5、これはお花畑ですか?いいえ野菜を植えている畑です
「おかしい、どうしてこうなってしまったのかしら・・・」
微妙な表情をするステラの前に広がっているのは、色とりどりに咲き乱れる花たち
そんな花畑に妖精たちが漂い、とても美しく荘厳な雰囲気を醸し出している
『これはまた素晴らし、花畑ですね子供たちが喜んでいます
ですが、野菜を育てる畑を作ったのではありませんでしたか?』
「そうなのよね、ちゃんと食べれらる野菜ができるようにお願いしながら
耕したんだけど・・・あっれえー」
~~数週間前
「よいっしょ、よいっしょ、ふう意外と大変ね身体が変わって体力もついて
疲れることはないけど重労働なのは変わらないわね」
『そうですね、畑仕事とは相当体力と時間が必要なものなのですが・・・
まだ一時間も立っていないのに予定していた土地が耕し終わりそうです』
「ちゃんと食べられる野菜ができてくれればいいんだけど、後で花畑なんかも作りたいわね
観賞用で_____
「あっ・・・あれかあれが原因なのねしかし思うだけで育つとは・・・知ってはいたけど
実際に見ると凄いわね」
『種も植えずにどうするのかと思いましたが次の日には芽が出ているんですもの非常に
びっくりしました、まさかこの不毛の地で普通の草花が育つなんて』
「多分普通の花じゃないと思うけどね、ここは普通の草木は育たないんだっけ?」
『はい、今ある木々のほとんどは、この森に深淵への入り口ができる前から生えていた
植物です、その中でも大樹はかなり昔からあります』
「すごい木だったのね、まあこの大きさなら納得ね」
『ステラ様がお母様だったとしたらこの大樹はお父様でしょう』
「精霊たちはみんな私の可愛い娘たちよ」
『はい』
「・・・・・」
『ステラ様どうかなさいましたか突然花を見つめて』
「話は変わるのだけど、この花食べられないのかしら私は確か食べられる野菜を望んだはず・・・」
『む・・・・どうでしょうこの花たちは私も見たことない花たちです
もしかしたら食べられるかもしれません』
「そうね、手始めにこの赤くて丸いトマト見たいな花を食べてみるわ」
花を茎から切り取って見る
「見れば見るほどトマトに見えてきたわ、いただきまーす、はむ・・・・」
『どうですか?』
「むむむむ、トマトかと思ったけどこれイチゴねかなりおいしいわ」
『わ、私も頂いても?』
「もちろん、ほらどうぞ」
ニコラにイチゴ味の花を渡す
『はむ、おおこれかなり甘いですね!おいしいです』
「この調子だとほとんど食べられそうね」
『す、ステラ様これ見てください』
イチゴ味の花を観察していたニコラがあわてた様子でステラを呼ぶ
「どれ?なにがあったの?」
『これです』
ニコラは先ほどステラが花をもぎ取り茎だけになったはずの茎を見せて来る
「あらこれは蕾・・・かしらね、もしかして切ったところからもう蕾が出てきたの?」
『はい、しばらく見ていたら急に揺れ出して気付いた時にはもうできていました』
「恐るべし花の根性、この様子だと一週間程度でまた食べられそうね
操何度も食べるのはかわいそうだから、畑を増やしましょうか精霊たちの分も必要でしょうし」
精霊たちが一斉に集まってくる
その様子はまるで自分たちも食べたいと訴えているようだ
「貴方達食べてもいいけど、ちゃんとお世話するのよ、水を上げたり虫を取って上げたり
雑草を抜いたり、大変だけど大丈夫?」
精霊たちが一斉に立てに揺れる、多分肯定しているのだろう
「わかったわ、私も世話をするけど基本的に花たちの世話は貴方達に
任せるわ」
その言葉を聞いた瞬間精霊たちは一斉に散っていく
「可愛いわね、張りきっちゃってこの分だとそろそろ上位種が出てきてもおかしくないわね」
精霊の上位種とは所謂大人精霊だ基本的に上位種の精霊はかなり少ない
この大樹にもニコラしか上位種はいない
「さて私たちも、一通り味を確認したら畑を拡張しましょうかね」
『子供たちのためにも頑張らないとですね』
しばらくは畑の拡張をしていく、ついでに畑をかなり広げたため
場所が足りなくなってしまったため、拡張することにした
前回の反省を生かし、先に掘りと柵を作ってから整地することにした
とりあえず将来を見据えて、大樹ユグドラシルを中心に半径が一キロほどの円で
囲うことにした、星視があるので円は完璧だ
大体のあたりを付けたらまずは柵を作ることにする
柵と言っても切った丸太を三角形に削って斜面の方を内側に垂直の方を外側にしておいただけ
なんだけどね
◣ 大樹 ◢
これで内側からは斜面だけど外からは壁になった、この森の木はかなり太いから壁も
人一人分ぐらいはあるのよね
後から自分も入れないことに気付いたのだけど、よく考えればわたし
飛べたわ、それでも一応四か所に出入り口を作っておいた
後は掘りを掘るだけなのだけど、というかもう掘ったのだけど・・・・
うん、掘りすぎたのは認めるわだってつい夢中で掘ってたら軽く10メートルほどの立派な
掘りが完成していた、幅も同じくらいあるかなー?
まあやってしまったものはしょうがない、幸い水は出てこなかったので
柵作りに使った木の端材で鋭いスパイクを作って掘りの下に設置しておいた
これで完璧ね
『いったいステラ様はなにと戦うおつもりなのでしょうか』
とか言われたけど、軽く流しておいた、別に何かと戦うわけじゃないとだけいってきましょうか
あと作るのにものっそい時間がかかったこの世界に来たのは春ごろだったのだけど
次の春が来るぐらいには時間がかかった、正直冬はめっちゃ寒くて作業できなかった
のよね、それも完成が遅れた理由でもある、




