暴れようか
【む?主…】
【ああ、わかってる】
しばらくそうやって走っていると近くに数十人の人間の存在を感知した
どうせ盗賊団的な奴らだろ
「そこの馬車!止まれ!」
しばらくそのまま走り続けていると、いかにもな武装集団に取り囲まれた。
止まる筋合いなど無いが一応止まる
「何だ?」
「あれじゃない?盗賊団的なイベント」
「ああ、いつものやつか」
いきなり止まったことを不審に思ったのか後ろに乗っていたメンバーが顔を出してくる
そして俺の背中の幼女達は相変わらずみんなでキャッキャと戯れている
………随分呑気ですね、あなた達
「痛い目に会いたくなけりゃ積み荷を全部置いていきな!!」
武装集団から一人の男が出てきてそう声を上げる
「お頭!荷台に良い女がたくさん居ますぜ!!」
荷台を覗いたのか男の一人がそう叫ぶ。
喋り方にいつの時代の盗賊だよ。と突っ込みそうになったが、そいつの言葉を聞いて踏みとどまる
「ほう……訂正だ、野郎は積み荷と女だけ置いていきな」
そう言う恐らく盗賊団のトップであろう男の目に邪な光が灯る
後ろでは大量のむさい男達が下卑た笑い声を上げる
マリア「あ~…なんだ、お前らこそ痛い目見たくなかったらさっさと帰った方が良いぞ。
まだ命は惜しいだろ?」
俺が殺気だったことに気がついたのか、マリアが気まずそうに頭領に語り掛ける
傍から見ると取り囲まれてる側が取り囲んでいる側を気遣うというなんとも奇妙な光景だ
「うるせぇ!!野郎共!やっちまいな!!先ずは逃げられねえように馬を殺しちまえ!」
マリアの言葉(純粋な厚意)を挑発と受け取ったのか頭領が顔を怒りに染め上げて指示を飛ばす
それにしても俺とジョットを殺すとな?良い度胸だな。
【やれやれ、身の程を知らないゴロツキが俺を殺すとは笑えない冗談だ」
俺は馬から人間に戻り、どこぞの高校生の如く襲い掛かってきた3人の男の一人の頭を左手で掴み、地面に埋め込む。
そして右手でもう一人の顔面を掴んで最後の一人に向けてバットのようにフルスイング。
そして二人は飛んでいき、地面に墜落して気を失う
俺はそれを見届けると呆然としている残りの男達に目を向け、
「全員土下座」