巻き込まれと草役
「試合開始!!」
時は少し飛び準決勝、俺達は三人の人間と対峙している
シン「何してんだよカズト」
「あ、バレたか」
シン「雷にドラゴンフィッ〇ュブローを使ってバレないとでも?」
三人のうちで勇者の男…シンがそう言ってくる
てかこいつらも出てたのか、全然目立ってなかったから気づかなかった
カズト「まあ、バレても一向に構わんのだが。
俺は総帝とやらの正体が気になるだけだし」
マリア「はぁ……よりにもよってコイツと当たるとは………」
カズト「お前は次に「不幸だ……」と言う!」
マリア「不幸だ……ハッ!?」
ユウヤ「何遊んでんだよ」
「「サーセン」」
ユウヤに怒られたので真面目にやろう
カズト「そんな訳でお前らの相手は俺達だ。賞金が欲しければまず俺達を倒すんだな」
マリア「どう考えても無理ゲーな件について」
そう言って俺はボックスから二本の剣を取り出し構える
「エリュ〇データにダークリパ〇サーかよ」
カズト「残念、見た目はそうだけど違う。
エリュシ〇ータの方は死炎タナトス、ダーク〇パルサーの方は凍炎ルーって銘だ。
効果は……戦ってりゃ解るか」
そうです、鍛冶の炎により造られたメイドイン俺のチート武器です
「銘を聞いて嫌な予感しかしないんだが」
そう言いつつもシンも2本の刀を構える
見るとユウヤとマリア、それにリカも身構えている
カズト「リカ、巻き込まれ二人を任せても?」
リカ「任せろww」
「お願いする。それと、アキ、来てくれ」
俺は神狐のアキを召喚する
【お呼びですか?カズトくん】
すると、巨大な金色の狐の姿でアキが現れた
「スマンがリカの援護に入ってくれ。
流石に勇者の巻き込まれ二人を相手してくれ。あれでは大変だろ」
【了解です】
そして戦闘が始まった
マリアSide
「では、簡単には落ちるなよww」
そう言ってリカは長剣を召喚する
はぁ、あいつらは基本的に人外ばかりだし本当にこういうときは鬱になる
「行こう、ユウヤ」
「はいはい……」
ユウヤが真っ赤な鎌を取り出して構えたのを見て、俺もジャッチエンドを右手に召喚して、増殖させ左手にも構える。
「【火炎散弾】」
俺はリカに向けて銃口を突き出し、ジャッチエンドに紅い弾を装填する
すると、ジャッチエンドから弾が放射状に放たれた
「《白翼一式 千羽刃》」
リカは向かってくる弾に向けて前の試合で見せた千枚の斬撃の羽を放つ
「本当に嫌になるな……」
私が放った弾はリカの斬撃に散らされてしまった
ユウヤ「【マジック・パーティー】!!」
だがユウヤが間髪を入れず様々な属性の魔法を纏った鎌を振って、残撃を大量に放ち、弾幕をつくる
「あら~www」
長剣を振り下ろした体勢で回避行動が取れないリカは少しも焦った様子もなく弾幕を見据える
アキ【虚実魔法『私達には魔法は当たりません』】
ユウヤ「うっそぉ……」
マリア「まじか……」
しかし、当たるかに思われた魔法は後ろのアキがそう言った瞬間二人の体をすり抜け、闘技場の壁に直撃した
確かアキの能力って現実と嘘を入れ換える能力だったっけ?
勝ち目無ねぇ……
「なぁマリア」
「わかってる、俺も思った」
『勝てる気がしねぇ……』
マリアと顔を見合わせて苦笑いする
本当に勝てる気がしない
リカ「《白翼二式 両翼》」
リカがレイピアを二回振り抜くと、さっきの倍程の量の羽が襲ってきた
マリア「わわっ!【破壊の城壁】!」
ユウヤ「【血之花弁】!!」
俺達は慌てて血魔法と破壊魔法を自分達を中心に展開し、羽を散らす
それでも飛ばし切れずに時々羽が侵入してきて私達の体を浅く切り付ける
「ユウヤ!」
「わかった!」
ユウヤが言わんとしたことを把握して、マリアと武器を構え、魔力を練りはじめる
「「吹き飛べ!【壊血竜巻】!!!」」
そして二人で練り上げた魔力を合成し、巨大な分解作用を持った竜巻を作り出す。
その竜巻の所為で不死結界の天井とその上空の雲を消し飛ばしちゃったけどしょうがないよね
【竜巻は起こりませんでした】
「「……は?」」
アキの声が聞こえてきた瞬間、私達を守っていた竜巻が跡形もなく消えてしまった
見ると消し飛ばした筈の結界の天井と雲が綺麗に戻っている
まるで竜巻が元より起こらなかったかのようだ
「でぇ?どうするwww?」
気づいたらリカが私達に目の前で剣を突き付けていた
「「……降参です」」
俺達はそう言うしかなかった
結論、人外は二人以上揃うと神でも手がつけられない