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勝利と処理

地下へ降りてみると、そこには大きなベッドで横になっている、金髪のロングヘアーに銀の瞳をした少女がいた。

「まさかの汚物(皇帝)を倒した後に美少女発見www」

少女の姿を見た途端、リカが笑いながらそう言う。

まぁ、確かに美少女ではあるが、なんていうか誰かに似ている・・・なんか暗いものを抱えてそうな・・・

「・・・誰?」

俺がそう思っているなか、謎の少女がそう尋ねてきた・

ある程度ことの顛末を話した後、詳しい話を聞いてみたところ、第一皇女、アセイラム・ノア・アドラ(名前は教えて貰った)は元々は先代皇帝と皇妃の間に生まれた子で、本来ならば父の後を継ぐ筈だったのだが、彼女がまだ幼かったのと、当時の大臣だったカチスン(汚物)の卑劣な策によって皇位をカチスン(汚物)に奪われ、彼女自身は第一皇女として、半強制的にカチスン(汚物)の養子にされたらしい。

まさかの正統な皇族じゃなかったよあれ…

「---で、半強制的に養子にされた私はその後、民や他の種族のことを全く考えない汚物のやり方に反発しました。そんな私を疎ましく思った汚物は私に毒を盛り、汚物と愚妹が勝手に召喚した屑に勝手に惚れられた私に嫉妬した愚妹は私に呪いをかけるようになって、今に至るって訳です。」


「・・・なんていうか・・・」

「滅茶苦茶損な役回りだなwwwおまえの人生…」


アセイラムの話を聞いた後、俺たちはそう言う。

確かにリカの言う通り、損な役回りだな。こいつの人生、気持ち悪い汚物に皇位を奪われ、その汚物のやり方に反発したら、毒を盛られ、その汚物が勝手に召喚した公害屑には惚れられ、そのことに嫉妬したビッチ姫からは呪いをかけられって・・・・・・滅茶苦茶損な役回り過ぎじゃね?こいつの人生って・・・

アセイラムの話を聞いた後、改めてそう思いながら、同情した。

アセイラム「で?あなた達がここにいるってことは汚物達が勝手に仕掛けた馬鹿馬鹿しい戦争は汚物達、つまりこの国が負けたってことでしょうが、私はここで殺されるのかしら?それとも捕虜?まぁ、あの汚物と愚妹の毒と呪いでどっちみちもう助からない私にとってはどっちでも良いけど・・・」


自分の身の上話を語った後、アセイラム姫は自嘲の笑みを浮かべながら、そう尋ねてくる。

損な役回りな人生のせいで、若干自棄になっているな。これは・・・でも、まぁ・・・


カズト「悪いが、私達は君を殺す気もなければ、捕虜にする気もない。」

「え?」

カズト「正直な話、私達がここで君を見付けたのはただの偶然だ。そんな私達に君のことをどうこうする気など毛頭ない。」


リカ「っていうかおまえにはしなきゃいけないことがあるんじゃね?www」

俺からの意外な答えに呆気に取られるアセイラムに対し、俺たちはそう言う。


アセイラム「私のやらなきゃいけないこと?」

「そうだ・・・」

こいつのやらなきゃいけないこと・・・それは・・・

カズト「・・・一度壊れてしまったこの国を・・・元に戻すことだ・・・」

首を傾げながら、そう聞き返してきたアセイラムに対し、俺はわりと真剣な表情でそう言った。


アセイラム「この国を・・・元に戻す?・・・私が・・・?」


カズト「そうだ。先程の君の話を聞いてそう思った。民や他の種族のことを想える君なら、この国を元に戻すことができると・・・」


わりと真面目な話で。


アセイラム「・・・あなた達、さっきの私の話を聞いていなかったのですか?今の私の身体はあの汚物と愚妹の毒と呪いでぼろぼろなのよ?そんな私にどうやって、この国を建て直せって言うの!」

カズト「なら、そのぼろぼろな身体を治せば、問題はないな。」

「!?」

自分の言葉を遮りながら、そう言うのに対し、アセイラムは驚きの表情を浮かべた・・

アセイラム「・・・治せるの?・・・この身体・・・」

カズト「あぁ。」

リカ「そんなもんwwwちょちょいのちょいさねwww」スッ


リカは毒を取り除くオプションワークス『毒喰ブラッディイーターの能力を発動させる。アセイラムの頭に手を載せると、身体中を蝕んでいる毒がリカの手に取り込まれてくる。

カズト「先程、君が言っていた屑(貴族Or兵士)達は俺が掃除した。」


「!?」


俺の言ったことに対し、アセイラムは驚きの表情を浮かべる。


カズト「これで君を阻むものがなくなったな。」


そんなアセイラムに対し、俺は優しい笑顔でそう言う。

アセイラム「いくら私の身体が治っても、屑(貴族)達がいなくなっても、結局、この国は戦争で負けてしまった・・・この国はきっとこのまま王国に吸収される・・・だから、もう」


カズト「あぁ、言い忘れていたが、少なくとも、この国は吸収されることはないと思うぞ。」


「!?」


顔を俯かせながら、そう言うアセイラムの言葉を遮りながら、俺はそう言う。

カズト「戦争では負けても、この国が王国に吸収されることのないよう、私から国王に掛け合ってある。」

リカ「まぁ、吸収しない代わりに王国にちょっとだけ有利な貿易を結ばされることになるだろうけどなwww」

なんか驚きの表情を浮かべているアセイラムに対し、俺たちはそう言った

「なんで・・・私にそこまでしてくれるのですか?」


対するアセイラムは首を傾げながら、そう尋ねてくる。

カズト「理由は特にない。強いて言うなら、ただの気まぐれだ。」

リカ「だなwww」

『ですね。』

カズト「では、私達はこれで失礼する。」

リカ「もう奴隷制度なんか作るなよwww」

そう言って、その場を去ろうとする。

アセイラム「待ってください!!せめて名前くらい教えて!!」

が、アセイラムにそう呼び止められてしまった。

「ただのお節介好きの風来坊さ…」


その後、少しだけ話をして・・・


「じゃあ、僕達はこれで・・・」


「良い国にしろよwww」


アセイラム「えぇ。勿論よ。色々と助けてくれたあなた達に恥じないよう、一度壊れてしまったこの国を立派な国に直してみせる・・・その時はまた遊びに来てちょうだいね。風来坊さん」


「フフ・・・その時は近い時であることを願っているよ・・・」


ズバァァァンッ!!クパァ


僕はそう言いながら、空間の炎で王室まで繋げる


「じゃ。」


「サラダバーwww」


そうして俺たちは本当の意味でその場を後にした。

アセイラム「素晴らしい国…か」

「姫~!」

アセイラム「スレイン!」

「生きておられたのですねよかったです」

アセイラム「スレイン一緒にこの国をよくするのを手伝ってくれますか?」

「私は貴方の騎士です。貴方のためなら…どこまでも」






ハザマ「あらら……せっかくおもろくなってきたのに……まぁいいでしよう。これで計画は進む野郎」



アルカディア城、王室・・・


「失礼しまーす。」


「王様。いらっしゃいますかー?www」


“空間の炎”で作ったスキマを通って、王室に来た俺たちはは開口一番にそう言う。


「あぁ、君たちかい。いらっしゃい。」

対する王様は玉座に腰を下ろしたまま、普通にそう対応する。

因みにフェルト姫の仲介のもと王様に正体を明かしているためフレンドリーだ。

「さて、君達がここに来たということは・・・」


カズト「はい。帝国の皇帝の豚っていうか汚物をこの世から消毒した。」

リカ「ついでに帝国をまともな国にしてくれそうな第一皇女を次期皇帝にしてきたぜwww」

カズト「その第一皇女は戦争に反対していたから、向こうの方から白旗を上げると思う。」


意味深な顔でそう言う王様に対し、そう報告する。

あ。言い忘れていましたが今、王室には俺たちと王様の三人しかいない。


「そうか・・・いずれにせよ、これでこの馬鹿げた戦争を終結できる・・・」

カズト「あ。そのことについて一つ、お願いしたいことがある・・・」

「ん?なんだい?」


カズト「今回、戦争を始めた帝国の前皇帝(汚物)は死に、戦争に反対していた第一皇女が次期皇帝になって、白旗を上げることによって、この戦争はこの国の勝利で終わります。その勝利の一番の要因である、前皇帝を倒したことは勇者(笑)であるシンの手柄にしますから、帝国を吸収しないでくれないか」

汚物(前皇帝)を倒したことをシンの手柄にすることを条件に、そう王様にお願いした。シンは嫌がるだろうけど……

「・・・一応理由を教えてもらって良いかい?」


帝国を吸収しないで欲しいというお願いに対し、王様は真剣な表情でそう尋ねてくる。


カズト「理由は特に何も。強いて言うなら、ただの俺達の気まぐれ。」

「気まぐれって・・・まぁ、良いだろう。私達としても、別に帝国を吸収したくて戦った訳じゃないからね・・・その願い事は聞こう・・・しかし、本当に良いのかい?これだけのことをすれば、十分貴族にすることもできるけど・・・」

カズト「別に興味がないので結構…自由に生きていきたい。」

「オレもwww貴族の地位とか別にいらないぜwww」

後日、戦争は『アルカディア王国』の勝利で終結した。

が、負けた『アルドノア帝国』は吸収せず、帝国内で採れる珍しい鉱物や金属を王国に低価格で輸出するということで和解した。

まぁ、そうなるようにお願いしたから、当たり前なんだけど。


因みに、その帝国との戦争での勝利&和解の一番の立役者(に仕立てあげた)であるシンは勇者(笑)として、民に崇められるようになった。まぁシンは不満だっただろうが…

で、今回の戦争でMSを製造していた奴は死んだけど、またどこかで転成者がやらかすかも知れんので分体を各地域に配置させた。転成者の仕業か敵の神か解らんがまた攻めてきたときはどうなるか…





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