初戦
『次は執行人、草姫ペア対アルカディア学園高等部2年Bクラス代表チームの試合です』
ネル実況のアナウンスに従い闘技場に降りると戦闘服を纏った5人の学生がいた
「人数はどうします?」
審判がそう聞いて来るので必要ないとだけ返す
『では!試合開始!』
するとネル実況の声が響き試合が始まった
<どうする?>
<そうだな、俺が相手するぜ>
<了解>
念話でリカと相談し、俺はリカの隣から一歩後ろに下がる
『おおっと!執行人が一歩下がったぞ?
もしや5人を草姫一人で相手するつもりか?』
「【フレアバースト】!」
「【アクアジャベリン】!」
「【ガイアランス】!」
「【アイスメテオ】!」
「【ライトニングシャワー】!」
その態度が気に食わなかったのか棒立ちのリカに大量の魔法が襲い掛かる
「………」
しかしリカは慌てることもなく魔法の数々が飛んでくる方向……つまり魔法を放った学生達に向けて悠然と歩き出し、
その場から消えた
「「「「「うっ……」」」」」
そして次の瞬間5人の学生達は一斉に意識を失い、前のめりに倒れてきた
リカはその後ろにたたずんでいる
さすがに頭から倒れるのは危険なので風のクッションを作り受けとめたが
『え……あ、し、試合終了~!なんと!試合開始から30秒と経たず5人のチームが全滅したぁぁぁ!!』
『……今のは凄いね、姿を消してから次に姿を現すまでの1秒にも満たない時間で5人全員の急所を的確について終了。
素晴らしい速度だ』
「お疲れ」
「いえ~、それにしても優秀だな。一人反応しか俺の攻撃を防いでいなかったぞ」
リカの言葉を聞いて少なからず驚いた
スピードならイロハと並んでトップを争うほどなのに普通の学生が反応できるとは思わなかった。
まぁ手加減してもそれなりだからな。