食事の時間
「ばしゃばしゃ~♪」
その後、各自各々で遊ぼうということになったので俺は泳げないのに現返しにてシアの泳ぎの練習をすることにした
今はゆっくりとシアの手を引きながら後ろに下がり、シアは沈まないようにバタ足を続けている
流石は獣人と言ったところか、シアは運動神経が良く練習を初めてからおよそ30分で手を離しても良さそうなレベルまで上達していた
「よしシア、少し休もうか。」
初めての泳ぎで身体に負担がかかっただろうと判断し、シアを抱き上げて水から上がる。
さて、他の皆は何をしてるのかな?
「おぉ……」
寝てしまったシアをアキに任せ、最初に行ったのはユニ達のところ
3人で仲良く砂遊びをしていた筈、と行ってみると、一瞬唖然としてしまった
「あ!お兄ちゃん!コレ、どうですか?」
俺の存在に気づいたユニが笑顔で作品を指差してそう聞いてくる
「ああ、凄いぞ」
俺は撫でながら作品に目を向ける
すると、そこには砂の俺達の家、つまり砂で出来た炎空宮がそびえ立っていた
何このハイレベルな砂遊び
しかも空が作品の少し上に小さい雲を作って雪を降らせて幻想的な演出まで施している
もう一度言おう、
何このハイレベルな砂遊び
そして時は進み太陽が真上に登ったところでアンさんがBBQを用意してくれたのでビーチで昼食を取ることになった
「死ぬかと思ったよ!!」
「そんなに叫ぶ元気があるなら大丈夫だろ。グレン達を見習え」
先ほどの大津波に巻き込まれたことに優司が猛抗議してきたが、皿に肉と野菜をバランスよく盛り付けながら一蹴する
ちなみにユウヤと同じく津波に巻き込まれたグレン達はというと、
「もがもが!」
「うわっ!この肉うめえ!」
「あ~!それ僕のお肉だよグレイ!」
……といった感じに壮絶な肉争奪戦を繰り広げていた
「まぁまぁカズトの理不尽さは今に始まったことじゃねえだろ?」
なおも食らい付いてくるマリアを皿に肉を大量に乗せたフレイが宥める
そこでようやく釈然としないながらもマリアの怒りは鎮火したようだった
「あれ?どこ行くんだ隼人」
「ん、ちょっと用を足しにな」
俺は呼び止めてきた旬に適当に返し、ビーチの反対側にある森に歩いて行く