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「なっ!?」


グレンの火炎車は黒ローブに直撃する瞬間、黒ローブの右手に風死を掴まれることによって容易く止められてしまった

グレンは空中で黒ローブに風死を振り下ろした状態でピタリと静止している


『なんと!総帝がグレン選手の会心の一撃を片腕で止めてしまったぁ!!』


『すごい体勢だね♪』


「ガハッ!」


黒ローブは風死ごとグレンを地面に叩きつける



「ゲホッ!ゴホッ!」


背中を打ち付けたのかグレンは何度も咳き込む


グレン「チッ、流石に俺一人じゃあキツいか。……来てくれ!クウリ!」


グレンがそう叫ぶと、空中に巨大な魔法陣が出現し、その中から漆黒の鱗と甲殻を持つ巨大なドラゴンが出現した


【グルアァァァァァァァァァァァァ!!!!!】


闘技場に巨竜の咆哮が響く


『で、デカい!グレン選手が召喚したのは巨大なドラゴンです!咆哮だけで闘技場内の結界がビリビリと震えています!!』


『遂に出したね、グレン君の使い魔、風竜王クウリ』


【どうした、主】


グレン「よ、ちょっと手伝ってくれ。

今あいつと戦ってるんだよ」


【了解した】


そう短く会話を躱して一人と一匹は戦闘体勢に入る

黒ローブは相変わらず悠然とたたずんでいる



【グアァァァ!!】


クウリは上空に飛び上がり、空から巨大な風の玉を数発落とす

風の玉は地面に着弾し、砂煙を巻き上げ、黒ローブの視界を封じる


【グルッ!】


そしてクウリは黒ローブに木の幹ほどの太さがありそうな尻尾を叩きつける


「【闇砲ダークネスレイ】」


【何っ!?】


だが黒ローブはその尻尾を躱し、黒い光線を放つ


「ふっ!!」


その隙をついてグレンは背後から黒ローブに斬り掛かる


「【ヒートウィップ】【フェザーバインド】」




だが黒ローブは二つ魔法を発動し、炎の鞭でグレンの槍を持つ手を叩き、風死を落とさせ、風拘束魔法でグレンを縛り上げる


【主!!】


クウリの焦ったような声が響く

そして黒ローブはグレンの頭を手で掴む


「鳴り響くは魂の叫び、彼の者に刻まれし痛みの記憶を呼び覚まさん、【記憶之痛ペイン・メモリーズみ】」


「…ぐ、ぐあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


黒ローブが唱えた瞬間グレンは体を痙攣させ、断末魔の叫びを上げた


【主!!!」


クウリが俺達と同じ年齢位の緑髪赤目の少女へと姿を変えてグレンの元へ駆け寄る

何気にクウリの人化は初めて見たな

黒ローブはそんな二人を一瞥して背をむけ、出口の方へ歩きだした

「貴様…主に何をしたァ!!」



竜眼クウリアイで黒ローブを睨み付け、グレンを抱き締めながら炎を放つクウリ


「【テイクオーバー】」


しかし黒ローブは全く意に介さず炎を吸収する


「……【ペイン・メモリーズ】は対象が今まで生きてきた中で受けた痛みを全て再現する意識魔法、直接的なダメージは無いから安心するといい」


黒ローブが初めて長い文をしゃべった。声からして女性だろうか?

クウリはグレンをぎゅっと抱き締めながら黒ローブを睨み付ける


「……信用して良いんだな?」


「……好きにすると良い」


黒ローブはそう言い残し出口の方へ歩いていった




「ハッ!?グレン選手戦闘不能!総帝の勝ち!!」


置いてきぼりを食らって呆然としていた審判がようやく正気に戻り、宣言した

さて、


<クウリ>


俺は未だに闘技場でグレンを抱き締めているクウリに念話を送る


<その声は…大炎神様!?>


<いきなりだがこれから送るペンダントを身に付けろ。

主人からの魔力供給をストップさせ、代わりに大気中の魔力を吸収できるようにしてある>


そう言ってクウリの手元に一つのペンダントを転移させる


<…なぜこれを私に?>


<グレンが目を覚ますまで付いていてやってくれ。


そのペンダントはお前にやるから>


<……ありがとうございます>


さて、俺も次勝てば決勝か、気合い入れてくか


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