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泳げないんだよ

ザザ・・・ン・・・ザザ・・・ン・・・


キャッキャッ・・・


王族の別荘の部屋に荷物を置き、水着に着替えた後、海でユニ達が楽しそうに遊んでいる。

プライベートビーチだから誰1人もいない。女子たちは海に入って遊んでいる。カズトはパラソルの下にいて小説を読んでいる。アルさんがやってきて紅茶を淹れる。読むのを中止し紅茶にのはいったカップに手を取る。そして匂いで上等な茶葉を使用していることに気づいた。


ズズ・・・


カズト「うん。これはなかなか美味しい紅茶ですね。アルさん。」


「お口に合ってなによりです。カズト様。」


そんななか、俺は一人、水着に着替えず、ビーチパラソルの下、アルさんが淹れてくれた紅茶を嗜む。カズトも寮の空き部屋を利用して牛やら豚などを飼育し、米まで造っているが茶葉までは作っていないことに気付き今度から造ろうと考えていた。


イリヤ「ってカズトさんは入らないんですか?」


リリィ「カズトぉ~~~結構気持ち良いよぉ~~~」


イロハ「……」


ユニ「お兄~ちゃ~ん♪」


海に入って遊んでいるイリヤ、リリィ、ユニが笑顔でそう言ってくるが、イロハだけは無言で俺を見ていた


カズト「君達は俺に死ねと?」

クロス「え?カズト。まだ治ってないのかよ」

カズト「俺、カナヅチなんだよ。」

『はあぁぁあああぁああぁぁぁああぁああぁぁっ!!?』


マリアンからの言葉を遮りながらそう言う僕の言葉に対し、海で遊んでいたイロハ達はそう驚きの声を上げる。

俺は前世で泳ごうとしたことがある。だがあの能力者たちと同じような現象が起きてしまう。さらにプールでも泳げない。幼児タイプのプールでも……悲しいよね

風呂は大丈夫なんだが……なぜだろう

俺は今でもカナヅチなんです。

まぁ、『拒絶の炎』を使えば、カナヅチを無くすことはできますが、それだと身体中が拒絶していることになるので海がこの世から無くなる。


イロハ「え?カズトってカナヅチだったの?」

シェリカ「意外な弱点・・・」

(ちょっとカズト!!カナヅチっておまえ、それマジか!?)


俺がカナヅチだということにイロハとシェリカがそう言うなか、リカが“念話”でそう聞いてくる。


(マジマジ。泳いだら神の俺でも死ぬことはないけど深海で身動きが出来ないまま人生を過ごすことになるよ)

ユニ「お兄ちゃんは入らないの?」


リカが俺とそう“念話”をするなか、ユニが少し寂しそうにしながらそう言ってくる。


カズト「ごめんな。ユニ。お兄ちゃんは一緒に泳いではやれないけど、ここでちゃんと見ているから・・・楽しんでおいて・・・」


「・・・うん・・・」


俺がそう言うと、ユニはそう言って、海でイロハ達と遊び始める。

・・・なんか凄い罪悪感です・・・

ユニの顔を見ながら申し訳なさそうに謝る。それを察したリカがある提案をした。


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