圧倒的敗北
しかし、糸の拘束してたはずのハザマはそこにはいなかった。ハザマの情報体を読み取ろうにも何かが防いでいたので読み取れなかった。
「そんだけですの?」
なにやっても攻撃が当たらないカズトは苛立ちを示した。追尾の炎と雨、雷、嵐の炎の纏った槍をハザマに向けて放つ。ハザマの姿が消えると槍はハザマの位置を捉え追尾し始めた。
「よう考えたな。だが甘いよ」
とハザマは避けるの止めると炎槍が襲いかかる。がハザマに到達しようとした瞬間、炎槍が砕け散った。
カズト「神風剣術……神花風水」
炎槍を囮とし自ら霧と砂漠の炎で蜃気楼を作り、風と速の炎で加速し、ハザマの背後に回り込んだ。カズトがこの世界に来てから編み出した抜刀術をする。この技は敵の急所を抜いたと同時に着く抜刀の極意を身につけた。
ハザマは避けることができず抜刀術をくらう。そして吹き飛んだ。だがカズトには違和感を感じた。その違和感とは……
その目線で追うと椿の刀身が折られていた。カズトは目を見開いた。神器である椿が気づかれず折られるなんて……さらに自動回復機能も作動せず椿は完全に他の機能も死んでしまった。
さらにハザマに視線を送ると、椿の刀身を掴んでいた。傷も消えておりフェイクだった。
「あれこれで終わりですか?」
椿の刀身を砂浜に落とし、落下してきた刀身が突き刺さった。
カズト「まだ終わってねぇ!ソラ!なにぃ!?」
ソラに炎を灯そうとしようとしたとき、指輪状態のソラも砕け散った。武器を失ったカズトは呆然としていた。
「あらら大丈夫ですの?」
ゆっくりと砂浜に降りてくる。ハザマはへらへらしながらカズトを見ていた。
カズト「はぁぁぁぁぁぁあ!」
椿の鍔に無理やり全属性の炎を灯す。椿がそれに耐えきれず亀裂が入り始める。カズトは我を忘れてしまったのだ。
「詰まりませんのこれでお仕舞いね『未来改変』去ね」
その言葉にカズトの神格が解除され、椿はバラバラになり、カズトの左腕が消滅しており胸が貫かれていた。
カズトの目に光が消え砂浜に倒れ込んだ。意識は失っていた。
「あーあ殺ってもうたぁ……なんか騒がしいな派手にやり過ぎたのかね。聞こえないだろうけど生きてたらまた楽しもうや」
ハザマはスッと砂浜から姿を消すと異変を感じたアルさんとエルザさんがやって来た。この惨状を見て一瞬怯んだが状況を把握しカズトに回復魔法を掛けた。が治らなかった。
アルさんが光の最上級魔法『光聖域』を発動する。この魔法は危篤状態の者の死を送らせることができる。これは医者がいない戦場で死を送らせてその間に医者を呼び治癒魔法をかける。アルさんは自分では無理だと感じ、修行中のリカらの帰還を待つしかなかった。
その5時間後にようやく修行を一旦終えたイロハらが戻ってきた。エルザの顔を見て異変に思ったイロハとリカは直ぐさまカズトのほうに向かった。
到着したときには光聖域が弱まり魔力が尽きそうなアルさんが必死に張っていたためそれを辞めさせるとリカがありとあらゆる手段で試みるが反応はなかった。
最後の手段として『◯◯』をしてやり、一命を取り止めた。




