13話 活動準備
いよいよ、スキルポイントが心もとなくなってきた。耐性系等、身を守るスキルも欲しいしスキルポイントがいくらあっても足りない。これからセシリアと一緒に頑張ろう。先だって、今後やりたいことをまとめてみた。
・装備や道具を整える。
・冒険者ギルドで、アイテムボックス内の冒険者の遺体を引き渡す。
・アイテムボックスにためている魔石や魔物の素材を売る。
・冒険者になる。
・魔物を倒してスキルポイントとお金を貯める。
・拠点を手に入れる。
・仲間を増やす。
今のところ、これくらいか?仲間については僕のスキルの都合上、かなり信頼できる者か奴隷とするつもりだ。秘密を守ることができないといけないからね。今日は道具屋、武器防具屋、冒険者ギルドを回って、やりたいことを消化していこう。
僕とセシリアは、動きやすい服装に着替えると宿の豪快なおばちゃん、ローラさんに道具屋等お薦めを聞いておいた。宿を出て道具屋に向かっていると、ちらほらと振り替える人特に男が多いことが分かる。これは皆がセシリアを見ているんだな。セシリアはシャツにズボンという動きやすい服装をしているが、その豊かな胸や括れた腰、魅力的なお尻等スタイルが完璧な天使だから、皆が振り替えるのも分かる。ローブとかたまにフードを被っている人もいるし、何か考えた方が良いだろうか。そんなことを考えていると、雑貨屋みたいな道具屋に着いた。
店内には回服薬や干し肉等の保存食、テントや旅道具一式等、いろいろな物を取り扱っていてやはり雑貨屋みたいだった。旅を想定して必要と思われる物を片っ端から購入することにした。それで購入したのがこちら、
・保存食
・調理道具一式
・テントや寝袋
・体力回服薬、中級2個、初級4個
・魔力回服薬、中級2個
・解毒薬10個
あとはマントも売っていたので購入した。これは左肩の前の留め具を基点にして、上腕部から背中まで覆うことができる物でセシリアの魅力的な肢体を隠すことができると思ったからだ。まあ巨乳は誤魔化せないようだが・・・。全部で金貨24枚銀貨4枚だったけど金貨24枚にまけてくれた。かなり買ったけど必要経費だ。次に行こう。
次に僕たちが向かったのは武器防具屋だった。店内は丁度半分にして武器と防具を分けて並べてある。セシリアの武器は本人の希望で片手剣と手甲に決まった。セシリアは格闘も使いたいみたいだ。セシリアの装備は、店で一番高いミスリルの剣と手甲にした。
「ミスリル装備は、普通の冒険者でもあまり持っていませんよ?それを奴隷が持つなど」
とかなり遠慮していたが、身を守る大事な物だから妥協するつもりはない。次に今の僕は、拾った(ゴブリンや盗賊から奪った)鉄の剣を使った二刀流というスタイルだが何か良いものがないかと鑑定していると、部屋の隅の処分品の中に金属の棍棒を見つけた。鑑定結果は、
【種別】武器
【クラス】神級
【詳細】ダンジョン産。武器にみあった魔力を通すことで所有者設定する。所有者の望む武器形態をとる。
はい、来ましたテンプレ!掘り出し物を見つけるとかお決まりのパターンだよな。でもこれは是非試してみたい!店のおっちゃんに棍棒について聞いてみた。因みにおっちゃんは、中年の髭もじゃのがっしりした体型をしている。
「おう、男前の兄ちゃん。それなぁー、俺の親父の代から店に置いてあるんだか正直よく分かってねぇ。やたら頑丈だが頑丈過ぎて鋳潰すこともできねぇし、魔力を通しても何も変化がねえから魔道具でもねえ。昔、鑑定をしてもらったこともあるが、詳細が一切分からなかったみたいだ。」
と説明してくれた。僕が譲って欲しいと言うと「たくさん買ってくれるならただでやるよ」と言ってくれた。おっちゃんを騙しているようで申し訳ないな。でも僕の【鑑定】について言うわけにはいかないしな。まあ、防具も含めていっぱい買おう。防具は僕もセシリアもスピード重視だから革製防具にした。何でもオーガというCランクの魔物の皮を使った鎧みたいで、ベテランが好んで使っているらしい。あとは僕が持っている鉄の剣2本と剥ぎ取り様のナイフを除いて全て下取りに出した。
「兄ちゃん、アイテムボックス持ってるなんて珍しいな。そいつは便利だから冒険者に限らず商人でも引く手あまたになるぜ。下取りの品は、数は多いが大分傷んでるからな。全部で金貨10枚がせいぜいだな。うちで買ってくれる代金からその分引いて、少しおまけして白金貨20枚でどうだ?」
下取りに色をつけてくれて、さらに白金貨1枚分安くしてくれたみたいだ。僕はおっちゃんに了承し、もちろん例の棍棒も貰って店を出た。棍棒に魔力を通すのが楽しみだな!今夜にでもやってみよう。
装備が整い、次に向かったのは冒険者ギルドだった。冒険者ギルドに入ると、正面に受付カウンターが並び、ここで依頼の受注や結果報告をしているようだ。右手の壁際に依頼書がランクごとに分けて貼ってある。僕とセシリアがギルドに入ると、一瞬視線が集中したがその視線を無視してカウンターの前に向かう。この時間帯は空いているようだ。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件ですか?」
と受付の女性が僕に話しかけてきた。受付の女性は、マリアと書かれた名札を胸に着けておりキリッとした、いかにも仕事ができる女性という雰囲気の美人だ。
「初めまして。今日は、僕と隣にいるセシリアの冒険者登録にきました。あと、盗賊についてお話があります。」
と、冒険者の死体のことまでざっくりと説明するとマリアさんは「少々お待ち下さい。」と言ってカウンターの奥に消えていった。しばらくしてマリアさんが戻ってくると、
「お待たせしました。ギルドマスターがお会いするそうです。」
と促してきた。どうやら簡単に話は終わらないようだ。僕は溜め息をついてマリアさんについて行った。




