14.ランクアップ試験 前編
俺は再びギルドを訪れていた。
ウェインから預かった剣の試し切りをするにしてもランクアップして少し強めの敵と戦った方が良いと思ったからだ。
カウンターにエイミーの姿は無く、違う女の子が受付けをしていた。
「こんにちは。ランクアップの試験を受けたいんだけど」
「はい。かしこまりました。ではLvを測らせていただきますね」
良かった。話がスムーズに進む。
俺は腕を出し腕輪を付けてもらい計測してもらう。
「シュンさん Lv10 ランクG ですね。ではランクFへの昇格試験になります。試験内容の説明は要りますか?」
「あ、お願いします」
そうか、どんな試験内容なのか把握していなかった。どんなことをするんだろう?
「試験内容は至ってシンプルです。ギルド所属の教官と模擬戦闘を行ってもらい実力を認められたら合格となります」
「なるほど。分かり易い」
「受験料は一回10000ゼニルです。受験されますか?」
そこそこ取るな...
「もし不合格だったらどうなりますか?」
「特に何もありません。力を付け直してまた後日受験料を支払って再度試験を受けることになります」
お金はかかるけど何度でも受けられるのか。
「分かりました。いつでも受けられるんですか?」
「ギルド職員の予定を確認しますので少々お待ちください」
そういって受付嬢は書類を確認し始めた。
「あっ、ちょっと待ってー!シュンさんのランクアップ試験なら私が承ります」
エイミーがカウンターの奥からかけて来た。
さすがにもう落ち着きを取り戻したようだ。
「あっ、エイミー。今日って教官誰か空いてたかな?」
「えっとね。ユディエル教官が空いてるみたい」
「えっ?ユディエル、教官?」
「うんうん。あ、シュンさんさっそくご案内しますので、こちらへどうぞ」
不思議そうな顔をしている受付嬢をよそに、俺はエイミーに連れられてカウンター横の通路へと入っていった。
「ここは?」
通路の廊下を進んで行くと、そこには闘技場のような開けた場所があった。
位置的には併設倉庫のちょうど隣だ。
ふと見るとジドールや、他にもギルドの制服を着た職員数人がこちらの様子を伺っている。
「ここはギルドで摸擬試合を行う時や、ギルド職員の鍛錬の為に設けられた訓練場です」
「ギルドの奥にこんな場所があったんだね、ここで戦うのかな?」
「はい。あ、あの方が教官のユディエルさんです」
エイミーが指し示す方を見ると、軽鎧姿の厳つい顔をした50代程の体格の良い男が廊下から現れた。
一目見ただけだがやたら強そうだ。
「おまえがシュンだな。俺がランク昇格試験官のユディエルだ。よろしくな」
「はい、宜しくお願いします」
「試験のルールは簡単だ。俺を魔物か盗賊だと思ってかかって来い。俺がFランクに充分な力量があると判断すれば合格だ。試験時間は俺が判断を下すまでだ」
「分かりました」
「よし、武器はこちらで用意した物を使ってもらう。得意な武器は何だ?」
「剣でお願いします」
「よし、それじゃ俺も同じ剣で行こう。エイミー!」
「はい。ではこちらをお使い下さい。刃は潰してあるので切れはしませんが、まともに当たれば痛いじゃすまないですよ」
「分かった。そうならないように頑張るよ」
「よし、では準備が整ったら始める、用意は良いか?」
「お願いします!」
「では、ランク昇格試験始め!」
ユディエルはニヤリと笑うと試験開始を宣言した。




