初戦闘Ⅰ
しばらくして金髪の坊っちゃんが近寄ってきた
「おい、鬼人!僕と決闘しろ!」
同じ経験があるので大盛り上がりしていたところでそんな言葉が飛んできた。誰よ、人が盛り上がってる時に……
そう思って声がした方を見ると、私が召喚された時に大笑いしやがった貴族がいた。
よくよく見たら〇フォイじゃん!異世界にはやっぱりいるんだねぇ……なんか感激。でもさ、盛り上がってるところに水を差されたから俺もイロハも不機嫌なのよね……
イロハ「…何?」
リリィ「うわ…イロハ、目茶苦茶不機嫌だ……」
〇フォイ「鬼人!この僕、マルフ・ブータンと決闘しろ」
イロハ「……!」クスッ
そしてイロハは名前を覚えていないためにそれに笑った。
顔を真っ赤にして怒鳴った。
狐「よくも僕をバカにしたな……!後悔させてやるっ!!」
瞬く間に結界【Mフィールド】が展開された。【Mフィールド】は俗に言う【不死結界】と同じで致命傷を負っても死なず、解除されたときには完治する。
また、範囲内に対象以外の者がいれば、自動的に結界の外に出される。ここのアリーナ闘技場も兼ねているため、他の生徒は観客席に移動しており、私たちは舞台上に移動させられている。
狐「いでよ、黒騎士!!」
グオォォォッ!!!!
狐の前に召喚されたのは体全体が黒い鱗に覆われ、馬に乗っている
イロハ「じゃ、カズトお願い」
カズト「承知した」
戦闘準備が整った。
クロト《あー、これより、イロハ・タチバナとマルフ・ブータンの決闘を始める。勝者には敗者に対して一回だけ絶対命令権を与える。まったく…面倒事起こしやがって……では、始めっ!!》
おーい、先生。愚痴が混ざってますよ~
なんて思っていたら火蓋が切られた。ギャラリーが歓声を上げ、黒騎士も威嚇してくる。
黒騎士が相手かぁ……どうしよう。どれで倒そうか……あれにするか
と思ったとき黒騎士が放ったであろう何発もの闇球が俺に降り注いだ。