6、新しい出会い
ニコラとこれからの方針を話していると精霊たちに追いかけられながら一匹の
蝶が飛んでくる
「あら、綺麗な蝶ね羽が煌めいているわ」
『王女蜘蛛蝶ですね』
よく見ると蜘蛛の胴体に蝶の羽が付いている、口のあたりにはストローのような物があるのもわかる
ステラが指を差し出すと、そこに止まりステラの方を見て来る
蝶を追ってきた精霊の方を見るとなにやら相談するように揺らめき合っている
そんな精霊たちの様子をみてふと思い出す
「そう言えば、柵と掘りを作るのに夢中になって精霊たちに害のある虫かそうじゃないか
教えるのを忘れていたわね、ニコラあなた分かる?」
『大体は大丈夫なはずです、教えてきますね』
「お願いするわ、さて貴方も帰っていいわよ」
蝶に語りかけるがこちらをじっと見つめたまま微動だにしない
どうしたのかしら?
「たしか、蜘蛛蝶って蜘蛛ッていうぐらいだから糸が使えるのよね」
そう呟くと、せわしなく蝶が動き出す、そしてお尻のあたりから出した糸をあっと言う間に
紡ぎハンカチのような布を作り差し出してくる
「この布凄い上質ねシルクとかそういうレベルハンカチね・・・」
しばらくハンカチを作ってくれた蝶を見てみる
・・・・
・・・・
「あっ、もしかして住ませてほしいのかしら?」
蝶が肯く
「ちょうど洋服を作りたいと思っていたのよ、よろしくね」
蝶も前足を上げて答えてくれる(さっきから蝶蝶言ってるけど蜘蛛蝶なのでしっかり足は8本ある)
「まずは名前ね、ここは無難にアゲハかしら・・・・普通すぎるわね
こういうのは第一印象が大事なのよね、えーと・・・煌とかどうかしら」
ジェスチャーで肯定の意を返してくれる
「それじゃあ改めて煌よろしくね」
煌は喜びを表すようにステラの周りを飛び回る、羽ばたくごとにキラキラした燐分がまい幻想的な
雰囲気になる
「さっそく服を作ってほしいのだけれど、聞いてちょうだい」
煌は今度はステラの方に止まり聞く姿勢を見せる
どうやら先ほど行動でも分かったことだがかなり頭がいいようだ
簡単に説明しただけですぐに理解してしまった、そしてかなり服を作るのが早い
かなり凝ったメイド服を一時間と掛からず創り上げてしまった
問題としては色は流石に付けられないらしく真っ白だったけど
服としては十分ね、今の今まで魔力で作った洋服を着ていたからちゃんとした服を着たかったのだ
せっかくこんなに理想的な姿になったのだから
この日は服を作っている間に終わってしまった
畑も順調に拡張できている、精霊たちも花の世話の仕方を覚えてきて問題ないレベルになった
収穫した花たちの大体は精霊たちが食べている、今ではかなりの種類があり
味もかなりおいしい、正直前世なら最高級品に分類されるレベルで
あと煌なのだが大樹に穴をあけて巣を作っていた、しかもしっかり大樹に許可をもらって
今日も今日とて畑の世話をする、花畑は精霊たちが世話をしてくれるのだが
新たに作った普通の野菜を育てている畑はあまり積極的に世話をしてくれないので自分で
する必要があるのだ
午後はのんびり精霊たちと戯れならがら魔法を最適化していく
これが意外と曲者で、現状は既存の魔法を最適化しているのだがそもそも基本魔法しか
習得していないので、できることがすくない、これ以上をするには本を読まなくてはいけないようだ
それなら町に行けという話なのだけど、あんまりここから離れたくないのよね
ここから離れちゃうと戻るのが大変で何かあった時のリスクが大きすぎるのよね
だから現状は自分で魔法を作ってそれを最適化していくしかないわけよ
で、なにが曲者かって話なのだけど、この魔法を作るてところなのよね、私は魔法を主とした能力じゃないからかなり作成の難易度が高く時間も掛かるのよね、まあ時間はあるのだし気長にやってみますか
はあ、精霊たちがいるから孤独じゃないのはいいのだけれど、嫁さんがほしいわね・・・
現状、無性別無性系だけどそのあたりはどうとでもなるのよね、女性に子供を産んでもらうこともできるし更にいうと、自分が産むこともできる、神様ってしゅごいそれによく聞く子供を産むと弱体化するとかそんなこともないらしい、流石に生まれた子供が強いかはその子次第みたいだけど
まあとにかく安定した家と食料次を求めるのは当然なのです
どうせならお嫁さんがほしいな、旦那さんでも・・・うんありだね、元男だけど
今だと全然ありに思えて来るから不思議、
まあそれもこんな森の深くじゃ無理だろうけどね・・・・えーと侵入者・・・かな?
精霊と戯れつつそんなことを考えていたら最近できるようになった並列思考で星視を使って監視していたら柵に近づく人影を捕えた、これは・・・女の子かな?
どうやら柵をと掘りを迂回して入れる場所を探しているようだ
身にまとっている服はぼろぼろで汚れており、背中にはバック片手には十字架の形の剣
かなり美人で金髪の髪をなびかせながら必死に何かから逃げるように走っている
まあ、後ろを見れば暗殺者見たいな人影が追いかけているのがまるわかりなのだが
そして、少女の最大の特徴は目元に仮面をしていることだろう、しかも完全に目元を覆い尽くすタイプで穴なども合いていない、そのままだと前が見えないような仮面だ
『ステラ様』
「わかってるわちょっといってくるから精霊たちをなだめておいて」
『かしこまりました』
四方にある出入り口の一つに到着するとちょうど少女がこちらに走ってくるところだった
「はあ、はあ、はあ、!よかった人がいましたすいません助けてもらえないでしょうか
襲われているんです」
「私が、貴方を助けるメリットがないのだけれど?貴方が悪かも知れないし」
別に実際に思っているわけじゃない、もう半分助ける気にはなっているのだが確認したいこともあった
「素敵なお声・・・そんな場合じゃありませんでした私は貴方がほしがる情報を持っています
私が死ねば、知ることはできませんよ?」
「ふむ、交渉材料としては少し弱いわねでもギリギリ及第点ということにしてあげましょう
こっちにいらっしゃい」
「ありがとうございます、でもこの掘りのせいでそちらに行けないのですが・・・」
ステラは無言で星座を描く
すると、少女とステラを結ぶ虹色の橋が現れる、それと同時に暗殺者も姿を現す
「これを、渡ればいいのですよね」
無言で肯定する
少女は橋を渡ってこちら側に走ってくる、真ん中あたりに来たあたりで暗殺者たちも無言で橋を渡り始める、たぶんできる暗殺者は喋らないとか思っているんだろう
少女がこちらに更に近づき、暗殺者集団が進んだところで、魔法を解除する、すると橋の暗殺者の後ろから橋が消え始める、それに気付いた暗殺者たちが急いで渡ろうとしてくるが、橋が消える方がはやく全員掘りに落ちていった、少女はちゃんとわたりきった
「はあ、はあ、はあ、はあ、ありがとう、ございます」
「いいのよ、目の前で襲われてる女の子を見捨てるほど冷徹ではないもの」
「ん?」
「こっちにいらっしゃい、中に入りましょう」
「は、はい」




