祖父登場
そして、軽く深呼吸をして、昔ながらのブーッと鳴るだけのベルを鳴らす。
ベルの音が響くと、家の中からドタドタドタドタ!と足音が聞こえ、玄関の扉をぶち破りカズトの顔に足が直撃し倒れる。
頭はお坊さんらしく、丸くしてるが、見た目だけで言えば、完全にヤ〇ザである厳つい祖父だ。
祖父「気配を感じてみれば死んだはずのカズトではないか!」
カズト「久しぶり、じぃちゃん」
祖父「………」
祖父「このバカもんが。死ぬとはなさけねぇよ。だがあんまり、年寄りに心配をかけるな」
カズト「ご、ごめん……」
祖父「説教は後だ。ご飯はちゃんと食べてるのか?」
カズト「あの日に色々あってさ。あんまり長くはここに居られないけど、とりあえず挨拶だけしとこう思って」
祖父「そうか。後ろの方々も、その色々なのか?」
カズト「いきなり帰って来て、こんな大人数で申し訳ないんだけど、全員あげて良い?」
祖父「あぁ、もちろんだ。皆さん、暑い中ほったらかしですみません。何も無い家ですが、どうぞ上がってください。母さん、皆さんにお茶を」
祖母「はい、お父さん。その前に和人」
カズト「なに?」
祖母「おかえり」
カズト「…ただいま。じぃちゃんも、ただいま」
祖父「あぁ、おかえり」
祖母「ささ、皆さん、どうぞ上がってくださいな。カズト、皆さんを居間へ案内して」
カズト「わかった。さ、行こう皆」
皆「お邪魔します」
居間
カズト「………」
シン「………」
マリア「………」
リカ「………」
イロハ「………」
ルシファー「………」
祖父「………」
祖母「お茶が入り……」
全員が無言の空気の中、ふすまをスーッと開けて祖母が入ってくるが、あまりの空気に言葉に詰まる。
カズト「あ、ありがとう、ばぁちゃん」
祖母「ぅ、ぅん。ところで、お昼は皆さん食べるのかい?」
カズト「あー…どうする?」
マリア「いきなりこの人数は、ご迷惑じゃないですか?」
祖母「迷惑だなんて、そんなの気にしないで良いのよ!ご飯は皆で楽しく食べるから美味しいって教えたじゃないの」
マリア「そ、そうでしたね。じゃあ、せっかくなのでご馳走になります」
カズト「皆もそれで良いか?」
イロハ「あ、はい」
カズト「って事になりました」
祖母「はい(笑)カズトがこんなに友達を連れて来たのは初めてだし、腕によりをかけて作ろうかね!」
カズト「あ、リクエストしていい?」
祖母「なんだい?」
カズト「和食が食べたい」
祖母「…見たところ、お友達の彼女さんは外国の方みたいだけど、大丈夫なのかい?」
カズト「向こうでも、和食は食べてもらった事あるから」
祖母「そうかい。なら、和食を中心に作るよ。向こうでも、っていうのは、聞かない方が良いのかい?」
カズト「ぅぅん。後で、ちゃんと説明する」
祖母「わかったよ。じゃあ、ばぁちゃんは、お昼作ってくるから、お茶はお願いね」
カズト「ありがとう」
お茶を受け取り、祖母は台所へ。
そして、和人は皆にお茶を配り、再び無言の空間が。
それから10分ほど経って、祖父から話を切り出した。
祖父「カズト」
カズト「なに?」
祖父「とりあえず、皆さんの紹介をしてくれないか?」
カズト「あぁ、そうだったシンとマリアの紹介はいいよね?w」
祖父「あぁ、もちろんだ」
シン「ご挨拶遅れましたが、お久しぶりです師範」
祖父「あぁ、久しぶりだな。少し見ない間に、立派になったな」
シン「ありがとうございます。いえ師範と比べるとまだまだでございます」
マリア「貴方には敵いません」
カズト「えーっと、俺の左に居る女の子はイロハで、俺の彼女」
イロハ「は、初めまして…」
祖父「母さん!曾孫の顔が見れるぞ!」
イロハ「なっ!?//////」
イロハ「ちょっと待て、じぃちゃんwwwイロハはまだ学生だから」
祖父「す、すまん(笑)」
イロハ「だ、だって!//////」
カズト「と、とりあえず次!イロハの隣の女の子は、リカで、その隣のイケメンはルシ……あれ、これマズいか」
ルシファー「場所が場所だからなー。けど、素直に言っとけば?世話になる人の所で隠し事とかしたくねぇし」
カズト「後で説明する事になるし、そんなに変わんねぇか。そこのイケメンは、ルシファーだ」
祖父「横文字ばかりだな……イロハちゃんに、リカちゃん、ルシファーさん……だったかな?ルシファーさんは、何か特別な事情が?」
ルシファー「神話だと、ルシファーは堕天使として有名なもので。仏教を信仰するこの場で、神話に出てくる、しかも、闇堕ちした天使の名前は、あまりよろしくないかと思いまして」
祖父「なるほど、そういう事ですか。しかし、来る者拒まず、それが仏の教えです。どうかお気になさらず」
ルシファー「ありがとうございます」
シン「ねぇマリア(ボソッ)」
マリア「なんだ?(ボソッ)」
シン「ルシファーさんって、あんな真面目な所もあるんだね(笑)(ボソッ)」
マリア「あれでも、元は神の補佐やってた、スゲェ天使だからなw」
ルシファー「何をコソコソと話してんだ?w」
マリア「別に?w」
シン「何でもないですよ?(笑)」
ルシファー「なーんか怪しいなw」
カズト「それよりみんな、俺の部屋に来ないか?w」
祖父「おいカズト」
カズト「ん?」
祖父「趣味が丸出しの、あの部屋に、大事なお嫁さんを入れるのか?」
カズト「………ちょ、ちょっと片付けてくる!」
祖父の助言により、自分の部屋がどうなってかを思い出した嵐は、慌てて部屋に走って行った。
イロハ「どんなお部屋なんですか?」
マリア「寮の部屋とほとんど同じだよ。黒とかブラウンで統一した、シックな感じ」
イロハ「?それなら、なぜ慌てて片付けを?」
マリア「イロハは、あんまり聞かない方が良いかなー……」
イロハ「エッチな本?」
マリア「人によっては、そっちの方がマシかな?っていうか、カズトはそういうの持ってないと思うよ?こっちに居た頃から、そういうの冷めてたし」
イロハ「いったい何を……」
リカ「歴史物……」
クリナ「え?」
リカ「刀とか火縄銃とかあいつの部屋も、けっこうあったし」
マリア「ハハハ……」
イロハ「なるほど。それに関しては、気にしてない。趣味は人それぞれ」
マリア「ヤキモチとかないの?」
イロハ「現実の女の子じゃない。現実の女の子に鼻の下を伸ばしてたら、殺すけど!」
マリア「それは心配無いな」
シン「ぅん、それは大丈夫だよ」
リカ「カズトは、イロハ一筋ですからね(笑)」
イロハ「みんな……」
祖父「ハッハッハッハッ!嵐のやつ、こんなに想ってくれる嫁さんを見付けたか(笑)」
イロハ「よ、嫁さんだなんて、そんな//////」
シン「まさに相思相愛ですよ、カズトとイロハさんは(笑)若い頃の師範も、2人みたいな感じでした?(笑)」
祖父「若い頃だけじゃない、今も相思相愛に決まってるだろ(笑)」
シン「それは失礼しました(笑)」
祖父「それより、ルシファーさんの事で省かれていたが、そっちの男の子は、紹介されてないな」
祖父「そうかそうか。儂も、立派に成長したようで嬉しいよ。後で、久しぶりに手合わせしようか、カズト、カズトの弟子なら、かなりの腕なんだろう?一緒にどうかね?」
シン「いや……それはちょっと……」
祖父「儂では、相手にならないとでも言いたそうだな」
シン「………」
祖父「遠慮する事は無い。シンもマリアもお前達2人を見た瞬間から、何となく解っていたからな。かなりの修羅場を潜ってきたんだろ?」
シン&マリア「はい…」
祖父「それを踏まえて、もう一度言わせてくれ。儂と、手合わせしてくれ」




