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16話 奴隷2人目

豪邸と言っても良い大きな建物を見上げ、そのりっばな造りの奴隷商館に感心していると年配の男性が館から出て来て、


「いらっしゃいませ。本日は当館にどのようなご用件で参られたのでしょうか?」


と出迎えてくれた。僕は以前のことや護衛依頼を受けたことを伝え、ヤックさんに挨拶に来たことを説明した。僕とセシリアは応接室に通され、しばらく待ってると、ヤックさんが入ってきた。


「ご無沙汰しております。ヤマトさん、お元気でしたか?セシリアも元気そうで。」


と挨拶をしてきた。僕達もそれぞれ挨拶を返すと、


「それでは明後日からの依頼の件、よろしくお願いします。こちらも、ヤマトさんがおられるなら心強いです。ところで話は変わるのですが、ヤマトさんに折り入ってご相談があるのです。」


とヤックさんが申し出てきた。僕は何だろうと疑問に思ったが、


「何でしょう?僕で良ければ話を聞かせてもらいますが。」


と答えると、ヤックさんは一度頷き、部屋に控えていた従業員に「彼女を連れてきてくれ。」と頼んでいた。しばらくすると、従業員が一人の女性を車椅子の様な物に乗せて連れてきた。その女性は両目に包帯を巻き、顔が分からなかったが腰までの長さの金髪で若いことは分かる。その女性の耳が長かったのでエルフではないかと思ったが、僕のイメージをぶち壊すくらい、胸が大きくスタイルが良い。それもセシリアと同じくらい?エルフって細身じゃないのかな?


ヤックさんは、その女性を示し、


「彼女はソフィアと言い、見てのとおりエルフです。エルフという種族は、見た目の秀麗さから違法な奴隷狩に遭うことがあります。彼女もその被害者で、何とか国の兵士に助けられましたが、視力と右足を失いました。この状態では、誰かの助けが無ければ生きてはいけません。だから彼女は『気の良い人に売られる』ことを条件に、当館に来ました。」


この世界は、日本とは違って命の軽い世界だと思う。魔物もいるし、盗賊や奴隷狩のような無法者もいる。ソフィアのような被害に遭うことは、ほんの一例に過ぎないんだろう。ヤックさんはさらに、


「ヤマトさんなら、彼女を幸せにできると思うのです。今のセシリアを見て、私は確信しております。」


確かに僕は、仲間を増やしたいと思っているが、誰でも良いわけではない。性格がきついとかだったら嫌だろう?とりあえず彼女の治療はしてあげようか。僕はヤックさんに対して、


「分かりました。面倒を見るかは、彼女と話をしてから決めたいと思いますが、治療はさせてもらいます。」


と答えるとヤックさんが了承した。僕がソフィアを引き取らなくとも、治療代は支払うとのこと。僕が彼女に向かって、


【リジェネ】!


と唱えると、セシリアの時と同じようにソフィアが光に包まれた。光がおさまると、右足が完治したソフィアがいた。ソフィアは自分で目の包帯をとると、その大きな瞳で僕を見つめてきた。驚いた。流石、エルフ。セシリアに負けず劣らずの絶世の美少女だった。目の色は翠色で、意思の強さを感じさせる。身長は160センチメートルくらいで、前述のとおり胸が大きくスタイルが良い。ソフィアは、瞳を潤ませると、


「ご主人様!」


と、僕に向かって抱きついてきた。ちょっ、いきなりだな!と動揺する僕を、ソフィアはさらに両腕を僕の背中に回してホールドし、ギュウッと力をこめてきた。ソフィアの胸が・・・むぅ、かなりのものだ。と僕が堪能、いや困惑しているとセシリアも動揺しているのか「ご主人様を離しなさい!」と、『ご主人様』呼びが復活している。このままでは話が進まないので、


「ソフィア、とりあえず離れてくれるか?あと僕はまだ、君の主人ではないよ。」


と諭した。ソフィアは「そんな!」と言うと、さらに、


「ぜひ、私の主人になってください!こんなにも気が良く精霊に好かれている人は、なかなかいません。私の恩人ですし、あと格好良いです!最高です!」


ぐいぐい来るな!?さっきまで物静かだったのに。何か積極的な女子高生みたいだと印象を受けた。すごく可愛いけど。次にソフィアは、


「セシリア先輩!ご主人様に尽くすため御指導お願いします!」


とセシリアを味方につけることにしたようだ。セシリアも「えっ?はい」とか返事してるし。そうするとヤックさんが、


「ソフィア、奴隷がお客様にそのような態度をとるのは大変失礼になります。控えなさい。」


と戒め、僕に対し、


「ヤマトさん、大変失礼しました。ソフィアは当館に来て日が浅く、怪我のこともあって教育ができていないのです。お許しください。」


と謝罪してきた。僕は気にしていなかったので、


「いえ、気にしていませんよ。それでソフィアのことなんですが。」


と話を切り出した。ソフィアは可愛いし、元気が良い。根は良い子のようだし、面倒を見ても良いと思っている。


「こちらから持ちかけた話ですし、ソフィアが滞在していた費用くらいでどうでしょうか?」


と申し出てきた。いや、慈善事業じゃないんだからヤックさんも生活があるでしょうに。ヤックさんは本当に損をするタイプだろう。それでは僕の気が収まらないので白金貨1枚を何とか受け取ってもらった。因みに僕達は護衛依頼を2人で受けるつもりだったので、ソフィアが仲間になると一人多くなる。その事をヤックさんに確認すると、依頼の人数を増やすよう冒険者ギルドに手配してくれるそうだ。


ソフィアの奴隷契約を済ませ、僕たちは奴隷館を出た。確か、ヤックさんに挨拶に来ただけだったはずなのに新しい仲間を得ることになるとは思わなかったな。ソフィアに僕のスキルを説明するのは今夜にでもするとして、まずはソフィアの服を買いに行くか。例によってソフィアは貫頭衣だし。


服屋でソフィアの服や下着等を購入した。ソフィアが服を着替えると、やはり見違え天使にしか見えない。宿に帰ると宿のおばちゃんこと、ローラさんは、ソフィアとセシリアを交互に見て「モテる男は違うねえ。部屋は狭くても換えないよ?」とニヤニヤしていた。


その夜、ソフィアに僕のことやスキルのこと、【眷属化】等について説明した。ソフィアは今度は「勇者様!」と呼んできたが名前で読んでもらうよう訂正しておいた。【眷属化】については、


「眷属にして下さい!一生仕えたいです!」


と応じてくれたので、ソフィアも僕の眷属となってもらった。その後、どのように寝るかでひと悶着あったが、結局僕が真ん中で寝ることになった。・・・諸事情により、ベッド上で入り乱れることになったのだが。意外だったのは、普段は元気一杯のソフィアが、事に及ぶとしおらしく、受け身になることだった。まあ、二人の巨乳で美少女が並ぶ様は、圧巻だったとだけ言っておく。


現時点のステータス

【Name】ヤマト

【スキル】鑑定Lv10、全言語理解、スキルメニュー、風魔法Lv5、索敵Lv10、生活魔法、空間魔法Lv10、二刀流Lv5、隠蔽Lv10、回復魔法Lv5、眷族化Lv10、危険察知Lv10

SP(スキルポイント)】117

【称号】女神の加護

【眷族】セシリア、ソフィア


【Name】セシリア

【スキル】剣術Lv6、身体強化Lv6、生活魔法、隠蔽Lv10、危険察知Lv10、全状態異常耐性Lv2

SP(スキルポイント)】143

【称号】ヤマトの眷族


【Name】ソフィア

【スキル】精霊術Lv2、精霊眼、生活魔法

SP(スキルポイント)】0

【称号】ヤマトの眷族

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