夏休み前
『え~、夏休みと言っても当校の生徒という自覚を持って節度ある生活を………』
無事にテストも終わり、只今ミルフィオーレ学園では一学期終業式が執り行われている
ちなみに今壇上で話をしているのは教頭先生だ。
そしてこのフレーズを話すのは既に3ループ目に突入している
リカ「あ~……話なげ~……教頭の野郎残り少ない希望を焼き尽くしてやろうかな……」
カズト「おいバカやめろ」
グレイ「焼くだけじゃ足んねえだろ、氷漬けにしてやるよ」
グレンの親友の氷貴族がそう言った。
フレイ「それでは僕は水で窒息させて……」
カズト「止めんかバカども!」
猫になりイロハの頭からマジで手に魔力を集め出した物騒なバカどもの頭の上に氷の塊を作り出して落として正気に戻す
「って~……何で止めんだよカズト~!」
カズト「アホか!止めるに決まってんだろ!いくら暑い中でも頭が涼しくなってきて最近育毛剤を使いはじめたが効果が全く現われずに疑心暗鬼に陥ってる教頭の話が長いからと言っても教師に魔法は向けるな!」
全く、仮にも貴族なんだからもう少し自覚を持って生活して欲しいよ
『こ…これで話を終わります……』
あり?何故か教頭の声が震えてたぞ?何かあったのかね?
『プッ…クク…つ、次は学園長のお話です。学園長お願いします』
司会進行の先輩も何か笑ってるし
『ハ~イ♪いや~さっきの教頭の話は長かったね♪お疲れさま!そしてカズト君、GJ♪
さて、教頭がベラベラと余計な事まで喋ってくれたしこんな暑い中での無意味な式典なんか早く終わらせたいよね?
という訳で、これで一学期終業式を終わります♪楽しい楽しい夏休み!大いに学んで大いに遊ぶんだよ!!そしてまた二学期に笑顔で会おう!
では、解散♪』
『『『『うおぉぉぉぉ!!!』』』』
こうして長い休みが始まった
「さて、夏休みだな。グレンもなんとか赤点は免れたしゆっくりできそうじゃないか」
「おう!そういえば別荘に行くって話があったよな?」
終業式が終わり、いつもの大所帯で帰っていると、そんな会話になった
「ああ、そういえば夏休み中はグレンの別荘に行ってからの実家に行くんだっけ」
そういえばミキの家にはまだ挨拶は行ってなかったな、一応手紙で報告はしたがその時は何故か返事の手紙に達筆で「旅行金」と日本語で書かれた封筒が送られてきたな。もちろん中身は丁重に返したが
それはそうとミキとは今年より転入した和国からの編入生である。なんやかんやあり仲良くなって和国に変えるついでに案内してもらう手筈となっている。
「でさ~、別荘に行くのは一週間後にしないか?」
「?まあ準備がゆっくり出来るのは嬉しいが何でだ?」
「いやぁ、これ見てくれよ」
そう言ってグレンは一枚のチラシを見せてくる
「……『集え腕自慢!アルカディア王国最強決定戦!』?」
「これがどうかしたのか?」
横から覗きこんできたマリアがグレンにそう訪ねる
「その大会が3日後に行われるんだよ!それに参加してみようと思ってさ!
それにほら!去年頃にずっと欠番だった総帝が参加するってんだろ?戦ってみたいじゃねえか!」
「総帝が?」
え、なにそれ聞いてない
てかグレン達は俺が総帝なの知らないんだっけ
イロハ「(カズト、出るの?)」
「(いや、そんな予定は無いが……)」
「(じゃあ誰かが総帝を語って参加したの?そんなことをしたら即牢獄行きだ。)」
「で!カズトも出るんだよな?」
「いや、出ないけど……」
「え~!なんでだよ!じゃあイロハ達は!?」
イリヤ「私達も出ませんよ。イロハが出ないなら参加する意味もありませんし」
「……ふーん、優勝賞金が金板10枚か……カズト達が出ないなら出ようかな……」
チラシを見ながら旬がそう呟く
確かにお前には家計を握られている嫁が居るからな
「まあ、頑張れ。応援くらいは行ってやる」
「おう!」
にしても俺の偽物ねぇ……ちょっと気になるな