魔人将
奥の部屋に進もうとした時、洞窟内が震える。奥からオーガが姿を表した。
「雑魚どもが静かだと思うたら人間…お前がやったのか」
3mある巨体に剣を片手で携えているやつがそう言った。
カズト「そうだが…なにか問題あるか?」
「別に雑魚をどう扱おうが問題ではない…が貴様のせいで数が減ってしまった。その責任は取ってもらう」
カズト「あいにく俺は苛ついていてなさっさと済まそう」
椿を構え戦闘体勢に入る。カズトはオーガに一気に近づき椿を振るう。オーガはそれに反応し、大きな剣で防ぐ。カズトはオーガから一旦距離を離れる。
カズト「驚いたなまさか反応するとは」
「そんな攻撃が通用すると思うておるのか…見くびるなよ!私は魔王様の魔人将の1人ぞ。」
魔人将とは魔王直轄9人の1人…戦闘能力がずば抜けて高く1人で5000人を葬る事ができる。
カズト「へぇ」
「貴様の攻撃など通用せん…
魔王の根源たる我に力を
闇に潜む大炎
影に眩む小雷
量より質…質より量
敵を撃ち燃やせ
炎雷留弾
」
火の流星群がカズトに襲いかかってきた。カズトはそれに動じない。椿を鞘に納め構える。
カズト「神風抜刀術……隼」
目の前に迫る流星群が消え去った。隼は意識を刀に集中させることにより、すべての攻撃を断ち切る神速の抜刀術である。しかしデメリットはある。が神らとの修行により克服した。
「ば、馬鹿な」
オーガの右腕も切り落とし、驚きよろめいた。
「こんな、人間に我が、殺られるなど、あってたまるか!」
片手に持っている剣を振り上げるが、カズトは次の体勢に入っていた。
カズト「終わりだ
神風剣術奥義…百花旋乱」
鞘に納めている椿を高速に抜きオーガを細切れにする。オーガは最後まで何をされたのかわからず死んでしまった。カズトは黙祷し、浄化の炎を灯し、ここで死んだ人たちを天へ導いていった。
作業を終えると目標を達成したのでギルドに報告しに空間の炎を灯し、帰還した。
誰も居なくなった遺跡内で一部始終を見ていた奴が現れた。
「あれがカズト・フィアンマやね…あの神さんが要注意っていってはったねぇオーガを使いこの戦いをみとったけどまぁまぁやね…さぁて次はなにしょっとかね」
緑の髪にシルクハットの帽子を被り、狐の目をしたコードネーム「ハザマ」が呟いた。そして消え去った。
カズトは気配に気づいてはいたが気に止めなかった為放置していた。この行為が後に悲劇を生むことになるとは知らずに……




