夏休み～In Gulen'ｓ Villa
「よし！準備出来たか～？」
寮の部屋にて大きなカバンを担ぎそう声をあげる
思わぬ強者との遭遇というイベントがあった大会から３日程経ち、
擬似的なものとはいえ深刻なダメージを受けたグレンもクウリの手厚い看護の下、すっかり回復したので予定通りグレンの、というよりファフール家の別荘に行くことになった
ジョット「待たせたな！」
アキ「お待たせしました、カズト様」
そう言って声をかけてきたのは人化したアキとジョットだ。
普段は片や白いレディーススーツ、片やメイド服という決まった服装だが、今回はアキは白いシャツにホットパンツ、ジョットは黒の執事服と暖な服装だ
ユニ「お兄ちゃん！準備完了です♪」
シア「パパ♪」
二人としばらく雑談していると、可愛らしい声達が聞こえてきた
そちらを向くと、ユニと言ったらコレ！といった白いワンピースを着て満開の花のような笑顔でユニが我が家の最高の癒しを連れてきた
「おぉ！皆似合ってるじゃないか！」
そう言って駆け寄ってきた2人をしゃがんで抱き留める
ああ……幸せだ……
アキ「凄い笑顔だね……」
「よし！それじゃあ行こうか！【転移】！！」
俺は全員を巻き込んで転移を発動する。
「おわぁ！！」
俺達は集合場所となっていたミルフィオーレ魔術学園の校門前に転移で現れた
カズト「ようグレン、すっかり元気になったみたいでよかったじゃないか。」
「今のお前の攻撃でまた寝込むところだったけどな……！」
グレンの言葉の理由は簡単。
俺が転移の炎で現れるときにわざとグレンの頭上に現れ、グレンの脳天にエルボーを打ち込んだだけだ
そこそこ強めに打ち込んだのにコブが出来ただけとは、ギャグキャラ補正は健在みたいだな。
いや、よかったよかった、グレンからギャグキャラ補正が消えたら只のバカでしかないからな
……それにしても転移をミスるって意外と難しいんだな。
よく勇者(笑)はああも器用に女子の上に転移を失敗出来るよな、ある意味尊敬するよ。
見習おうとは一ピコたりとも思わんが
あ、もちろん他の皆はは全員予定通りの座標に一ナノメートルたりともずらさずに転移させたぞ。
転移を俺がミスるわけが無いだろ？
……ジョットは既に来ていたフレイの上に落としたけど、綺麗にフレイの頭に踵落としを決めていたし着地は問題無いだろう
フレイ「アホか！頭が割れるかと思ったわ」
カズト「咄嗟に炭素魔法を使わなかったお前が悪い。
大体ギャグキャラがギャグパートで怪我なんかするわけ無いだろう」
フレイ「なんだろう腹立つことを言われてんのに納得してしまう俺がいる」
ギャグキャラの宿命だ、諦めろ
