迷い少女が登場
「あのさぁ。ちょっといいか?」
カズト「ん?なにか用か?可哀想な子よ。」
「可哀想って言うな!!オレには黒木場理科って名前があんだ!!」
俺がそう言ったのに対し、トリップっ子、理科はそう言う。
っていうかこの子、オレっ娘だったのね。
カズト「で、なにか用か?黒木場さん。」
リカ「理科でいい。んとな。ここってもしかして地球じゃないのか?」
え?なにその今更な質問?
カズト「……まさか、今、気付いたのか?」
リカ「え!?じゃあ、ここってつまり“異世界”ってやつですか!!」
カズト「まぁ、俺やおまえからすれば、そうなるな。」
リカ「マジかぁ~~~」ガクッ
ここが“異世界”だとわかった途端、理科はわかりやすいようにorzの状態になる。
っていうかマジでさっきまで気付いてなかったのかよ目の前に生け贄商人が居ればすぐに気づくかと思ったが…意外に馬鹿かな
リカ「ここが“異世界”っていうことはアレですか?オレ、知らない内に死んじゃって、“異世界”に転生したってこと?それならせめて何か能力を・・・」
カズト「いや。正確に言えばおまえ、死んだ訳じゃないからな?あと、能力なら多分ある程度はもう貰っていると思うぞ?」
orzの状態で何かぶつぶつと言っている理科に対し、僕はとりあえずそう言う。
リカ「え?オレ、死んではいないの?」
カズト「あぁ。おまえの場合は転生じゃなくてトリップ。つまりただ飛んできちゃったんだよ。まぁ、原因はこっちの世界の世界神クラウスのミスなんだけど。」
リカ「よし。今すぐそのクラウスを連れてこい。ポッコポコにしてやる☆」
カズト「ここを潰したら一緒に潰しに行ってやるから我慢しろ。」
リカ「で、オレはもう能力を貰っているってマジですか?」
カズト「マジだ。現におまえはさっき自力で魔力封じの枷をブッ壊しただろうが。」
どう考えたってトリップする際の世界からの影響を受けてるだろ。
「あぁ~~~」
シェリカ「カズト……」
カズト「ん?なに?シェリカ。」
シェリカ「ほとんどの……人が無事……逃げたよ」
そう言うシェリカの近くには金髪と青髪の女の子しかおらず、後はほぼ全員、瞬◯の炎で逃がした。逃げなかったのは帰る場所がなかったからだ。
カズト「ご苦労さん。とりあえずシェリカも早く逃げて。」
シェリカ「?手伝うよ……?」
カズト「大丈夫だ。ここは危ない……俺に任せて、ほら。寮のシェリカの部屋へ。」
首を傾げながらそう言うシェリカに対し、俺はそう言いながら、寮のシェリカの部屋と地下牢屋を思い浮かべさせ、シェリカをほぼ無理やり部屋へ瞬◯の炎で転移させた。




