紡ぐ意思
イリヤと別れたカズトたちは、ようやく扉を見つけ潜る。また一本道の通路が出現した。爆音が轟く森の部屋を尻目に前に進む。そして走り出す。きっとイリヤは俺たちと合流すると信じて前を進む。途中でトラップが発動するがそれを突破する。暫く進むと漸く扉が見えた。それを開けるとそこは街が広がっていた。
アルカディア王国よりも遥かに豊かに栄えていた。
「そうこれが滅ぼされる前の私たちの国であった人間を私は許さない。」
見渡すカズトの上から鬼人が降りてきた。
シェリカ「お母さん……」
カズト「やはり……あいつは見ているな。やりにくそうな相手を差し向けて……」
リカ「いいんだぞシェリカ……俺がやっても」
シェリカ「やる……」
カズト「そうか……無理はするなよ」
シェリカが前に出ると母であるエリカ・ダークの前世『リース』がカズトらに邪魔をさせまいと結界を張る。
カズト「シェリカ……」
シェリカ「見ててカズト……私の戦いを」
カズト「見ている」
決心したシェリカはリースの前に立つ。
リース「見ていろお前らこの娘が死ぬ様を」
シェリカ「簡単には…死なない…」
リース「堕ちろそして廻れ」
武器である三叉槍を用いて地面を突く。大地は崩れ街はくらい闇に落ちる。崩れた瓦礫の上に立つリースと落ちていくカズトたち。
フレイ「落ちる!皆ー」
リカ「なにやってんだよフレイ」
リカがフレイを殴ると正気に戻る。崩れた街は直っていた。フレイたちは幻覚を見せられていた。幻覚に耐性のないフレイは耐えられないだろう。
フレイ「シェリカは!」
カズト「落ち着け……シェリカは見破っている。」
リース「ほう耐えますか」
シェリカ「幻覚の見破りは……何度も……やっている。この程度」
リース「お遊び程度に喜んでは戦場で生きてられないぞ」
左目の魔眼に現れている八の文字が二に変わる。
デメリスが使っていた氷魔法で攻撃を行う。
リース「氷魔法……天雨氷」
氷が雨のように粒となってシェリカを襲う。シェリカは鞄がオプションワークスから札を取り出す。札を空に向けばら蒔く。そして呪文を唱える。
シェリカ「オン・ビシビシ・カラカラ・マコウ・ソワカ」
六芒星が浮かび、氷攻撃を弾く。シェリカはクナイを増殖させ、呪文を唱える。
カズト「あれ教えたのお前か」
リカ「隠密を得意とするなら陰陽道を学ばせる必要があったからな成果がでてるな」
マリア「シェリカの特訓の相手ってまさか」
リカ「そうだ。呼び出したのは平安の世より最強の陰陽師『安倍晴明』だ」
シェリカ「ノウマク・サラバタタギャテイビャク・サラバボッケイビャク・サラバタタラタ・ ウービャクシソウ・センダマカロシャダ・ケンギャキギャキ・サラバビギナン・ウンタラタ・カンマン・クラソワカ」
増殖したクナイに闇と土の混合属性……消却属性にしてリースに攻撃を開始する。リースは三の文字が浮かび召喚獣を呼び寄せ、その攻撃の的とした。四の文字が浮かび三叉槍を構えてシェリカに接近戦で勝負を挑む。シェリカはオプションバックから小刀を取りだし、その攻撃を防ぐ。リースの目が一となり幻覚を見せる。リースは霧となって消え三叉槍だけが残る。反応を辿ると上空から4つの剣をシェリカに向け急降下してくる。魔武器のクナイでその攻撃を防ぐが、力及ばず吹き飛ばされ建物に衝突し瓦礫に埋もれる。かすり傷だが瓦礫から出てきたシェリカはクナイに違和感を感じ視線を落とすと皹が入っていた。