楽しいぃ
リンク「はぁ・・・はぁ・・・」
(くっ・・・こいつ・・・思った以上に・・・強い・・・おまけに・・・まだ“力”を・・・隠している・・・なんだあの炎は……)
リンク「・・・フフフ・・・」
ん?どうしたんだ?なんか急に笑いだしたんだけど・・・
カズト「どうかしたか?リンク君。」
リンク「別にただ……愉しくなっただけだ・・・」
「?楽しい?」
「あぁ・・・」
俺からの問いに対し、リンク君はそう言いながら、本当に楽しそうな笑みを見せてきた。
楽しい……か
リンク君は確かにそう言って笑った。
その笑顔の裏には、
その言葉に対する全くの嘘も、
ましてや自分よりも強い相手に対する“恐怖”も感じられない。
感じられるのは、自分よりも強い相手との戦いに対する“昂揚感”。
リンク君は本気でこの戦いを楽しんでいる。
リンクが見せた笑顔から、俺はそう“確信”した。
イロハ「あれ?カズトも笑ってる……」
リンク君の笑顔に対し、俺がそう“確信”を持つなか、リカ達と一緒に模擬戦を見ていたイロハがそう言った
イロハに指摘されるまで気付かなかったけど、どうやら俺もまた、この戦いを楽しんでいたみたいだ。
リンク君は強い。
ギルマスに勝らずとも劣らない剣技に打撃。
学生にしては上位レベルに位置する魔力コントロールと魔法のセンス。
隙を突いては繰り出してくる“破壊属性”の魔法や“打撃”。
多分だけど、リンク君はフレイ達、六大貴族の中で一番強いと確信した。
俺もチートだからって気を抜いたら、リンク君は確実に通常の俺を殺る。
リンク君はそれくらい強い。
そんなリンク君との戦いに、俺は気を抜くことはできない。
そして、俺はそのリンク君との戦いを楽しんでいる。
「フフ・・・」
「フフフ・・・」
「「ハハハハハハハハハッ!!」」
不意に俺とリンク君はほぼ同時に笑いだす。
『?』
そんな僕とリンク君に対し、周りの皆は首を傾げる。
カズト「ハハハ……わ、悪いな……急に笑って……」
リンク「いやいや、こっちこそ」
一通り、お互いに笑い合った後、俺とリンク君は互いに相手の表情を伺う。
俺の見る限り、リンク君の表情は先程と変わらない、本当にこの戦いを楽しんでいる笑顔だった。
多分だけど、俺も同じように笑ってるんだろうなぁ久しぶりに……




