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儀式Ⅲ

学校に着き、教室に向かう。周りからチラチラと視線が突き刺さる。いつものことだから気にしない。

リリィとの談笑(主にリリィが喋り、私は聞き役)しながら教室に入る。その途端、教室内が静かになった。そして、私の方を見ながらひそひそ話を始める。



「また来たよ……鬼人が」

「何で来てんだろうな…

「自分が異端だって気づいてないんじゃね?」

「それ最悪~」

「ウォルスも何で鬼人と仲良くしてんだろ……」


『鬼人』

私に付けられた渾名。鬼に現れるが茶髪は鬼族である『鬼人』が持つと言われている。

詳細は不明だが、『鬼人』は大昔、人間と戦争を起こして人類のおよそ9割までが亡くなったらしい。それからというもの、人類は『鬼人』を敵対視している

こんなことから、私は周りから浮くことになっている。髪を切ろうと思っても、美容院が引き受けてくれない。困ったもんだ…

席に着こうとしたとき、もう一つの浮く原因がやってきた。



「あ、タチバナさん、おはよう!」

イロハ「………」


やってきたのは、誰が見てもイケメンだと分かる男であり、周りには多くの女子が群がっていた。確か、1週間ほど前に召喚された勇者で…名前は……なんだっけ?



イロハ「…誰?」

「ええぇっ!?僕の名前は樟葉神クズハシンだよ、忘れないでよ…」


ふーん……どうでもいいや


正直、私はこの男が糞ほど嫌いだ。彼は私に馴れ馴れしく話し掛けてくる。本人は孤立している私に『話をする楽しみを知ってもらいたい』なんていう恩着せがましい考えで動いているのだろう。あぁ殺したい


クズハ「ねぇタチバナさん。今日の放課後、暇かな?良かったら一緒に出掛けない?」

イロハ「………」フイッ


これだ。この男は事あるごとに私を誘う。改めて思う。非常に鬱陶しい。また、この誘いに乗る機はさらさらないので、そっぽを向いてシカトする。


「ちょっと貴女!クズハ様が話し掛けてくださっているのに、何故無視なさるのですか!?」

「そうよ!何でアンタはシンを無視するのよ!?」


無視をしたら取り巻きの二人が噛み付いてきた。うわ、面倒なことになった……


イロハ「…別に。私は行かない。行きたければ勝手に行けば?」

「あ、貴女ねぇ!」

クズハ「お、落ち着いて!きっとタチバナさんにも予定があるんだよ」



ちょうど担任が来たので、彼らも席に戻っていく。愚者君(名前?忘れた)は教室の真ん中で、その周りを女子が囲んでいる。


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