儀式
ーーーーアルカディア王国ーーーー
~???side~
AM7:00
「……………」ムクッ
朝日がカーテンの隙間から射し、その眩しさに目が覚める。のっそり体を起こしてカーテンを開ける。
天気は快晴。水路の多いこの町では雨の日が多いが、今日はその心配はなさそうだ。
薄手のカーテンを閉め、真新しい制服に着替える。『国立アルカディア魔術学園』に入学してから一月が経つが、私はいまだ、環境に慣れていない。『慣れる』ことが出来ない理由があるからだ。
着替え終え、寝癖のついた長い髪を解かす。別に伸ばしている訳ではない。切ろうに切れないからだ。
歯磨きもすませ、鞄を手にする。料理をしない私は、近くにある商店でご飯を買い求めている。
戸締まりをし、寮を出る。そして学校に行く前に商店で朝食と昼食を買いに行く。帰りにも夕食を買いに寄っている。
おばちゃん「あら、おはよう、お嬢ちゃん」
「…いつもの、ある?」
おばちゃん「勿論よ、毎日買ってくれてるから、お嬢ちゃん用に用意しているよ」
そう言ってカウンターの中から使い捨ての弁当を出す。私も財布を取り出し、代金を支払う。
おばちゃん「670ミルド丁度ね、毎度ありがとうね~」
「こっちこそ、いつもありがとう」
弁当を持ち、商店を出たところで後ろから抱き着かれた。
「おっはよー、イロハ!」