11話 改める決意
服屋の店内には、丈夫そうな生地で比較的若者向けの服が多いような気がする。まあ、魔物がいるような世界だから丈夫そうな服が多いのかな。僕が店内の服を眺めながら、そんなことを考えていると、
「お待たせしました。」
と背後から声をかけられた。僕が振り向くと、天使がいた。いや、セシリアがいたのだけれど、天使と思えるくらいに可愛い。セシリアの金髪を、さらに輝かせるような純白のシャツには、アクセントとしてお洒落なフリルが装飾されている。そして膝丈の青色のスカートを履いていて、一見するとどこかの天使、或いはお姫様にしか見えない。もちろん、兎耳はセシリアに良く似合っています!過度ではなく、シンプルなのが僕は好みのようだ。僕が思わず、
「すごく可愛いよ、セシリア。良く似合っている。」
と言うと、セシリアは赤面して顔を伏せると、
「ありがとうございます。ご主人様。」
と恥ずかしそうに答えた。その様子も含めて、セシリアは本当に可愛いなと思っていたが、それよりも、
「じゃあ、その服は購入しよう。それと僕は、セシリアには名前で呼んで欲しいな。」
とお願いしてみると「はい、ヤマト様」と読んでくれた。まあ今はこれで良いか。名前を読んでくれる方が、僕個人を見てくれているようで嬉しいからね。店員さんは、他にもお洒落な服や動きやすそうな服を選んでいたが、どれも僕が満足できる物だったので、全て購入することにした。何だか店員さんも、大仕事を成し遂げたような満足そうな表情をしていたけれども。
僕は、いい加減にお腹が減っていたので、服を購入した後、良い食事や宿を店員さんに聞いてみると、『満腹亭』という宿を紹介してもらったので、すぐに宿に向かった。冒険者の遺体の件もあるから、冒険者ギルドに行かないといけないのは分かっているけど、今日はいろいろあったから疲れているし、美味しいご飯が食べたかったんだよ!
僕とセシリアは、すぐに満腹亭に向かうと受付けにいたおばちゃん、ローラさんという、名前は可愛いが豪快な女性に会った。
「いらっしゃい!二人部屋の宿泊なら、一泊銀貨8枚だよ。うちの食事は、ちょっと自信あるから是非食べておくれ。食事は朝夕の2回で、それぞれ6の鐘から一階で食べることができるよ。」と、僕が何か言う前に説明してくれた。後でセシリアに聞いたが、6の鐘は日本の午前と午後の6時という意味だった。おばちゃんの不可視の圧力に僕が屈指、セシリアを見ると微笑んで頷いたので、ローラさんに一週間分の金貨5枚を支払った。因みに、一週間まとめてだと割引で金貨5枚のようだ。
8畳間くらいの部屋に、ダブルベッドが置いてあるシンプルな部屋に案内された。・・・服屋では、シンプルが好きと言ったけど、これはシンプルすぎるよ。部屋を案内されたものの、すぐに鐘が6回鳴ったので、空腹の僕はセシリアと一緒に食事を摂ることにした。
食事の席では、セシリアが「奴隷が一緒に食事など」とかひと悶着あったが、そこはテンプレとして割愛します。ただ、セシリアが美味しそうに食べていたのが印象的だった。その様子を見て、僕はセシリアを幸せにしてあげたいなと改めて思った。
食事を終え、部屋に唯一と言って良いベッドに腰を掛け、僕は今後のことを考えていた。今日は、何とかセシリアという、とても良い子の命を救うことができた。これができたのも、一重に僕のスキル、つまりスキルポイントがあったからだ。あの時、スキルポイントが無ければセシリアを救うことができなかっただろう。やはりスキルポイントは僕の生命線と言っても過言ではないので、今後もスキルポイントを貯め、ある程度は余剰分も確保したい。あとは、セシリアを強くできないかとか。明日以降は、冒険者ギルドに行ったり冒険者になったり、装備やその他諸々を準備する等、やりたいことが一杯ある。僕がそんなことを考えていると、不意に柔らかく暖かいものを背中に感じ、
「ヤマト様、初めてで拙いと思いますが精一杯、ご奉仕させていただきます。」
すごく頑張ってくれたのだろう。顔が赤いことからも分かる。ただ、セシリアが下着姿で色白な肌や大きな胸、括れた腰など全てが完璧であることから、セシリアを愛おしいと抑制が効かず、その体を抱きしめて体を重ねることになった。
※現時点のステータス
【Name】ヤマト
【スキル】鑑定Lv10、全言語理解、スキルメニュー、風魔法Lv5、索敵Lv10、生活魔法、空間魔法Lv3、二刀流Lv5、隠蔽Lv10、回復魔法Lv5
【SP】26
【称号】女神の加護
【所有奴隷】セシリア
【Name】セシリア
【スキル】剣術Lv2、身体能力強化Lv2、生活魔法
【称号】ヤマトの奴隷




