3、衣食住の住2
「雨風凌げるのはいいのだけれど、流石に地面に直接寝るのはよくなかったわ
身体が、あちこち痛い・・・あとお風呂に入ってないから身体が汚れてきてるわ何とかしないと・・・
となると、最優先は水の確保ね」
『貴方様水源でしたら、地下水脈はどうでしょうかここならそれほど深くまで掘らなくても
水がわき出て来る筈です』
昨日の精霊の王が教えてくれる
「そうなの?ありがとう、えーっと呼び名がないと不便ね」
『名前を・・・頂けるのですか?』
「だって不便じゃない、そうね何かいい名前は・・・ニコラにしましょうちょうどいいわ」
『ニコラですか、ありがとうございますこれよりニコラはステラ様に付き従います』
ニコラの身体が淡い藍色の光に包まれる
「えっとなにが起こったのかな?」
・・・・なるほど
瞬時に名と契約についての知識が浮かび上がってきて理解する
「軽々しく名前つけちゃったけど大丈夫かな・・・」
『問題在りません、むしろ感謝しきれないほどですこんな辺境の精霊王に名前を
付けていただいて』
淡い光が消えでてきたのは、今までと大きさは変わらないが身体の色がまるで宇宙
を想わせる、黒紫に代わっていた
「かなり、色が変わったわね何の精霊になったのかしら」
『星霊王女、ニコラと申します改めてステラ様どうか末長くよろしくお願いします』
≪種族【星霊】が生まれました、星霊を従えたことにより権限の一部が使用可能になりました≫
空中で正座してお辞儀してる・・・嫁入りかな?それとこんな感じで使用できる権限が
ふえていくのね、確認は後でやるとして
「よろしくニコラさっそくだけど井戸を掘ろうと思うのだけど何処がいいと思う?」
とりあえず住む環境を整えないとね
『そうですね、水精に聞いてみます、どこがいいと思いますか?』
これ別に私が聞いてもよくないかと思ったら、ニコラ以外は力の弱い精霊しかいないようで
会話が成り立たなかった、言ってることはわかるんだけどね、会話文が会話になってなかった
『ステラ様あの辺りがいいかと』
ニコラが大樹からそんなに離れていない地面を指さす
「じゃあ場所はそこで決まりね、後はどう掘るかだけど・・・まあシャベルでほって行きますか
流石ににボーリングマシーンとかにはならないし」
とりあえず螺旋状にほってみる、イメージは某サウンドボックスゲームだ
流石にあんなきっちり四角には掘れないけど
10メートルほど掘ったところで水がしみ出してきた、それも結構な勢いで
すぐ飲むのは怖いので、収まってきてからのもうかしら
この体で病気とかならない気がするけど、一応一応
先に、身体を洗いたいので風呂を作っておくことにしましょうか
まだまだ結構な勢いで吹き出てるし、これあふれるんじゃ・・・考えないことにしよう
螺旋を掘っているときにも思ったのだけれど、触った感じここの地面てかなり硬いのに
万能道具箱の道具を使うとまるで、豆腐を掘ってるみたいに簡単に掘れる
まずはシャベルで土を掘っていく、大体人一人分ぐらいの穴を掘れたら次は
木槌で叩いて固めていく、次はー前世でよく見てた穴掘り家づくり動画だと
たしか蟻塚を取ってきて砕いて塗っていたような・・・・
ニコラに聞いてみると、どうやらあるようだ蟻塚これは上々
が問題発生、あるのは分かるが何処にあるのかは不明らしいわ
・・・あきらめますか、いまの状況で遠出したくないわ、絶対迷子になる自身があります
排水用に隣にそれなりの深さの穴を掘る、そして穴でつなげ大樹の裏手に運よく
生えていた竹を使い、水が通る道を作る取り合えず竹には木を切って端材で作った栓をしておく
ここで井戸を確認
「此処の水源凄いわね、掘った穴半分にもう達してるわよ?」
『このあたりだと、かなり大きい水源が通っていますから、と水の精霊が言ってました』
「そうなのね、その精霊にお礼を伝えておいて、これで当面水には困らないだろうから」
『承知しました』
・・・・どうやってこの水を風呂に流そうかしら
そうねさっきと同じ要領で井戸の高い位置に水の通り道を作ってそこからお風呂に行くようすれば
いいわね、これなら井戸から水があふれ出して洪水になることもないし
先ほどと同じく、竹を使い井戸からお風呂へ道を作る、
逆流しないように井戸の方を少し上に上げておいた方がいいわね・・・
「完成!」
『中々理にかなっていますね』
「そうでしょ、作業してる間にもいい感じに井戸水は上がってきたし、
明日にはいっぱいになって入れそうね、お湯をどうやって沸かすかが問題だけど」
『・・・・!?ステラ様!!魔物が周りに置いた木に突進してきているみたいです
子供たちが!!近くにいたらしく・・・』
ちなみに周りに置いた木とは、大樹を中心に広場をぐるっと一周切り倒した木で覆っている
まあ所謂簡易柵だ
「む?それはどの方向?」
『あちらです!!』
ニコラが大樹の裏側を指さす
「わかったわ、ニコラは精霊の世話を」
『はい!』
まずいわね・・・流石に丸太の柵は適当すぎたかしら
魔物は何とかなるにしても、精霊が心配ね
「いた!貴方達!!ニコラのもとに急ぎなさい!!」
視線の先には猪の魔物
丸太の柵を砕ききり、今にも精霊たちに突進しそうだ
別に精霊に腰とかはないのだが呼びかけられた精霊たちは震えるだけで腰が抜けたように
動けない
「仕方ない、《星座よ》
ステラの指先に光が灯り、そこから一筋の光が放射される
その光は過たず、猪の魔物の眉間を貫く
猪の魔物は鈍い唸り声を上げ地面に倒れ伏す、しばらく痙攣していたがやがて動かなくなった
「貴方たち、大丈夫だった?」
腰が抜けて動けない精霊たちを優しく抱き上げる
すると泣きわめくように安心したようにステラに身体を擦りつけて来る
「よかった、本当に」
『ステラ様!子供たちは!?』
大樹に住む唯一の星霊王女として子供精霊のことがよほど心配だったのだろう
ひどくとり乱している
「ええ、みんな無事よ」
いくら会話ができなくとも、姿が同じでも魔力は同じ者はいないステラは全ての
精霊の魔力覚えており記憶していた、それゆえにはっきり明言したのだ
『よ、よかった…』
「さ、みんなもうじき日が暮れるわ、戻りましょニコラ精霊たちをお願い
私はこの猪を運ぶから」
『はい!』
大樹の正面に戻ってきたステラ達
「血抜きだけでもやっておきましょうか、このまま放置するのも
よくないし、吊るしておけば問題ないでしょ」
『問題ないかと、最悪寝ない子供たちに見張ってもらえばいいですから』
「それは、なんだか悪い気がするわ」
『大丈夫です、夜の精霊たちは夜にしか起きないですし、夜はやれることも少ないですから』
「そう?まあ自主性に任せておくわ、ちゃんと守れば明日はお肉が食べられるのよ」




