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15話 王都への準備

僕とセシリアが、この街『エスト』に来てから5日がたった。僕たちは毎日魔物の討伐や採取をして、その収穫の売却や依頼の達成報酬で稼いでいた。この5日でギルドランクはCに上がり、ランクが上がるのが早い気がしたが、僕たちの魔物の討伐数が多すぎるかららしい。もちろんスキルポイントもかなり稼ぎ、僕たちは着実に強くなっていった。それで現時点のステータスがこちら、


※現時点のステータス

【Name】ヤマト

【スキル】鑑定Lv10、全言語理解、スキルメニュー、風魔法Lv5、索敵Lv10、生活魔法、空間魔法Lv10、二刀流Lv5、隠蔽Lv10、回復魔法Lv5、眷族化Lv10

SP(スキルポイント)】117

【称号】女神の加護

【眷族】セシリア


【Name】セシリア

【スキル】剣術Lv6、身体強化Lv6、生活魔法、隠蔽Lv10、危険察知Lv10、全状態異常耐性Lv2

SP(スキルポイント)】143

【称号】ヤマトの眷族


見て分かるように、セシリアは近接戦闘に特化している。元から取得していたスキルをのばし、本人が前に出て僕を守りたいと希望したからだ。女の子に守られるのもどうかと思ったが。僕からはセシリアに【隠蔽】や【危険察知】、【全状態異常耐性】のスキルを取得してもらった。前に出て戦うなら、防御能力も必要だからね。【隠蔽】は、当然スキルが異常なのを隠すためだ。


僕の方は、【空間魔法】と【眷属化】をLv10にしただけだ。両方とも強力なスキルだし。【眷属化】を真っ先にLv10にしたのは、セシリアのスキルをあげるためだ。【空間魔法】をLv10にしたことで、アイテムボックスの容量が無制限になり、時間経過もなくなった。ただやはり生物は入れられないけども。あと、視界内なら転移できるショートジャンプや、一度行ったことのある所なら転移できるロングジャンプも使えるようになった。【空間魔法】マジ便利。


「ヤマト様、本日のご予定はいかがいたしますか?」


と言って、セシリアが僕に微笑みかけてくる。セシリアも、ここ数日で慣れてきたのか最初のような緊張感はない。自然体で笑顔も増え、ますます魅力的になってきた気がする。おかげで毎日のようにセシリアを求めてしまうことになったが。


「そろそろ、宿泊予定の1週間が経つから王都に行こうかと思う。王都の近くにはダンジョンがあるらしいからね。王都に行く準備と、お世話になった人たちに挨拶しておこうか。」


僕がそういうと「分かりました。」と頷き、身支度を終えた。僕たちは武器防具屋や服屋に顔を出し、近日中に街を出ることや世間話をして回った。次にマリアさんに会うため、冒険者ギルドに向かった。王都への護衛依頼があれば、ついでに受けるつもりだ。ギルドに入り、受付にいたマリアさんに話しかけようと足を向けたところ、


「おいおい、男前の兄ちゃん。えらい別嬪な奴隷を連れているじゃねえか?俺達にも幸せを分けてくれよ。」と人を馬鹿にしたような声が聞こえた。声に振り向くと、僕を見てニヤニヤしている二人組の男がいた。【鑑定】をするが【生活魔法】以外何もスキルを持っていない。興味が無いので名前や称号等は確認していないが。僕は『またか』と思い、あからさまに溜め息をついた。ここ最近はセシリア目当てに、こういう輩に絡まれることが何度かあった。この男二人は初めて見る顔なので、どこからか流れてきたのだろう。「断る。」と簡潔明瞭に僕が答えると、


「お前Dランクの俺達を舐めてんのか!?お前みたいな新人はいうことを聞いとけば良いんだよ!女は俺達が可愛がってやるよ!」


これは絶対にひかない面倒くさい奴等だな。僕は「何だ。ただの盗賊か。」と男二人を挑発すると「何だと!」と騒ぎ出した。


「だってそうだろう?僕からセシリアを奪い、彼女に乱暴するって言ってるんだから。盗賊と何が違うんだ?」


と言ってやる。すると男たちは我慢の限界だったのか「決闘だ!」とわめいた。僕は受付のマリアさんに向かって、


「と、いうわけで『いつも』のとおり、お願いします。」


マリアさんも溜め息をつくと、


「分かりました。訓練所を使って下さい。でも、少しは面倒事を控えて下さい。」


と言われたが「僕から言い出したことは一度もありませんよ?」と言い訳をしながら訓練所に向かった。


訓練所につくと、ギルドの職員が立会をしてくれ決闘の詳細を決定する。


「決闘は2対2で行う。相手を殺害してはならない。相手が戦闘不能になるか、負けを認めれば勝利とする。敗者は勝者の奴隷になる、これで良いか?」


「構いません。」「俺達も良いぜ!」と僕と男二人が同意する。僕はセシリアに向けて、


「セシリア、ごめんね?またつきあわせて。」と話しかけると、


「構いません。もともと私が原因ですし。このような輩は、さっさと始末しましょう。」


と何でもないように言い切った。ギルドの職員の「始め!」の合図で


『ドンッ』


と僕が地を蹴り、正面にいた男の腹部を殴って吹っ飛ばした。それはもうシンプルに、真っ直ぐに男に近づいて殴った。男は数メートル吹っ飛ぶとそのまま泡を吹いて気絶した。隣のセシリアを見ると、もう一人の男を沈めているところだった。・・・セシリア、本当に強くなったな。「そこまで!」と言って、ギルドの職員が僕たちの勝利宣言を行う。この後、男たちを奴隷にするのだが、こんな奴隷はいらないので『毎回』奴隷として売っている。実は、ここにきて一番の収入は、この男たちのような奴隷を売ったことである。


受付のマリアさんの所に戻ると「最短記録更新ですね?」と皮肉言われた。気を取り直して、マリアさんに王都に向かうことを伝え、王都への護衛依頼がないかを確認すると、奴隷商人のヤックさんが王都への護衛依頼を出しているらしく、出発が明後日らしい。6名を希望していて現在4名までうまっているらしいが、ちょうど良いので護衛依頼を受けることにした。ついでにヤックさんにも挨拶に行こう。ここに着いてから一度も顔を見せてないからな。そう思い、僕たちはヤックさんがいる奴隷商館に向かった。

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