていたんだ!本当に、本当にありがとうッッ!」


家族三人、顔をぐしゃぐしゃにして泣きながら感謝してくる。


こんなに感謝されるならヒール専門で暮らして行くのも悪くないと思えてしまう。


「元気になって良かったです。回復魔法って珍しいんですか?」


「?ああ、僧侶は才能を持った人自体少ない。しかも自分じゃレベルを上げられないから、誰かに手伝ってもらわないといけないからな。ゴブリン千匹を全滅させたと聞いたが、君は僧侶なのか?」


「いや、俺は...。そう!戦う僧侶みたいなものです!あ、次の人を診てあげないと!では!」


話を逸らし、次の人へ行こうとする。


「にいちゃん!」


「君は、エリックくん?」


「うん!あの、お父さんの目を治してくれてありがとう!俺、お父さんがゴブリンに目をやられて、妹の面倒を見ながらお父さんの目の代わりにならないとって思っていたけど、にいちゃんのおかげでお父さん、まだお仕事続けられそうだから、俺、決めたんだ!」


一生懸命話しかけてくる姿が微笑ましい。


「俺、にいちゃんみたいなすっごい僧侶になるよ!それで皆から感謝される人になるんだ!」


どうやら、ヒール専門で頑張れそうな人材が身近にいたようだ。僧侶の才能がある事を切に願っておこう。


「そうか。エリックならきっとなれるさ!頑張るんだぞ!」


「うん!」


こうして俺は、家族や仲間に支えられた怪我人達を次々に治していった。



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