23話 家名決定、そして増員
宰相のグランドさんに言われていた家名について、いろいろ考えた結果、僕の意見が通った。長く栄えた江戸幕府にあやかり、これをもじって、
江戸幕府→幕府江戸→バクフエド→バクフェード
に決まった。つまり僕の名前は『ヤマト・バクフェード』となる。何となく響きが良い気がする、ただそれだけだ。この家名には、幸せが長く続きますようにという想いを込めたつもりだ。
今、王都の屋敷には僕とルウナ、セシリア、ソフィア、エドワードさん、アンナの6人しかいない。とてもではないが、屋敷の維持管理のため早急に人員を確保する必要がある。やはり奴隷が良いかと思うが、皆でぞろぞろ向かうのもどうかと思ったので僕とセシリアで奴隷商館に向かうことにした。
さすがに王都だけあって、今までで一番大きい館の前に来ている。エドワードさんが言うには、奴隷商が何人かいて、そのうちの一人にヤックさんがいることが分かった。どうせならと、ヤックさんを訪ねたところ僕とセシリアは現在、館の部屋の一室に通されている。しばらく待っているとヤックさんが部屋に入ってきた。
「お待たせして申し訳ありません。先日はお世話になりました、ヤマト子爵様。」
と敬称付きで挨拶された。耳が早いな。何で知ってんの?僕が感心していると、
「商売人は、利益を逃がさないように情報を大事にしますので。しかし、ヤマト様は大成するとは思っていましたが、まさか護衛をしていただいた後、すぐに貴族になられるとはさすがに予想しておりませんでした。さすがヤマト様、いえ、バクフェード様です。」
と言い直す。慣れないのでヤックさんにはヤマトと呼んでくれるようお願いする。今日決めた家名まで知っていることにヤックさんの本気を見た気がする。情報が大事というのは同感だ。僕も情報収集専門の集団を作りたいな!・・・忍者みたいな?いつか結成しよう!
「ヤックさん、先日はお世話になりました。今日は、ある程度まとまった人数の奴隷を紹介して欲しいと思い、こちらにうかがいました。」
紹介して欲しい候補として屋敷の警備に6人、庭の管理と料理人を2人ずつ、メイドに3人ほど必要であることをヤックさんに告げる。それぞれ適したスキルを奴隷に取得してもらうとしても、その役割に適した人材であることにこしたことはないからな。
ヤックさんはまず、男女3人ずつの6人を連れてきた。皆若いが獣人が多い気がする。この6人は同じ村の出身のようだが、魔物に村を滅ぼされたらしい。皆が一緒に買われるならと希望したようだ。簡単に【鑑定】をして性格にも問題なさそうな雰囲気だから購入することにする。詳しいことは、後で皆に自己紹介でもしてもらいながら、まとめて確かめるとしよう。
次にヤックさんが連れてきたのは、30歳代くらいの夫婦と10歳代前半くらいの男女の4人家族だった。この家族は元々農家だったが、不作が続いた上に人に騙され、かなりの借金を押し付けられたようだ。どうしようもなくなり一家で奴隷になったらしいが。重い、話が重いよヤックさん。この一家も素朴というか人が良さそうだもんなぁ。一家の男勢2人に庭の管理、女勢2に料理をしてもらおう。スキルを取得したら屋敷の維持はできるだろうしな。
最後にヤックさんが連れてきたのは、メイド候補の若い女性10人だ。あいにく充分にメイドとしての役割を果たせる人材はいない、とヤックさんに前置きされ、候補となりうる女性を連れてきたらしい。皆、それなりに容姿は整っている。メイドとしての技術はこれから培うことになるが、メイドとして働きたいと希望する者のようだ。この10人の中から3人を選ぶ。選んだ基準は、こっそりとヤックさんに『性格が良い者』から3人を選んでもらった。ヤックさんなら、その辺りも把握していると思ったのでお願いしてみた。
最低限の人材を確保できたが、今後も増員することになりそうなので、今後の参考に、他の奴隷を見せてもらうことになった。
ヤックさんに紹介してもらわなかった中で、3人と1人に僕は目をつけた。この4人は、ソフィアと同じで体の欠損等で奴隷としてはお薦めできないからと最初から除外されたようだ。3人組の方は、男2人と女1人のパーティーで元々冒険者だったようだ。いずれも若いし以前から僕が考えていた、眷族が別動隊で魔物を倒したらポイントがどうなるかを試してみたいと思ったからだ。もちろん、この3人を助けてあげたいという気持ちもあったけども。
もう1人は高校生くらいの女の子なんだけど銀髪で瞳が赤く、何よりかなりの巨乳でスタイルが良い。加えてかなりの美少女だ・・と思う。この子も顔に火傷があるから治してあげたい。【鑑定】して購入する決意をした。【鑑定】結果がこちら、
【Name】ナツメ
【スキル】危険察知Lv10、隠蔽Lv10
【称号】異世界からの転移者
凄く気になるよね?ヤックさんが言うにはナツメは、言葉を理解しておらず意思の疎通が困難とのこと。僕と違って【全言語理解】が無いもんねぇ。この子に話を聞いてみないと分からないけど、もしかしたら僕と同じかもしれないし、出来れば一緒にパーティーを組みたいな。
結局、ヤックさんの所で購入した奴隷は17人になった。予定より若干増えたが、これからも領地の開発とかで増やす予定だしね。
【Name】ヤマト・バクフェード
【スキル】鑑定Lv10、全言語理解、スキルメニュー、風魔法Lv10、索敵Lv10、生活魔法、空間魔法Lv10、二刀流Lv10、隠蔽Lv10、回復魔法Lv10、眷族化Lv10、危険察知Lv10
【SP】7
【称号】女神の加護
【眷族】セシリア、ソフィア、ルウナ
Name】セシリア
【スキル】剣術Lv10、身体強化Lv10、生活魔法、隠蔽Lv10、危険察知Lv10、全状態異常耐性Lv5
【SP】103
【称号】ヤマトの眷族
【Name】ソフィア
【スキル】精霊術Lv6、精霊眼、生活魔法、隠蔽Lv10
【SP】36
【称号】ヤマトの眷族
【Name】ルウナ・オブ・エストワール
【スキル】生活魔法、回復魔法Lv2
【SP】0
【称号】エストワール王女、ヤマトの眷族
【Name】ナツメ
【スキル】危険察知Lv10、隠蔽Lv10
【SP】0
【称号】異世界からの転移者、ヤマトの眷族




