儀式Ⅳ
嫌な展開から免れたのでホッと一息つく。彼が転校してきてから間もないが、本当にしつこい。
リリィ「お疲れ様、いつも大変ね…」
イロハ「…そう思うなら助けて」
リリィ「それは……無理かな…」
イロハ「はぁ………殺したい」
対策法が思い付かず、机に伏せる。机の冷たさが程好く、落ち着く。
「あー、今日は使い魔召喚があるから、時間に遅れないようにしろよ、糞ども」
生徒「「「はーい…」」」
うちのクラスの担任であるクロト・シルバーは口は悪いが根っこの部分は人が良いので、かなり人気がある。私のことも普通に人として見てくれているので好きだ。
クロト「返事はいいが…面倒事は勘弁してくれよ…」
そう言って教室を出ていく。私も、それは思う。変な面倒事は勘弁してほしい。
使い魔召喚は別の場所なので、移動する必要がある。席を立ち、リリィと共にアリーナに向かう。愚者が何か言っていたが気にしない。相手にしたくないから。
廊下を歩きながらリリィと使い魔について話す。
リリィ「使い魔かぁ……一体どんなのがでるかな…」
イロハ「面倒なやつじゃなければいい」
面倒なやつが使い魔になったら困る。そこが一番重要だと思う
リリィと話しているうちにアリーナに着いた。アリーナは闘技場も兼ねているため、床が更地になっている。召喚の魔方陣は専用の場所が設けられている。
クロト「やはりタチバナとウォルスが一番乗りか」
リリィ「遅刻するよりましですからね~」
イロハ「遅刻はしたくない」
暇だから先生の呟きに答える。実際、時間までまだまだある。愚者たちの相手をしたくないから早いうちに移動するから時間が余ってしまう。
イロハ「そういえば、先生の使い魔ってなんですか?」
クロト「俺のか?カラミティだ。名前はオルガにしている」
イロハ「カラミティ……暴れ砲台?」
『カラミティ』は別名『暴れ砲台』と呼ばれている。また、肩口から伸びている四つの砲台のようなものもついている。その砲台には、各属性の小さい砲弾がある。しかもその砲弾を撃つことが出来き破壊困難である。
クロト「ああ、それだ」
イロハ「…見てみたい」
リリィ「私も見てみたいです!」
クロト「他の奴らが来たときに説明するからその時にな」
今見れないのは残念だけど、後で見せてもらえるなら良しとしよう。