表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/24

17話 パーティー名、ついでに異名

「よし、ソフィア!最後決めろ!」

「はい!風の精霊よ!」


今僕達は魔物の討伐をしている。明日には護衛依頼を受けて王都に向かう予定であるため、魔物を討伐しながら3人の連携を確認している。ソフィアは若草色のシャツやズボンを身に付けており、その着衣がピッチリとフィットしているのだから体のラインが強調され、目を引き付けられる。簡単に言うととても魅力的である。その肢体を今は胸当て等の装備で覆っているので、幾分は目立たなくなってはいるが。因みにソフィアが装備している胸当ては、僕とセシリアと同じオーガの皮を使ったものだ。武器は弓矢を持っている。今は目の前にいた最後のオークをソフィアの精霊術で貫いたところだ、


「ソフィア、少しは連携ができるようになったな。今日の目標だった、ソフィアの【隠蔽】がLv10にできたし、明日に備えて今日は早めに帰ろうか。セシリアも良いか?」


と、僕が二人に尋ねると、


「はい!」

「分かりました。」


とソフィアとセシリアが、それぞれ返事をした。ソフィアは帰ると聞いて、僕の腕を胸に抱えるように腕を組んできた。その様子を見て、セシリアが、


「ソフィア、ヤマト様が困ってしまいますよ。」と諌めるが、それに対し、


「ヤマト様のロングジャンプで帰るんですよ?ヤマト様に触れておかないと!」


とソフィアが返す。「それは、そうですが。ヤマト様に一言断るべきです。」と注意していた。


「はいはい、それじゃあセシリアも帰るよ?」と僕が言うと「失礼します。」とセシリアが顔を赤くしながら、もう片方の空いている腕を胸に抱えてきた。いや、体のどこかに触れていれば良いのだけれど。まあ良いか。僕達は【エスト】の街の門から少し離れた場所に転移した。


「朝も経験しましたが、ヤマト様の転移はすごいです!こんなことができるのは、国のトップクラスの、魔法に長けた数名でしょうね!」


と尊敬の眼差しをソフィアが僕に向けてきた。「ヤマト様なら当然です。」とセシリアも言ってるし。僕は女神様から貰ったスキルのおかげというのもあって、そこまで自惚れる気はないけどね。門に向かって歩き出すと、未だに両腕がふさかっているのに気づいた。


「二人とも、他の人の目があるから腕を組むのを止めようか?二人とも凄く可愛いから目立つんだよ。」


と二人に言うと、一人は「はい、分かりました。」と答え、もう一人は「人の目が無いところなら良いですね!」と答えた。どちらがどちらの返答かはお分かりだろう。門から街に入り、消耗品を購入して僕達は宿に帰った。


次の日、宿を出る際にローラさんが見送りに出てくれ、


「体に気をつけるんだよ。冒険者は体が資本だからね。」


と言って、大量のお弁当を用意してくれた。僕にはアイテムボックスがあるので、事前にお願いしていたのだ。だいたい朝昼晩の10食ずつ、合計30食分だ。王都まで3日の予定だから、少し余裕を持って多目に作ってもらった。『満腹亭』という宿の名に恥じない、なかなかボリュームのあるお弁当だ。僕はお弁当の代金をローラさんに渡し、お弁当を次々にアイテムボックスに入れた。

「この街に来たら、また寄っておくれ。」とローラさんに見送られ、宿を出発した。


門の前まで来ると、ヤックさんの馬車を見つけた。今回は馬車2台で向かうみたいだ。その馬車の傍らに4名の冒険者らしき男女がいた。そのうちの一人、スキンヘッドで筋骨隆々の20代後半くらいの男が僕に声をかけてきた。


「よう。ヤックさんの護衛依頼を受けた冒険者で良いか?俺はパーティー『鉄の意思』のリーダー、ナックルという。ランクはBだ。よろしく頼む。」


と挨拶してきた。鉄の意思でナックルさんか、鉄拳さんだな。僕は一人で納得しながら、お返しに、


「初めまして。パーティー『撼天動地(かんてんどうち)』のリーダー『ヤマト』と言います。ランクはCです。よろしくお願いします。」


このパーティー名は、僕達のパーティーが3名になったこともあり、マリアさんに『いい加減にパーティー名を決めてください。』と言われたから急遽決めた。『撼天動地』とは、天地を揺るがすほどの活躍、活動のことで、非常に大きな名声という意味だから、僕達の目標には良いだろうと思い決めた。すると、ナックルさんが、


「『撼天動地』というパーティー名は知らないが、ヤマトは『全能』だろう?」


と聞いてきた。ん?どういうこと?僕が首を傾げていると、


「俺が聞いた話だけどな。銀髪の美少年『ヤマト』が、それは美しい奴隷を連れていて、言い寄る男を片っ端から返り討ちにしている。近接戦闘ができて、多様な魔法を使う。金もかなり稼いでいる。容姿、女、強さ、金まで揃っているから出来ねぇことはないってんで『全能』って異名がついているって聞いたぜ?」


・・・僕、『全能』って人、知ってる気がする。心当たりがありすぎる。マジかぁ、知らない間にそんなことになっていたなんて。僕が頭を抱えていると、ソフィアが「はい!その『全能』です!」とか言うし、セシリアはセシリアで「ヤマト様なら当然ですね。」と頷いている。パーティー名を決めたと思ったら、僕の異名まで決まっていたよ。僕は気を取り直して、お互いの自己紹介をした。


ナックルさんが鉄甲を使い、もう一人の髭の男性『カッツ』さんが大剣を使う。この二人が前衛の様だ。金髪の女性『ミリー』さんが回復役でナックルさんと夫婦、茶髪の女性『ナタリア』さんが地魔法を使い、カッツさんと夫婦というバランスの良いパーティーだ。夫婦でパーティーを組んでいるんだな。


僕達が自己紹介を終えると、丁度ヤックさんが来た。ヤックさんは僕達が集まっているのを確認すると、


「遅くなって申し訳ありません。それでは3日の行程ですが、よろしくお願いします。」


と言って、王都へ向けて出発することとなった。


現時点のステータス

【Name】ヤマト

【スキル】鑑定Lv10、全言語理解、スキルメニュー、風魔法Lv10、索敵Lv10、生活魔法、空間魔法Lv10、二刀流Lv10、隠蔽Lv10、回復魔法Lv5、眷族化Lv10、危険察知Lv10

SP(スキルポイント)】87

【称号】女神の加護

【眷族】セシリア、ソフィア


【Name】セシリア

【スキル】剣術Lv10、身体強化Lv10、生活魔法、隠蔽Lv10、危険察知Lv10、全状態異常耐性Lv2

SP(スキルポイント)】103

【称号】ヤマトの眷族


【Name】ソフィア

【スキル】精霊術Lv2、精霊眼、生活魔法、隠蔽Lv10

SP(スキルポイント)】6

【称号】ヤマトの眷族

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ