3話 スキル設定
どんなスキルが欲しいか考えてみると、異世界転移で定番の【鑑定】?情報は大事だしね。それからアイテムボックスとかの空間魔法が欲しいかな?・・・こんな事を考えるということは、僕は生前この種の話が好きだったのかもしれない。悩みだすときりがないから、自分がどんな風に生きていきたいのかで決めた方が良いかな?僕があれこれ考えていると、女神様が、
『悩んでいるようですが、私からは最低限のスキルとして、相手の名前やスキル等が分かる【鑑定】、これは強さを数字としては分かりません。体調が常に変化する様に体力等が一定ではないからです。それと会話に不自由しないように【全言語理解】は付与させていただきます。』
と申し出てくれた。なるほど、言葉については意識してなかったな。これについては素直にありがたいと思う。あとは、やはり死にたくないから強さは必要として、自分で努力して強くなって、好きに生きたいから・・・ よし!決めた!
「それでは、魔物を討伐したら魔物の強さに応じてポイントを取得し、そのポイントで新しいスキルを取得するというのは可能ですか?」
と、ダメ元で聞いてみた。すると女神様は、
『その条件ですと、少し制限させていただきます。スキルはLv10が最高となりますが、Lvが上昇するにつれてポイントが多く必要となります。具体的にはLv1のスキル取得に必要なポイントか5であれば、Lv2で10、Lv3で15と加算します。因みにLv5が達人、Lv10まで至る者は極々一部となります。』
と答えてくれた。これなら、最初の方の討伐さえクリアできれば何とかなるな。僕が満足していると、
『それではポイントでスキルを取得する、貴方だけの固有スキル【スキルメニュー】を付与します。それと、最初の魔物の討伐に貴方が苦労しそうなので、遠距離攻撃が可能な風魔法をLv5をつけます。』
・・・さっき、Lv5は達人って女神様は言ってなかった?多少の優遇どころか、かなり甘やかされてる気がする。まあ、貰えるものは貰っておこうかな?その分、頑張ろう!
「はい、それでお願いします。何から何までありがとうございます。」
僕の様子を見て女神様は、
『いえ、このくらいは大丈夫です。それに、最初に申しましたように、まだ貴方の名前や容姿を決めていませんよ?』
既に満足していた僕に、女神様が悪戯っぽく微笑むと、そんなことを言ってきた。確かに忘れていたが、かなり優遇されて申し訳ない気持ちになっていたので、僕は女神に、
「容姿については女神様におまかせします。極端に変でなければ文句は言いません。名前は、記憶が無いとはいえ、日本男児としてシンプルに【ヤマト】でお願いします。」
とお願いしてみた。すると女神様は、
『お名前は【ヤマト】様で、容姿は私にお任せで良いと。』
と言った後、今までで一番の笑顔を見せてくれたかと思うと、
『分かってますよ。いわゆるテンプレの【押すなよ】的な、ふりですよね?分かります!』
ちょっと!?ここにきて、いきなり不安になったんだけど!?女神様って、こんな雰囲気だった?まさか、極端に変な容姿にしないよね!?と、僕が焦っていると、
『それでは行ってらっしゃいませ!』
「ちょっ!?いきなりだな!?人の話を・・・」
僕が最後まで言いきる前に、僕の意識が薄れていくのを感じた。