トーナメント前
クリス「え?カズトくんの偽物ですか~?」
カズト「そうなんですよ、これ見てください」
あのあと直ぐにギルド「夜桜」に行き、最強決定戦についてクリスに訊ねてみた
クリス「うーん、最強決定戦自体はかなり昔からある一種のお祭りですけど、帝が帝として出るというのは聞いた事がありませんね~。
というか「帝は参加しない」という不文律まであるくらいですから~。
まあ一般の人に紛れて参加する帝もいるみたいですけど~」
カズト「はあ……ちなみに今回は誰か参加する人なんかいるんですか?」
「え~と、確か炎帝と雷帝と闇帝の三人は素顔を出してチームで参加するらしいですよ~」
あの騒動後にクリスは炎帝から退いて兄であるヒート・ハイトを指名した。
その炎帝と水帝のオッサンはともかく闇帝兄さんまで出るとは思わなかったな
闇帝は基本的に一歩引いたところにいる感じだったがこんな行事に参加するとは
クリス「闇帝は娘の入学金を手に入れたいそうですよ」
カズト「なるほど、そういえばそろそろ娘さんが学園入学の年頃でしたか」
なら入学祝いに何か用意しておこうかな
……というか最近ナチュラルに心を読まれることに慣れてきた自分がいる
クリス「それで、カズトくんは偽物さんが気になるんでしょう?」
カズト「ハハ、まあ正直」
確かにわざわざ帝最強と言われている俺の名前を語るくらいだしどの程度の実力があるのか気になる
クリス「なら出てみませんか?カズトくんも正体を隠して」
カズト「それって?」
クリス「簡単ですよ。二つ名で選手登録して顔を隠して出場すれば良いんです」
なるほど、確かに簡単だな
「……でも俺二つ名は持ってませんよ?」
二つ名はSSからしかもてないし、ダミーのほうはSランクだし
クリス「なら作ればいいじゃないですか。ちょうどそろそろダミーのほうのランクを上げようと思ってましたし。ダミーを貸してください」
「あ、はい」
マスターに言われてダミーカードを渡した
「はい!できましたよ。炎を流してください。」
マスターは何かの機械にカードを差し込みしばらく操作すると、まだ何も書かれていない銀色のカードを差し出してきた
「ありがとうございます」
そう言ってカードを受け取り魔力を流す
すると、カードに文字が浮かび上がってきた
「…ランクSSS、《執行人》?」
浮かび上がった文字を見ると随分物騒な二つ名が付いていた
まあ一応神名上は間違いじゃないが。むしろピッタリか
「ありがとうございます、マスター」
「いえ~。あ、そうです。代わりにと言ってはなんですがこの大会ペアやグループでの参加もできるんですよ」
「ああ、そういえばさっきオッサン達もグループで出るとか言ってましたね」
風帝はいい意味で金目当てだろうがオッサン二人は多分戦いに参加したかっただけだろうな。どっちも脳筋だし
「なら、俺がいるじゃねぇかww!」
「はい!?」
天井からリカがシュタっと降りてきた。
びっくりしたマスターは腰を抜かした。
カズト「何でお前がいる?」
リカ「お前があるところに俺がいるってねww。困ってるんだろ俺も出てやろうじゃねぇかww」
カズト「まぁいいけども」
リカ「よっしゃー」
こうしてリカとペアを組むことになった。